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ナンパとCatcall

海外に行くと、日本人女性はモテる」なんて話、聞いたありますか?

私は何度とあります。

モテの定義は人による、と思うので検証は難しいでしょう。

で、私の個人的見解としては、3点。

日本より”美”の範囲が幅広い(多様性を受け入れている基盤があってこそ)
・多人種・多民族でない国家や都市では、アジア人女性はエキゾチックな存在として、魅力的に映る
それ本当に”モテ”?です

3点目の本当にモテ?を頭の片隅に置いておいてください。(テストに出ます)

前置き(長いぞ)

この話題はずっと取り上げたいと思っていました。そして、今だ!と思って書き上げているのは、こちらのニュースを知ったから。

このニュース、とても人ごとと思えません。

私も昔は高校生でした。

小学生の頃から、露出狂と呼ばれる犯罪は身近なもの。そうした犯罪者に会ったら「その場から逃げて、近くの大人に助けを求めなさい」と教えられ「あの辺りは、変な人が出る」と子ども同士で話題になる事もありました。

この手の犯罪と、ランドセルを背負う頃から対峙していかなければならないんですよね。

初めて痴漢に会ったのは中学三年生。高校受験当日の電車の中。1人でした。怖かった。何が起こっているのか分からない、とはあの事。

しかも辛かったのは、誰にも言えなかったこと。今思えば、お母さんに言って良かった、と思う。言えば良かった。でもそもそも電車内の痴漢、という犯罪を多分あんまり知らなかった。知識として備えていなかった。

高校時代は、度々の電車内での痴漢行為に嫌気がさし、一年の中頃から集団登校をしていました。

学校までは電車で一本、たった4駅でしたが、次の駅から1人、次の次の駅からまた2人と、乗る電車と場所を決め通学。すぐに集団登校の輪は広がり、最寄駅から電車に乗ろうとすると、友達の友達が乗っているから安心!でした。

高校では、クラスの誰かが痴漢犯罪に合い、その為にホームルームに遅刻したりする事も。

友達はバイト帰りの夜9時過ぎ、大通りを歩いていた所、横付けされた車に引きづり込まれそうになった。

高校の卒業式の日、友達と夕食&カラオケをして帰宅時、家の近所で「卒業おめでとう、一緒に飲まない?」とスーツを着た男性に声を掛けられ、怖くて急ぎ足で、人のいるコンビニに逃げ込んだ事もあります。

高校を卒業したら少し落ち着きましたが、バイト先の男性上司に「男はレイプをしてからが一人前」と言われ、恐怖と絶望で頭が真っ白になりました。

最寄駅で友達とばったり会ったので立ち話をしていると
「こんな所でナンパ待ち?」と男性グループに囲まれ、シカトすると、暴言を吐かれました。

ナンパを無視して、暴言を吐かれる、舌打ちをされる、これは繁華街ではよくある事だと思います

とりあえず、私の経験はこんな所です。

ナンパは出会いでしょ?と思われるかもしれませんが、暴言を吐かれると、それからは恐怖と怒りでしかありません。さらに、見ず知らずの人に性的な発言をされると、それはもう「キモイし、こわい」の一言です。(あ、気持ち悪すぎて、思わず二言…)

私は幸いにも、就職先の職場で性的なハラスメントを受ける事はありませんでしたが、大人になってからも悩まされている人達は少なくない、と思います。

私達は、こうして、暮らして来ました。

こんな生活をしている女性は、世の中に沢山いると思います

「沢山?嘘だろ、聞いたことない」とお思いでしょうか?

聞いたことないかもしれません。実際に私は、女性の友人とだけこうした話をして来ましたが、他には誰にも言いませんでした。

私は両親に話しませんでしたし、お付き合いした男性に話す事はありませんでした。

こちらのツイートは私の思いをズバリ!


あなたはこうした話題を身近な人と話しますか?

2007年に「それでもボクはやってない」という映画が公開された事によって、兄と電車内での痴漢について話したことがあります。

「高校の時、朝の通学時の痴漢なんてしょっちゅうだったよ」「それが嫌で短大は田舎寄りにしたっていう理由もあるくらいだよ」と話すと

「満員電車では痴漢に間違われたくなくて、片手はつり革に、もう片方も文庫本を読むか、肩に手を置いている」と話してくれました。

***

今のパートナーとも、こういった事柄を討論します。

私の経験を話すと、彼は言葉通りの"憤慨"を見せてくれます。自分のパートナーにこう、怒りを露わにされたり、有り得ない!と言われると力強いです。

私たちは同情をされたい訳ではないのです。(勿論、多少は慰めて欲しい。辛い思いをして来たのだから)

私は、こうした問題提起に老若男女問わず、本気になって討論を重ねる事が、問題解決の一歩でもあるのでは、と思います。

そして、こうした話の後「ま、カナダでもcatcallあるけどね」と私が呟くと、

「え?Catcallって何?」と彼。(ここで話が終わったか、と思ったあなた、すいません。まだ続きます)

Catcallとは

北米、欧州の路上で、よく見られる行為であります。

冒頭に張り付けたニュースサイト内画像にある、「卑わいな言葉で声をかける行為、犯罪に至らない声かけ行為」とほど同じ。付きまといや、口笛なども含まれます。

*犯罪には至らない、と書きましたが、国や地域によっては犯罪として逮捕される事があります。カナダではCriminal harassmentとして逮捕案件。

英語の辞書曰く、Catcallという言葉は名詞にも動詞にもなるそう。名詞なら、a loud whistle or a comment of a sexual nature made by a man to a passing woman.

