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バブルの感想。ネタバレ注意。

 Twitterで色々と言われている『バブル』ですが、金も払わずにどうこう言うのもアレなので、とりあえず映画館で観てきました。

 率直な感想として、この作品のことが好きになりました。 


1.感じるニトロ風味。上位存在とのボーイミーツガール。


 いきなりなんですが、私はニトロプラスの作品が大好きなんです。と言っても、全ての作品をプレイしたってわけではないですが。

 で、そんな私が感じたこととして、「これ、ニトロっぽいな~」ってのがありました。

 デモンベイン。竜†恋。沙耶の唄。スマガ(これは違うかも)。ニトロゲーの中でも特にお気に入りの作品達なのですが、バブルにはこれらとの共通点があると考えています。それが”上位存在との恋愛”です。

 デモンベインのアル・アジフは魔導書のネクロノミコン。竜†恋のドラゴンはおとぎ話の生物。沙耶の唄の沙耶は外宇宙から訪れた侵略者。

 そしてバブルのウタも、それらに準ずる存在であると。(おそらく宇宙生命体的な感じだとは思いますが)

 ウタは沙耶に似ている気がします。ハンディを負う主人公を、不器用ながらも健気に支える存在。人智の及ばない存在という点もですが。

 上位存在であるウタと、ハンディを負うヒビキの恋。それこそが、ニトロ的ボーイミーツガールなのだと思います。


2.ウタは肉塊の夢を見るか?


 ここら辺からがっつり内容に触れて感想を語っていきます。

 さてエンディング。ヒビキを助けるために身を投げ出し、泡となって消えていくウタ。その泡は世界中へと広がっていき~って。何かを思い出しませんか。あるいは何かに似ていませんか

 沙耶の唄の開花エンドに似ていませんか。ぱっと見でそう感じました。もちろん、似ているのはビジュアルだけです。

 沙耶の唄は、自分の内の世界を完全なものとする為の物語だと私は解釈しています。主人公である匂坂郁紀が、沙耶と自分だけの世界を追い求め、その結果として沙耶によってその世界が完成される。みたいな。

 対してバブルは、主人公のヒビキが、ウタを通じて外の世界と関わるように成長していく物語だと思っています。最初の方のシーンで、ヒビキがチームメイトから腫れ物扱いされているような所がありました。ですが、ウタと接していくうちに、ヒビキはブルーブレイズのメンバー達から信頼されていくようになります。

 なので、バブルと沙耶の唄は似て非なるものだと考えています。沙耶の唄が”内”の物語だとするのなら、バブルは”内から外へ”の物語ではないのかなと。どちらも素晴らしい作品であることには間違いありませんが。


3.ウタとは何者か


 今作の問題点として、”説明が不足している”という点がよく挙げられています。バブルは好きな作品ではありますが、まぁ確かにそうだなと。

 結局、ウタが何者かってのはよく分かりませんでした。寝てたわけじゃないですよ。

 まだパンフレットを読みこんでいないので、これは完全に私の想像になりますが、あのバブルは意思を持つ何らかの生命体であるとは思います。ヒビキと接触した際のウタは歌っていたわけですし、ウタがお姉さまと呼んでいたアレもそれを見てブチギレてましたし。

 例えば、ガメラ2という作品に、レギオンという宇宙生命体が登場します。宇宙を渡る隕石として地球に落下したソレは、群体となってガメラと死闘を繰り広げるのですが、その親玉がマザーレギオンという生命体なのです。

 そして、マザーレギオンに使役されるのが、小型のレギオン。いわゆるソルジャーレギオンです。

 似ていませんか。この関係性。ウタを仮に『小バブル』と呼称しましょう。その『小バブル』を統べるのが、あのお姉さまなのではないかと。

 ウタは『小バブル』の中ではイレギュラーな存在だったのではないでしょうか。子供ヒビキが「きみ」と呼んでいることから、おそらくウタだけが歌を歌うバブルだったのでしょう。
※「きみ」は「あなた」だったかもしれません


4.まとめとして。


 総評として、とても楽しめる作品でした。もちろん、様々な批判があるでしょうが、私はこの作品が好きです。

 ニトロがどうとか虚淵の脚本がどうってよりも、ウタとヒビキの成長が一番良かったですね。

 あと、重苦しい雰囲気が漂っているわけでもないので、単純に見やすいってのもありましたが。

 とにかく、これほどまでに素晴らしい作品を鑑賞できて良かったです。

では。

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