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【議事録】2023年度第9回真山ゼミ 「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」読書会

今回のゼミのテーマ

今回のゼミでは、『日本人はなぜ戦争へと向かったのか: メディアと民衆・指導者編 』(新潮文庫)の読書会を行いました。

事前課題

以下の2点について自分の意見を準備してきてください。

  1. 本を読んで自分の歴史観が変わった部分、新たな発見があった部分。

  2. 日本はどの段階(本の中で扱っている範囲:1931~41年)でどうしていれば戦争に向かわなかったのか、民衆(第一章の内容)、軍部(第二章の内容)それぞれから考える。

当日の議論

以下の2つから議論を始めました。

  1. 本を読んで自分の歴史観が変わった部分、新たな発見があった部分

  2. 日本はどの段階(本の中で扱っている範囲:1931~41年)でどうしていれば戦争に向かわなかったのか、①民衆(第一章の内容)、②軍部(第二章の内容)それぞれから考える

まずは発見があったことから。

Aさん
満州事変の真実(関東軍の工作だった)について日本の新聞が最後まで報じなかったということが衝撃的だった。当時の日本人と後世の自分たちの認識の不一致。
当時の日本人の間では満州事変は日露戦争の圏益を維持するためのもの、という考えが根強く、現在の自分の認識とは異なるものだった。

Bさん
ものがなく、国力がないから戦争をするしかない、というのがあった。
アメリカ側の世界観として、中国からの宣教師が来ていて、弱い者いじめをする日本、というイメージがアメリカにあったこと。人道的な位置づけをしていた?

Cさん
アメリカによる石油禁輸は部分的なものだった。
陸軍の中でも反戦論があったことは驚き。

Dさん
森山教授とかは、軍部の中でも優柔不断があって、「やめるということもやめる」
凶作があったことも日本を戦争に駆り立てた要因になった、というのは新たな発見だった。

Eさん
その当時のライブ感・雰囲気が書かれていたのが新鮮だった。
(自分の持っていた歴史観は)今から振り返っての歴史だったということを始めて認識して新鮮だった。

Fさん
開戦後初期は景気が良かったということが意外だった。後期の悲惨なイメージを持っていた。
マスメディアの統合の歴史も知らなかった。

Gさん
不買運動が行われていたこと、ドイツでは新聞社がつぶされたが日本ではそのまま残った、というのが驚きだった。
石油がないから戦争するというのも驚き。

Hさん
開戦がトップダウン的に行われたと思っていたが、大本営でも誰も何も決められない。
アメリカでも対日強硬派と融和派がいたこと、前者が後者を押していく、という構造は日本でも似ている。

Iさん
世論調査で6割の国民が日米間の戦争を避けることができる、と回答していたことに驚いた。最終的に開戦に踏み切ったのは国民が後押ししたと思っていた。
世論と輿論の違い:
「みんながそう思ってる」の正体、みんなが分からないまま拡大していくのだとしたら怖い。

Jさん
軍の新聞社への圧力、というのは認識していなかった。
誰一人として止める人がいなかった、という中野新報の記述も驚きだった。

真山先生
日本がなぜ戦争をしたかについて歴史的に反省を表明していない。
きっかけは日露戦争、日比谷焼き討ち事件。
この頃から大本営発表的なものの発表が始まった。日露戦争は満州が戦地、ロシアの領土に(ほぼ)攻め入っていない。

今のウクライナ侵攻でも、ウクライナにとっては勝利はなく、ロシアを追い返すかロシアから領土をぶんとるか、という二択しかない。

海外との戦争ではじめて日露戦争の時に若者を戦死させている。
戦時国債を初めて乱発したのが日露戦争。莫大なお金を戦争に向けたが、そのお金を終戦後にバランスできなかった。

これは外交官としては大金星だが、その状況を日本国民に知らされていなかった。
連名を脱退した松岡が日本国民に迎えられたときに疑問を呈したが、これと逆のことが日露戦争のときに起きていた。
松岡と真逆のことが起こった。外交能力を上げることをやめた。日露戦争には「勝ってません」と言えなかった。

