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満月の夜には、歌とお酒がよく似合うのさ

満月の夜に食べたくなるのは、ラオス人のお友達が作ってくれたタライいっぱいの人参サラダ。今でいうキャロットラペみたいなものだけど、唐辛子がたくさん入っていてとにかく辛い!それを両手でわっかを作ったくらい大きなピンク色のタライいっぱいに作ってみんなで食べる。

この文章は、わたしが10年前の2009年3月から一年間、中国に留学していた頃の回顧エッセイです。毎週火曜19時に更新しています。

他には鶏肉を甘辛く煮たものや、ウォルマートで買ってきた名前の知らない大きな川魚の煮つけとか、とにかく辛いけど美味しくって、わたしはよく彼らのお世話になっていた。

彼らは彼らで日本人の女の子を歓迎してくれた。中国にやってきて心細い中一番最初に声をかけてくれたのも彼ら。

ラオスの人々は皆のんびりしていて、人懐こくて、優しい。
顔の雰囲気は、不思議なことに日本人によく似ている。

(だから最初に声をかけてくれた時も「俺たちも日本人だぜ!」って言われて信じたのだ。卓球と中国語が上手な日本人だと思ったのに、いたいけなハタチの乙女達は、まんまと騙されたのだった。)

ある日「おい、飲み会やるぞ!」との掛け声で寮のたくさんの友だちが集められ、ギターでかき鳴らし歌を歌い、踊りまくって酒を飲んだ。

ところで今日は何の飲み会?と聞いたら「月が綺麗だったから」とのこと。おおい、きざか!そんな彼らも半年後、長春の冬を迎えてからは「何もやる気が起きない」「飲み会なんてめんどうくさい」「もう帰りたい」。

そういう自分の体感というか感覚というか、無理して元気をだそうとせず、自然に身を任せる生き方は嫌いじゃなかった。

いつかラオスに行ってみたいけれど、国を押してあそこは本当に何もない場所らしく、どうしたもんかと考えあぐねている。


めちゃくちゃいい感じの川があるって言われました。
多分メコン川のことだと思う。


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