戦略

戦略を選ぶための戦略の話。企業が選べる戦略のスタイルは4+1の中から

オープンイノベーション、DX(デジタルトランスフォーメーション)、新規事業開発担当と接する機会がとても多い。

ほぼ共通しているワードが、
【大変だ!】事業環境が大きく変化。
 ⇒が、周りは変化していることに鈍感な人が多い。
【大変だ!】過去の成功体験が通用しない。
 ⇒が、周りは過去の成功体験に縛られる人が多い。
【大変だ!】競争相手が多様になっている。
 ⇒が、周りは相変わらず同業種での競争相手しか見ていない。

つまりは、中々前に進まない。困ったもんだ。

本日の通勤のお供:BCG 未来をつくる戦略思考: 勝つための50のアイデア

「まえがき」より

クライアントのトップ経営者の方々に送っている冊子、Perspectives(日本語版『展望』)。BCGなりの「ビジネスを新たにとらえ直す視点」を、その段階その段階で最先端の知見.研究に基づいて短く要約したもの。このPerspectivesのベスト集がこの書籍である。

企業が成功するための変化適応力について4+1のスタイル

戦略策定ための戦略が必要である。
BCGでは戦略策定を
「環境の予測可能性」
「企業行動の環境への影評力」

この2つの軸から4つのスタイルに分けて考えれば自社の業界や市場の固有の状況に応じた戦略スタイルを選ぶことができるとしている。

それぞれの戦略スタイルを順番に見ていこう。

クラシカル(伝統型)

環境は予測可能だが、企業がそれを変えるのは難しいという業界に有効。

例えば以下の手法を用いる。
・ファイブ・フォース
・ブルー・オーシャン
・プロダクト・ポートフォリオマトリクス

企業は以下を活用する。
・自社固有の組織能力
・リソース

そして目標を設定し、秩序に則った継続的プロセスにより、効果的な将来予測が可能。情報は比較的ゆっくり進んで部門から部門へと流れていくため、独立した機能としてうまく働く。

アダプティブ(適応型)

著しく予測困難で不確実な状況が長期的に続く環境に有効

この状況下にある企業は、
1.絶えず目標や戦術を修正
2.リソースの迅速かつ円滑なシフト・獲得・処分を可能にする事が必要

予測が役に立たなくなる危険性が極めて高い。さらには長期計画が役に立たない場合は効率向上を目標とせず、柔軟性を高めることを目標しなければならない。

計画は、詳細な設計図のような形ではなく、入手できる範囲のデータに基づく粗い仮説となる。

仮説を検証するために変化のシグナルを的確にとらえる事がとても大事。
・情報損失と時間差を最小化するためにオペレーションと密接に結びつく。
・またはオペレーションの中に変化のシグナルをとらえる仕組みを組み込まむ。

シェーピング(形成型)

従来の常識に囚われない業界もある。
たとえば明瞭期のインターネット業界
・参入障壁が低い
・イノベーションの起こる比率が高い
・需要予測が非常に難しい
・競合企業の相対的ポジションが流動的
・新興の高成長産業

この業界では、革新的な動きで産業そのものをを根本的に変えられる可能性が高い。

同様に
・分散化している
・有力企業の宜占状態にはない成熟産業
・停滞してまもなく崩壊しそうな業界

これらもも、革新的な動きで産業そのものを根本的に変えられる可能性が高い。

ここでは、他社に先駆け予測できない環境を自社に有利に形づくることを目標とする戦略をとる。

注力するのは、自社の境界を超えた領域。
・顧客やサプライヤー
・目的を共有する関係企業により構成されるコンソーシアム
・強力なエコシステム
などを再定義し、新しい魅力的な市場、規準、技術的プラットフォーム、ビジネス習慣を定義する。

ビジョナリー(ビジョン型)

ビジョナリーは環境を既定の事実とは考えず、自社に有利に形づくることができると考える。ビジョナリーはクラシカルと共通する点が多い。
ビジョンが実現するために、リソースを組織化し、徹底的な計画を立て、的確かつ確実に実行することが重要。

企業の生存が脅かされるときは第五の戦略スタイル「サバイバル」

過酷な環境では、第五の戦略スタイル、「サバイバル」が必要になる。

サバイバル戦略は
・コスト削減
・資本の維持
・事業ポートフォリオの整理
といった守りに専念しなければならない。

1日でも長く生き残るための短期的戦略である。また危機が過ぎ去った時の準備、すなわち成長戦略の準備もしておく必要がある。

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勝つための50のアイデアTipsシリーズまとめ|BCGアイデアTips 

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