第一次世界大戦も大きい。日本は連合国としてベルサイユ会議にも出ていて、結構利益を得ている。不敗神話。いつのまにか列強国になった日本。
海軍が強くなったため会議に出てこれて、日本は待遇が悪いと怒り出した。日本とアメリカは第一次世界大戦で得をした。
軍の報道をメディアがそのまま出すようになり、中国で勝っている、大東亜共栄圏を作ろう。
石油の問題。石油が無いならぶんどりましょう、と考えたのは信長のような考え方。しかし、本来なら日本は家康にすらなれていない。

アメリカには勝てるわけがなく、それを分かっていた。海軍は奇襲だけしてアメリカと講和条約を結ぼうとしたができずに長引いた。
昭和16年夏の敗戦
日本のエリートのシミュレーション

日本人の多くが戦争に反対した理由は、日露戦争の記憶がまだあったから。親や兄弟が亡くなっている。大体農村の次男以降が死んでおり、貧乏人が損をしている。
大正時代にデモクラシーが起き、経済レベルも上がった。成金、モガ、モボ
世界的にファッションで注目される。
日本は豊かさを謳歌していた。初めて生活を楽しめた。このころから満州事変が始まった。

世界恐慌で銀行が潰れ、米騒動も起き、何とかしなければと思うようになった。日本の農業技術もまだ発達しておらず、子供を産ませない、産んでも間引き、女性の人身売買。

大陸に出れば農業を豊かにして、満州で農作物を作ればよいとなったが、満州はとても寒い。北海道でコメが取れるのは最近の話。(満州で様々な作物を試し)最後は綿花を作る。食料調達、外国へと食い扶持がない人を開拓農民として外国(満州)に出して、人口を減らそうとした。
長野県や東北の次男三男
地面が凍結して鍬が入らないような土地。

客観的に見ると、だれも満州を日本にあげるなんて言っていないのに、ロシアを追い返したから勝手に保持して良いと思っていた。ヨーロッパのように領土が隣り合っている国は、勝手に領土を取った時にどんな恐ろしいことが起こるかが分かっていた。その恐ろしさを日本は分からなかった。

日本がもっと弱い国であれば国際連盟から何も言われないが、日本の発展がはやく、日本は警戒された。ヨーロッパは第一次世界大戦で疲弊してアメリカにトップを奪われた。

アメリカは、世界のトップになれるチャンスができている。

世界史の中で日本を見なければならない。

劇的にヨーロッパが衰退し、アメリカが伸びてきた。
日露戦争で勝ったと思っている。第一次世界大戦でも勝ったと思っている。

怖いものがなく、ないものは手に入れればよいという発想。軍縮の時には交渉でその代わりにどうしてくれる、と言うべきだった。外交より武力に重きを置いてしまった。イギリスは日本、日英同盟を大事にしようとしており、交渉していたところにアメリカが経済制裁をしてきた。

日本は交渉すべきだったのに、欧米との交渉が上手くなかったし、できていた時代の外交官を非難してしまった。
海軍の情報収集は陸軍より劣っていた。仮想敵が陸軍と海軍で異なり、陸軍はソ連、海軍はアメリカ。ソ連のスパイがいて、ソ連を避けるように、避けるように進言した人物がいた。

陸軍も一枚岩ではなく、関東軍と中央部ではかなり異なる。
東京にいる陸軍はバカじゃない。
よく事情が分かっていない近衛さんがラジオで焚きつけすぎた。鬼畜米英、と日本人の心をくすぐった。ナチスのプロパガンダも良く研究している。
日本放送協会(今のNHK)の批判はしている。総理大臣がそのトップにいたのもありえない。

ラジオこそライブ感で、近衛は演説がとても上手かった。国民の高揚を高めた。戦争を批判していた朝日が軍にやさしくなり、信濃毎日がダメになった。それくらいならいいが、途中から爆弾三勇士などでっちあげて煽っていった。NHKと朝日の戦争責任は重い。
商業主義に走った。日本は外国と違い、ジャーナリズムは勝ち取ってきたものでもない。民主主義も日本が作り上げてきたものではないため、どうしても国に日和ってしまう。

