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衣のつけ方で食感が変わる「から揚げ」

から揚げ料理に欠くことができないのが、新鮮な食材と揚げ衣、油である。
とりわけ、揚げ衣にはかたくり粉や小麦粉など種々あるが、食べたときの食感に関係するのが衣のつけ方である。

から揚げといえば、誰もが好きな「鶏肉のから揚げ」が代表的。

今回は、その揚げ衣のつけ方による違いについて書いていく。

○衣のつけ方3種類


一般的に好まれる「鶏肉のから揚げ」

(4人分)
(標準的な調味液)
鶏もも肉  400g
生姜汁   少々
しょう油  大さじ2(36g)→鶏もも肉の重量の1.5%塩分 
      400g×1.5÷100=6g塩分 しょう油にすると36gになる
酒    大さじ1(15g)

(揚げ衣と油)
かたくり粉 大さじ2~3(18g~27g)
揚げ油   揚げる時に鶏肉が半分強、かぶるくらい


調味液とかたくり粉のつけ方で、から揚げの仕上がりや食感、見た目等が異なる。
その仕上がりによって、好みは大きく分かれる。

①   表面にかたくり粉の白い粉が残りサクッとした食感
肉を調味液に20分程つける。つけ汁を切ったら、まんべんなくかたくり粉をまぶして、約160℃~170℃に熱した油で揚げる。
仕上がりは、かたくり粉の白い粉っぽさが表面に残り、舌触りがザラっとするがカラリとした食感が出る。

②   衣に味がしっかりと付きしっとりとした食感
調味液にかたくり粉を合わせていわゆる泥状の衣を作る。鶏肉に衣をまぶして、約160℃~170℃に熱した油で揚げる。
衣に調味液の味がしっかりついるため、味のきいたしっとり感のあるから揚げに仕上がる。また色合いもよい。

③   衣に味ついていてふっくらでカリッと仕上がる
鶏肉を調味液に20分程つける。つけ汁を切ったらまんべんなくかたくり粉をまぶして、しばらくそのまま時間を置いてしっとりさせる、これがポイント。そのご約160℃~170℃に熱した油で揚げる。
表面にかたくり粉の白い粉が残らず、適度にしっとりしていて美味しく食べられる。

皆さんはどの仕上がりがお好みだろうか。
この機会に考えてみて、お好みで調理して食べてみてほしい。

から揚げをアレンジして料理する場合には、どのような料理にも合う③の方法がおすすめである。(タイトルの写真が③)

○鶏肉のから揚で簡単アレンジ例


【和食には】
調味液に、にんにくを少々入れて風味を出す。
食べる時に、和辛しや抹茶塩等をお好みでつける等

【洋食には】
調味液に好みのハーブ野菜を混ぜる。また、砕いたナッツ類を衣にまぶして揚げる。
食べる時に、タルタルソースをかけたり、ケチャップやソースをお好みでつける等

【中華には】
から揚げを黒酢と砂糖の甘酢ダレでさっと煮て、水溶きかたくり粉でとじたらあんかけにする。白髪ねぎをのせると中華風になる等

○鶏肉の部位はもも肉でもむね肉でもよい
「から揚げ」の栄養量も見てみよう


から揚げの肉の部位や骨付きか切り身か、などはお好みでどちらでもよい。
親鶏は若鶏よりもやや硬いので、お好みで使う。

もも肉はむね肉よりも脂肪が若干多いので、食味としては、薄い衣をつけて揚げる「から揚げ」に向いている。

むね肉はもも肉より若干ヘルシーだ。
脂肪が少ない分さっぱりしているので、食味的には、パン粉の衣をつけて揚げる「チキンカツ」によく合う。

【から揚げの栄養量】
若どり肉皮なし・皮つき(生)各々100gに、衣をつけて揚げたもの。

食品成分表2023により算出

・若どり肉(生)100gのから揚げでは、もも肉、むね肉どちらも皮なしの方が皮つきよりもたんぱく質が多く脂質が少ない。

・若どりむね肉(皮なし)のから揚げが、この中ではエネルギーが少なく、たんぱく質が多く脂質が少ない。

・以上の栄養量とから揚げの好みを考慮して、ご自身に向くから揚げを探してみよう。

とり皮はあっても無くても良いが、皮独特の臭さと硬さがあるので、取り除いてから調理すると食べやすい。


それでも鶏肉の臭みが苦手な人は、調味液のつけ汁に刻みねぎ、練りからし、ごま油、こしょう等を少量加える等の工夫をしてみよう。

また、肉の下味に生姜の代わりに、にんにくでもよく、両方使えばパンチの効いた味が出る。

さらに、から揚げにはオリジナルなタレを作って、ご自身のアレンジ料理にしてはいかがだろうか?


【オリジナルなタレで和洋華折衷の一例(4人分)】

しょう油 大2
酢    小さじ2
砂糖   小さじ少々
ごま油  大さじ半分
葉ねぎのみじん切り(お好みで)
生姜とにんにくみじん切り(お好みで)

揚げたてのから揚げに、オリジナルなタレをかけていただくと、よりはっきりした味になり、しっとりしておいしい。

○「鶏肉のから揚げ」は和食、洋食、中華料理?


時々話題になるが「鶏肉のから揚げ」は和風・洋風・華風のどれにあてはまるのだろうか?

私が若い頃、骨付きぶつ切りの肉を揚げた中国料理として学んだ記憶がある。
古くは中国から伝来し「唐揚げ」と称していたことから、中国料理に分類されたと聞いている。

近年は、衣に、和食に合う味を工夫し、洋食や中華に合う香味野菜等を加えて日本人好みに変えた料理として親しまれている。

「から揚げ」「空揚げ」「唐揚げ」等料理名も色々で、和・洋・華風料理に特に分類していないようだ。

今や鶏肉のから揚げは、家庭の定番料理だ。
お好みにアレンジすることで、変わった料理のレパートリが増える。

付け合わせに赤色のトマトやパプリカ、緑色の野菜を添えれば彩も良く、より食欲が増すのではないだろうか。

いつもの鶏肉のから揚げから、数多くのアレンジ料理が生み出されることだろう。


本日もありがとうございました。


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