7月7日【1】

前日とは比べものにならないほど痛みは増してきてはいるものの、結局朝になっても間隔は縮まらず。ろくに寝られなくて疲れたし、お散歩しようなんて気持ちにもなれないけれど、少し歩くと変化があるかもしれないと気持ちを奮い立たせ、近所のパン屋さんに朝ご飯を買いに行くことにしました。パン屋さんに着くまでにも痛みで立ち止まり、パン屋さんの中でも痛みで固まり(やはり歩くと間隔が縮まる模様)。そんなに広くない店内、固まっているのも迷惑だろうと外に出て夫を待つことに。行き交う車を見ながら痛みに耐えていると、おまたに違和感。びしゃっと水分が出た感覚。もしかしてこれが破水?!今ですかー!と思わず突っ込む。夫が出て来るやいなや破水したかも、と告げると驚く夫。急いで帰宅してパンツを下ろしてみると、おまたからぽたぽたと滴り落ちるなにか・・・。病院へ電話し、「パンツを下ろすとぽたぽたなんか落ちてくるんですけど、これって破水ですかね?」と念のため確認すると「破水ですね。入院準備をしてすぐに来てください」と助産師さん。やっと病院行けるー!という妙な喜びを引き連れ、夫と病院へ向かいました。

午前10時頃、病院へ着くと通されたのは分娩室。「いよいよかぁ」なんてドキドキしながら、そして定期的に襲ってくる痛みに耐えながら台へ上り、足を広げます。「子宮口を見ますねー」と助産師さんは手袋をはめた手で、子宮口チェック。この子宮口チェック、がっつり奥まで手を入れられるもんだからとっても痛いし気持ち悪い。しかし、「同じ場所から赤ちゃんが出て来るんやから、これくらい我慢しな」とこれからやってくるであろう決定的瞬間に思いを馳せ、耐えるしかありませんでした。「今日の夕方くらいかなぁ」との助産師さんの言葉を受け時計に目をやり思ったのは、「え、まだまだですやん!」あと六時間以上もこの痛みに耐えなければいけないのか、ということ。陣痛がやってきてからかれこれ24時間以上経っているし、昨日とは桁違いに痛くなってきているしで気が遠くなりながらも、持参した前開きのパジャマに着替え、部屋を移動することに。

分娩室近くの「陣痛部屋」に到着してしばらくすると運ばれてきたお昼ご飯。七夕だったこともあって、鮎がメインのお食事だったのですが、鮎が苦手な私は正直食べる気にならず・・・。おまけに、食べてる最中にも痛みはおかまいなしにやってくるんだもの。副菜を少しとそうめんをつるっと頂いて早々に昼食を切り上げました。

そう、この痛み。黙っていることができないし、声に出した方が少し気が紛れるような気がしてなんとも形容しがたい唸り声をあげていたのですが、声を出すんじゃなくて息を吐くほうが良いらしく。確かに、事前の妊婦教室でも呼吸が大事とはさんざん言われていました。痛いと無意識に力みがちになるけれど、きちんと呼吸することを意識したほうが身体がリラックスして、赤ちゃんも出てきやすくなる、と。なるほどー、頑張って深呼吸しよう!なんて思っていた当時の自分に言ってやりたい。そんなもん絶対無理!!深呼吸なんてしてる余裕は皆無だし、唸ったって息吐いたって痛みは変わらない。助産師さんに「息吐くの上手いよ!」と褒められたところで全然嬉しくない。痛いし、痛いし、痛い。

あまりの痛さに半泣きで「もう帝王切開にするー!」と助産師さんに言ってみたものの、「帝王切開のほうが後で痛いよ」と軽くあしらわれるのでした。のろのろとしか進まない時計を睨みつけながら、この痛みも夕方までだと自分に言い聞かせ耐えること数時間。もう、今日を早送りしたいと何度思ったことか。助産師さんに子宮口をチェックしてもらうもまだ十分に開いておらず、「うーん、今日中には、って感じかな」の一言。え、今日中?今日ってまだまだありますよ?夕方を目標に耐えてきたのに、ゴールを引き延ばされたときのがっかり感&疲労感たるや・・・。私、そんなに体力持つのかしらと絶望に限りなく近い不安に襲われ、タイムマシンに乗って、倦怠感を言い訳に体力作りをしてこなかった妊娠後期の自分をひっぱたきに行きたくなりました。

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