なぜ反権力だったか、反権力が売れるから。

なぜこの時代のことを学ぶか、総括されていない。

今の世でも似たようなことは起きうる。視聴率を重視して誰かが文句を言って煽るようなことは今のメディアでも起きている。

開戦前に近衛から東條首相へ。
多くの人は東條英機とヒトラーを開戦したという理由で同一視するが、東條が昭和天皇に推された、彼なら戦争を止めてくれるかもしれないから。

東條はもともと強硬派だったが、最後、頑張ってやめる方向にしていた。
日本人は誰かのせいにするのが好き。自分たちの責任転嫁。NHKスペシャルは相当メディアへの自己批判を含んでいる。
戦後直後に誰も言わなかったこと。日本に反共の壁になって欲しかった天皇と国民に甘々のアメリカ。ドイツでは最近までハーケンクロイツに規制。

ドイツが頑張った、ということも日本にとって励みになった。性格的にも近かったこともある。ドイツとの三国同盟も、軍部では反対が出ていた。

【意見交換】

Eさん
開戦時、景気がよかったということは意外だった。
戦争に対する悲惨なイメージが定着しているが、空襲が本格化したのは1944年後半から。
これまでうまくいっているから行くしかない、寧ろ今開戦に踏み切らないと損だ、という雰囲気が当時あったのだと思う。自分が「国賊」だと言われてもその場でものが言えるのかと考えると難しい。

Fさん
もう一つ意外だったのが国益のため、と強調されていて、当時の人たちがずっと意識していたことが意外だった。みんなが国益だと思っているものを国益として追求せざるを得ない。

真山先生
国益ということばは今でも使われている。欧米は国益のためと言って戦争をする。
権力者は国益など反対しにくいキーワードを(使おうとする)。
どう国益なのか、と聞かなくてはいけない。ビジネスなら、100億のために300億かけるのはどうか、という議論になるが、国益だとならない。

Cさん
番組を見て当時のマスコミが国益になるかどうかはわからなかったはずで、所詮メディアができることは限られているのではないか。現実的にメディアが民意をどうこうすることはできなかったのではないか。

真山先生
社会で起きていることを記録するだけで、抑止力はないが、こういう意見もある、と拾うことが抑止力になる場合がある。ガソリンを足すメディアは良くない。入った情報を大きくも小さくもしない。抑止なんてできるわけがないが、できると強く思って行動すると少しできる。
同調圧力に一番弱いのはメディア。今メディアはSNSの動きを重視している。
(メディアに抗議が来た時に)抗議に来られた、と一面に出し、今度は火を付けられた、と一面に出せるか。
日本のメディアはお金持ちの遊びから始まっている、
言論のため、と言えるのは赤旗くらいか。

シールズが良い例で、あんたたち勉強した方がいいでしょ、となぜ言われなかったのか。逆に右翼的なメディアはなぜこんなガキの話を、となってしまう。
つまらないイデオロギー的対立をするべきではない。

Iさん
日本に資源が無いからこそ戦争へ。
すごく現代的。今の戦争と昔の戦争の違い。グローバル化が進んでいるから調達できる。思想やイデオロギーの対立。当時の日本にはものもない、土地もない。他の国はものが欲しいから植民地を持っていた。
今の戦争は帝国主義的な拡張政策の風潮がなくなっただけ、日本にものが無いことは変わりない。

Aさん
書籍の中で、中国からもし撤退したなら、馬鹿にされ石を投げられる。「将来日本人は、中国人につばを吐きかけられる。朝鮮人に石を投げられてですね、どこに行ったって立つ瀬がないぞと。」(p.135)
不安の感じ方が違う。中国朝鮮を当時下に見ていたのだろう。過度な不安。

Cさん
ものがない、と言ったときの前提は今と当時では異なる。

Aさん
p.131に石油備蓄が2年ある、とあったが、今の備蓄は200日。当時は本当にものがなかったのだろうか?

