この世は恐ろしい仕組みでなりたっている

私はある時期
不誠実な人達に囲まれてしまっていた
厚い皮を一枚剥がすと
想像を絶する化け物達が
私の足を掴んで離さなかった
しかし私はその手を
優しさと思うことさえあった
時々正気に戻る私の頭が
危険を察知すると
それを素早く嗅ぎつけて
私が欲しがっている
『思いやり』のカードを
チラッと見せつけて
また泥沼に引きずり込む
私の断固たる決心を
指一本で簡単に覆すほどの
秘密兵器を奴らは持っていた
闘いは勝つ者の為にあるゲーム
負けを認めた私の涙を
面白そうに眺めていた
嘆かわしい日々の中で
一分一秒でも
眠りについてる時が
たったひとつの安らぎなのに
その眠りにまで
不吉な足音は忍び寄る
そして次第に
偽りの強さを身につけていた
ただならぬ出来事の連続で多情多恨
腹いせに思いつく
八つ裂きぐらいじゃ
おさまらない気持ちが
散弾銃を抱えて頂点まで登りつめる
私の心を食いつくした化け物は
巨大化して私を見下ろす
地獄に堕ちるはずの奴らが
何故今もこうして
ピンピンしているのか分からない
この世は私が考えてる以上に
恐ろしい仕組みでなりたっている

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