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春眠


あと30分しかない。

この文章は、わたしが10年前の2009年3月から一年間、中国に留学していた頃の回顧エッセイです。毎週火曜19時に更新しています。

中国で遅刻した話でも何でもなくて、ただ真っ白なnoteの画面をのぞき込んでいる2019年4月9日火曜日18時30分の率直な感想なんだけど、自分の限界を試されているようでキーボードを打つ手に気合が入る。

ただ、とにかく眠たくて仕方がない。

「春眠暁を覚えず」とは中国の詩人はよく詠んだもので、春の気配を感じてから眠くて仕方がない。春眠暁を覚えず、中国語を習い始めたばかりのとき、発音練習で暗唱したなあ。

ちょうど10年前、長春に春がやってきたときも眠くて仕方がなくて、相互学習をしていた子相手に、この詩を中国語で詠んで眠いのをごまかしていたっけ。

中国では小学生で一番最初に覚える漢詩が「春眠」なんだそう。すごいなあと思うのは、小学生でこのほかにも大量の漢詩を暗唱するのだそうだ。
当時ゆとり教育なんて呼ばれていた日本と違って、中国では小学生から大学生まで、とにかく大量の情報を詰め込んでいく教育方針は急激に発展していこうとするすさまじいエネルギーを感じた。

あの子たちの勉強量を見ていたらわたしたちなんてまるでかなわないなと思ったのが当時の素直な感想。

ただ朝から晩まで勉強漬けだから、日本みたいに部活動をしたり恋愛をしたりする時間はなくて、日本のアニメを見て部活動に憧れる子が多かったそうな。

寮に帰ってから当時流行っていた涼宮ハルヒの憂鬱をみて、こんな部活はさすがに日本にもそうそうないよと思いながら、うとうと眠りについたのだった。

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