真山先生
戦争をはじめる、ということは今の北朝鮮みたいになる、ということ。
今だったらどういう状況だろうか。本当に未来永劫ものがあるのだろうか。
今の状況で中東で戦争が起きたらものがなくなるはず。

Cさん
今の人は物がない、という認識がなかったのでは。
当時も物がない、という認識はあったのか?

真山先生
メンツ。帝国主義というのは重要なキーワードだが、なぜヨーロッパ、アメリカと同じことをしているのにダメなのか。
国際連盟の時に帝国主義は終わったはずだが、日本が遅れて真似をしようとした。時差があった。途上国がガンガン二酸化炭素を出しても良いでしょ、というのと同じ。
欧米からするとそれは終わった、となる。

この視点が重要で、すると同じ状況が出てくる。

Bさん
自由貿易体制で考えると良いか、今はグローバルで物が得られる。昔はブロック経済だった。今とくらべて日本のGDPは600兆円、食料とエネルギーにそれぞれ10兆円かかっている。経済力で言えば十分。

Iさん
台湾有事をものから考えると、日本がアメリカを誘うプロパガンダとして、半導体が手に入らなくなって産業がたちゆかなくなるのでは。脅される材料になるのでは。

真山先生
遅れてきた帝国主義国家はもう面倒。世界の仕組みやルールができている中で、何故今更言うのか、となる。アフリカは既に英語とフランス語が公用語。すでに帝国主義で色分けされているところに後から日本が色を足せ、としてきた。これは見せしめの為にも徹底的につぶさないと、後からどんどん似たような国が出てきてしまう。
ドイツも同じ。1918年に負けて1930年代に復活なんてあり得ない。
こういうのはシステムの破壊者。北朝鮮のような国が多いと困る。

ものがなく、ものを奪い合う戦争はいまだに起きている。
宗教戦争と言われていても、実際は石油やダイヤモンドを求めていることが多い。
内戦もほとんどそう。スーダンは部族毎の国家、ある部族が石油の利権を持っていると他の部族がつぶしたくなる。

台湾有事も最大のポイントはTSMC。そこでしか作れない半導体を台湾が作っている。TSMCを他の国に移してしまうと、どこの国も台湾を救ってくれなくなるので、TSMCは半導体工場を他国に作らない。
iphoneに入っている半導体の相当部分が作られている。

全部この世からTSMCをつぶしてしまえば、中国のような2位の国が台頭できる。
もしアメリカが本当に台湾を大切にしているなら国連代表を変えないといけない。
日本人が思っているほど米中は仲が悪くない。せめぎ合うことで世界に刺激を与え、国内の問題として中国がまちがいとしてミサイルを飛ばして工場を破壊してしまえばよい。
パレスチナが注目されているからむしろ今がチャンスと考えているかもしれない。

ガザは旧約聖書の時代から続いている戦争。イスラエルからすると、パレスチナ人がガザにいるのが許せない、取り戻す権利があると思っている。
イランが出てくる。ホルムズ海峡が封鎖されると日本に影響。石油のうち中東から来るのは90%。アメリカは自前で持っているが使わない。いざというときのため。
中東では一時期原発、地熱が流行った。

日本もいまだに製造業に頼っていて、石油がないとなると日本の価値が下がり、国際価格も下がり、大打撃になる。

インドネシアは地熱発電をやっている。これは、彼らは石油を他国に売っているため。

世界人口は第二次世界大戦後急速に増えている。中国、インドの人口が豊かになったら立ち行かなくなる。日本は資源が何もない。日本は危機感を持つべき。
日本が潤沢に持っているのは水だけ。

今と戦前は状況は変わらないかもしれない。唯一(違うのは)、あんな軍部はしばらく出てこないだろう、それだけの覚悟が自衛隊に無いから。

自分の国を守る、というのは軍事以外にも色々な面から覚悟できているのか。
なぜ米軍がいるのか、なぜ日本は先進国なのに核を持っていないのか、と考えるべき。
資源が無いからまた何かやるかもしれないから。
アメリカは日本をいつでも制圧できる、それだけ日本は世界から信頼されていない。

あまりにも危機感が無い。懲りない。知恵、技術、一応金を持っているが、蒸発する可能性が高い国であることは間違いない。

【問題提起】

戦争が起きた、巻き込まれたときにどうするのか?止める方法はないのか?

