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失われた30年間

1971年、塩業近代化法が成立し、日本国内の塩田が全て廃止され伝統的製法で作られた日本産の天日塩が姿を消した。表向きは生産コストの低減と言う事らしい。さらに、その頃問題になっていた水俣病や喘息などの公害によって日本の海水が汚染されたと言う風評も成立を後押しした。
結果、日本中に出回る塩はイオン交換式塩になる(ほぼ)。俗に言う精製塩又は化学塩の事。
実は政府の本音は、コスト低減や安全性ではなく日本が近代化を進める為に工業地帯と輸出入に必要な港がセットで欲しかったからである。広大な塩田の土地を利用したのだ。‥経済の発展が大切なのは分かるけど、犠牲にしたものが大きすぎる。
たかが塩、されど塩なのである。
今ブームの和食と発酵食品にとって塩の質は大きく影響する。和食の味を変えてしまうのだ。
その頃急激に家庭に入り込んだ赤い蓋の調味料を覚えている人も多いだろう。グルタミン酸ナトリウム。足りない旨みを補う白い粉。
そんな精製塩では発酵食品が上手く出来なくなるのだ。母があの頃言っていた言葉を幾つかおぼえている。
漬物も味噌も家で上手く出来なくなった。 
買った物の方が安くて美味しい。
和食は体に悪いらしいから朝はパンかシリアルがいい。
味噌や醤油のまがい物が多く出回り出したのもこの頃から。日本は発酵食品大国だと言われていながら今一つ実感が無いのはこう言った事が関係しているからだろう。
2002年、ようやく塩専売法が廃止され日本産の天日塩が出回る様になった。同時に家庭で作る発酵食品も復活し始めている。味噌や糠漬け、梅干し作りがブームになって来ている。
約30年間、和食と発酵文化は虐げられてい た。今なら本物の和食と健康を取り戻せる。
麹は日本人にとって最後の砦。
塩麹や醤油麹なら誰でもすぐ出来る。慣れたら味噌を仕込もう。乾燥大豆200gに麹200、塩100(辛口)なら初めてでもほとんど失敗なく出来るはず!





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