名詞なら、make a whistle, shout, or comment of a sexual nature to a woman passing by. 例文には"they were fired for catcalling at women" 彼らは女性に対するキャットコーリングで解雇された、とあります。(いい例文だ!)

ちなみに、”やじ”という意味もあるそうですが、前述の使い方が強い為か、個人的にはCatcallと言われ、単なる‘’ヤジ‘’とは結び付きません。

カナダでのナンパ

私が住むカナダでは、ナンパ時、または気を引くきっかけとして、使われる声かけのバリエーションをpick-up linesと呼びます。

Classicでcheesyなものだと、”I didn’t know that angels could fly so low!”エンジェルがこんな低く飛べるなんて知らなかった!

"Do you believe in love at first sight—or should I walk by again?"一目惚れって信じる?それかもう一回歩いて来たほうがいい?

"If I could rearrange the alphabet, I'd put 'U' and 'I' together." もしアルファベットの順番を変えるとしたら、U(あなた)とI(私)を隣にしなきゃだな。

うー安っぽい!(でも三番目はちょっと好き。え?安いな、って?)

↑隣国アメリカでの男女四名がピックアップラインについてお話。12:47

こうした、セリフとは別に、性的なセリフをすれ違いざまに吐かれたり、口笛を吹かれたり、がCatcallです。(ま、上記のセリフを不愉快と捉えられたら、しつこさがあったら、そこはもうハラスメントだと思う。ピックアップラインにも性的なセリフがあったりしますが、私は”クスリ”と笑えない、面白くない、興味が沸かない、そして、身の危険等の負の感情を抱いたならば、ハラスメントに仲間入りだと思う。)

海外でモテる、とCatcallの関係性

こうした事を踏まえ、カナダにやってきたばかりの頃の私のCatcallとの出会いを聞いてください。(それではどうぞ!シャララ~、ふざけてんのか、はい、ふざけてます)

滞在していたホームステイの近所で「You're so beautiful.」と男性にすれ違いざまに言われました。突然言われたので、驚いて、「Sorry?」(ごめん、今なんて言った?)と聞き返し、もう一回言わせてしまう事がありました。

この話をホストファミリーの女性に、「私の英語まだまだです、笑い話」として話した所、「あなた、大丈夫だった?Catcallには気をつけて」と言及されたのです。

彼女との会話で、私はカナダでのCatcall=Street harassmentについて学びました。

その日を境に、道で声を掛けられたり、叫ばれたり、する中で(叫んでくるのは大体ハラスメント)、性的なコメントを耳にすることに気付きました。

当時の私の英語力では、道行く人のコメントを瞬時にキャッチする事(ハラスメントとして認識すること)は、やや難しいものでした。ただ、この街で暮らしていく中で、こうした言葉を浴びる事は、日常となっていったのです。

欧米でのキャットコールの現状

⇩「ニューヨークの街を女性が10時間歩いたら」たった2分弱のビデオです

公開された2014年当初、とても話題になったこのビデオは、白人女性がサンプルとして採用され、声を掛けている側の人種に偏りがあるのではないか、という議論もありました。

さらに、「How's going?」元気?「Have a nice day!」良い一日を!はハラスメントにあたらないのではないか、という声もあります。

⇩ホストの女性の「OH MY G」が全てを物語っている7:53

⇩こんなコメディ動画も多く作られています。「もし女性が男性をキャットコールしたのなら」1:34

男性側からしても、これらの声、とてもじゃないが「快適」とは言えないはず。

#DearCatcallers

2017、Noa Jansmaという女性がインスタグラムを通じて世界に発信した運動があります。

日本語で書かれたページがあまり多く見つからず、残念。(また、これらの行為を”ナンパ”とまとめるサイトも多くあり憤慨)

彼女が、この運動を始めた背景はこちら。

“Half of the class, the women, knew what I was talking about and lived it on a daily basis,” Jansma recalled. “And the other half, the men, didn't even think that this is still happening. They were really surprised and curious. Some of them even did not believe me.”

クラスの半分(の女性)は毎日の事として身に覚えがあったり、私が話すことを分かってくれた。もう半分の男性側は、現代社会で起こっていることだと信じてもくれなかった。彼らはすごく驚いていたし、興味を持っていた。何人かは、話を信じてもくれなかった。

最後に

あなたが受けた、それ、ハラスメントではないですか?

あなたが放った、それ、ハラスメントではないですか?

こうしたキャットコールに、相応しい対応策は特になく、私は無視を決め込んでいます。

世界中どこで暮らしていても、こうした行為から逃れられないとは、絶望的ですよね。

もし、あなたがこうしたハラスメントを受ける側だったら、身近な人に胸の内を話してみてはいかがでしょうか。

もし、あなたがこうしたハラスメントと無縁でしたら、この話題を身近な人と話してみて頂きたいです。

関連動画

オーストラリアの団体による、45秒のビデオ⇩

⇩カナダ、オンタリオ州(私の現在地!)の一分間のビデオ

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。



















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