真山先生
今であれば台湾有事の際に中国につくか、アメリカにつくか、独立的に戦うか。
北朝鮮からミサイルを落とされるケースもありうる。その場合戦争をしなければならない。
自衛隊がクーデターを起こして米軍に介入されるかもしれない。

Gさん
そうなったときに個人としてなにができるのか?

真山先生
世論はもともと点から始まっていく。

Gさん
自分の周りやSNSで自分の考えを発信、議論することが大事だとは思うが、偽情報の規制もされていない日本では難しい。
話が変わるが、新聞各社が同じような内容を発信するようになり、独自の情報を求める人が少なくなった、という記述が本にあった。

真山先生
情報源が特定の軍人や公式情報など限られていた。少しでもずれると叩かれ、横並びになりがち。
長野の新聞でも「いちゃもん」をつけられた。

Bさん
戦争によって結論が変わる。日清、日露戦争はやってよかった、という人もいるのでは。憲法上は日本だけが戦争をしてはいけないとしている。

Cさん
海外で留学したときに、アメリカ人の友達は真珠湾でやられたからやり返すのは当然。ABCD包囲網は全く知らない。イギリス人の学生もそう。中国の人とは歴史も政治の話もできない。日本人は攻めて来られた時にどうするのか話すべき。日本は戦争をするかしないかと議論できる貴重な国。

真山先生
先進国は一円たりとも自分の国益を出したくないため、交渉して上から偉そうに話をつける。日本は恨みをすぐ忘れる、と言われる。外国からひどい目にあわされていない。
平和を守るために戦争をしないと言っているのは日本だけだが、
アメリカは自分達だけが生き残れば良い、と思っている。

普通なら、攻められたら必ず報復。勝てるか否かによらず。
日本はやって勝てない国とはやらないよね、という発想にしかならないように植え付けられている。他の国の戦争に関係させられなくなる点で、今の憲法は良いと思っている。
危機管理が重要なのは、あのことを考えていたよね、となる。特に、エリートなのだから。研究者でも企業でもどの分野でも。

Cさん
志願する。従軍記者になりたい。

Dさん
自分に何ができるか、と考えると絶望してしまう。志願して兵になっても兵力の1人に過ぎない。

Cさん
爆弾三勇士になれば良い、メディアもそれを大きく報道したら1人の死が非常に大きな意味を持つ。

Jさん
分からないが、何を守りたいのかを考えないといけない。
アメリカ、中国の配下に下ってもいいが、将来的に日本を復活させる形で。

Cさん
上の圧力によって打ち消されて気が付いたら中国に占領されているかもしれない。
国民の権利は剥奪される。

真山先生
気持ちとして銃をとることは大事だが、同じ気持ちで別のことをやる、戦争を回避する、という発想も大切。
現状、いま日本が戦争を仕掛けることはないが、戦争好きな国が周りに多く、巻き込まれる可能性は大きい。そのとき、やられたらやり返すのか、外交をするのか。そもそも日本は外交力がないが……両方の国の国民が盛り上がらなければ政府が何といっても戦争はできない。日本は外国に友達が少ない。
ストレートだが、もう1知恵絞って欲しい。

Cさん
そのためにマスコミに行くし、このゼミにも来ている。

Hさん
戦争をどうやって避けるか、どう国同士の付き合いを考えるのか、が大切だと思う。西側から日本も、と(戦争を)やらされてしまうのではないかと思う。

真山先生
イラク戦争時、日本は自衛隊を出さずに金だけ出した。金だけか。その時にちゃんと説明しないといけない。アメリカが作った憲法で無理なんです、と言わないといけなかった。
それで叩かれたので、PKOを出した。どんどん海外派兵に近づいていく中で、憲法的には無理な集団的自衛権を持つようになった。
日本は絶対海外に出ない、とすると空母も持つべきではない。日本の立ち位置を分かってもらう、というのは大切。

