積読本📚の中から、いしいしんじさんの小説
｢ぶらんこ乗り｣を拝読しました📖´-
(2022,12,27 読了)

いしいしんじさんの著書はこれで3冊目。
相変わらず不思議な世界観と独特の文章。
ズブズブといしいしんじ沼に引きずり込まれます。
でも、またそれが心地よい。
ふわふわの雲💭の中に引きずり込まれたかのような。
軽やかなんだけど安心感があるような。 



秀才でぶらんこ乗りが上手で、指鳴らしが得意な弟。
ところが不慮の事故により声を失ってしまいます。
その代わりに動物の話を聴けるようになり、それをもとにいろんな物語を創るように。
そんな弟が残したノートを姉が読み返しながら過去を回想していく物語。

現実離れした物語なんだけど、その中には確かな真実がある。
いしいしんじさんの描く物語はいつもそんな感じ。
暑苦しくなく、でも胸に響くものがしっかりある。
軽やかなのだけど、きちんと深みがある。
弟の創った物語は面白くて切なくて温かくて。




解説を書いている増田喜昭さん(メリーゴーランド店主)が、いしいしんじさんのことを”偉大なウソツキ”と仰っているのですが、まさに偉大なウソツキにまんまとしてやられるのです。
そしてまんまとやられながら、自分たちが真実と思っているものの中に本当の真実はどれくらいあるのだろうかと考える。
偉大なウソツキいしいしんじさんから、思っているものは真実なのか？と問いかけられているかのように。



先に拝読した｢ブランコのむこうで/星新一｣とは意図してぶらんこ繋がりにした訳ではないのですが、どことなくいしいしんじさんの作品って星新一さんぽいなとも思えたり。

さて、2022年の感想はこれでやっとおしまい。
改めて本のある暮らしが私にはとても大切だと感じた一年でした。
2023年も素敵な本とご縁があることを楽しみに、また読書を楽しみたいと思います。

プロフィールと他の記事はこちらからご覧になれます。

他愛ない雑談はこちらから🤗

#読書  #読書感想文 #読書エッセイ #読了  #本のある暮らし #いしいしんじ #ぶらんこ乗り #小説 #新潮文庫