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息子の火傷 もう3年

4歳を過ぎた息子には、火傷の記憶がないことがわかった。

それはそうだ、1歳半の時の記憶なんて、私にはない。
けれど、どこかで「辛い記憶」として残るものと思い込んでいた。

息子は自分の写真や動画を見るのが好き。
それは最近のものでも、生まれたてのものでも。
火傷で入院していたときのものでも。

ふとした時にパパくんが、「この時なんで青いお洋服(病衣)だったか知ってる?」「このお部屋(病室)どこか覚えてる?」と訊ねた。
息子は「知らない」と答えた。

あの、
火のついたように泣く息子を抱いて小児科に走った道。
帰宅して、不自然なほど静かに眠った午後。
搬送先が決まらず絶望した救急車。
唯一受け入れてくれた病院で「三次救急の病院へ行ってください」と紹介状を貰った夕方。
年末年始、ERに通院した日々。
3週間過ごした病室。
唯一の外出として許された屋上の散歩。
信じられない気持ちで街を眺めながら乗った、帰宅のタクシー。
(キャンセルしたセブ島留学。)

あの全てを覚えていないんだ。
痛い、辛い記憶を覚えていなくて良かった…のかな?
全て私が持っていきます。

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