Eさん
北朝鮮からミサイルを間違って落とされたときにどう対応するのか、というのはリアル。軍事的にやり返す、というのは他の国から止められてできないのでは。では、やり返さない代わりにどうするのか、というのは難しい。

Kさん
前回からずっと考えていたが、何が国益かは分からない、というところで止まっていた。
アメリカが占領したらどうするか、と言われると詰まってしまう。
人さえ死ななければそれでよい、という考え方と、自由なら数人犠牲になっても良い、という考え方があり、最大多数の最大幸福に問題が収束してしまって止まっていた。
死なない限りは希望があるなら、とりあえず殺されない道を選ぶと思う。

真山先生
日本は珍しい国で、世界に占領されたことが無い。
残念ながら、官邸や自衛隊ですら国土にミサイルを落とされたらどうするか、とはっきり答えられないと思う。

Kさん
台湾有事への自衛隊のシナリオが作られていて、驚いた。もっと自衛隊に発言権を持って、と思う。

真山先生
それはシビリアンコントロール的に問題。最終決定する政治家は考えていない。
統合幕僚長が官邸にミサイルを打ってよいか、と打診し、結局官邸は抗議だけすることに落ち着くのでは。北朝鮮に日本は占領できるのでは、と思われたらダメ。これは自衛権の問題であり、他国にとやかく言われる筋合いはない。それに対し外交的な許可をとって説明することが大切。なんなら中国が入ってくるかもしれない。中国が出てくるとアメリカも出てくる。

Aさん
もともと、1931~41年にどう止めるかのもとの課題も絡めて話す。
憲法改正で緊急事態条項を作るべきでは。判断する主体。

31年~41年にどうすれば戦争を回避できたか、と考えた。日本は原爆を作ればよかった。実際は作っていたが、1つリーサルウェポンをもっていれば交渉ができたのではないか。本気で開発するべきだった。薬もそうかもしれない。だしにして交渉できるかもしれない。台湾はTSMCをもっている。それにならって日本も、何かを作るべき。もともとTSMCがやっていたことは日本の方が得意だった。
核、半導体以外にもなんでもあるはず。

真山先生
だいぶトレーニングっぽくなってきた。

Kさん
当時の内閣全員が友達だったら防げたと思う。決意なき開戦、というのが印象的だった。近衛は私邸にまで呼んで本意をさぐった。せーので言えなかったのか。

真山先生
当時はエリートは繋がっていた。(政略結婚)
後ろに皇室やら軍やら組織がいると仲が良くても難しい。側近で話せる人がいないといけない。今でも同じでは。「総理早く失敗しないかな」
そういう意味ではケンブリッジ、オックスフォードでの全寮制出身の外交官は結束力がすごい。寝食をともにする、月一では足りない。

Cさん
海軍と陸軍が一体化していると抑止と均衡が働かない面もある。

真山先生
天皇に権限をもたせず輔弼していた。御前会議が何度も開かれていて、それは珍しい。何度も戦争をするなと伝えている。あれだけ神扱いしておきながら誰も天皇の言う事を聞いていない。天皇に力がなかった。伊藤博文か山縣有朋がいれば止められた、と言われた。本気でやって勝てるわけないと言う人がいなくなった。元老がいないと止められない国はおかしい。
政党政治が今以上に腐敗していた。陸軍大臣、海軍大臣が辞めて次の人を出さないと内閣が倒れる。まねっこして作った穴が出てくる。
岸田首相となったときに、朝日新聞ですら憲法を改正しようとなったが、国葬で流れた。安倍派は戦争をやりたかった人たち。法律、システム、自衛隊の問題。国境周辺で何かあっても海上保安庁にやらせる。それでいいのかという議論が出てきておかしくない。
防衛費を上げるだけでこの国が安全なわけではない。増税だけで終わってしまう。
安全保障
予算を組んだ課長にむしろ(どうしたら国民に負担を納得してもらえるかと)聞かれた。
陸自が出る時には日本は負けている。ここまで絞ったがお金が足りない、なら理解される。でもOBに反対される。

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