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とっても勉強になったのでこれからも度々読み返すnote

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記事一覧

ロードマップに機能を書くべからず

機能を書くならバックログにまず機能だけが書かれたロードマップから見ていきましょう。時系列に沿って、どんな機能を追加するのか並んでいます。 残念ながら、多くの場合、機能開発が遅延したり、差し込み案件が発生したりして、以下のようになってしまいます。 こうなると、もうこのロードマップは信頼できません。過去の実装がここまで遅延していると、次に取り掛かる機能がいつリリースされるのか分からず、どれの優先度がもっとも高いのかも判断するのが難しくなってしまいます。 こういった「機能」に

プロダクトを分割してマネジメントする

ロードマップやプロダクト指標(NSM)を設計するとどの単位でこれらを検討すればよいのか?という悩みを持つことがあります。今日は私の考えるプロダクトの分割についてです。 ※ 「プロダクト」の分割について記載しており、「チーム」の分割については触れません 機能でプロダクトを分割しないプロダクトが大きくなるにつれて検討事項が増えるので人を増やしてプロダクトを分割することを検討します。このときのアンチパターンは「機能」でプロダクトを分割してしまうことです。 この絵は極端な例となり

「ラグジュアリー」の意味のイノベーション

今週、ある大学で「新しいラグジュアリー」についてレクチャーすることになったので、意味のイノベーションと新しいラグジュアリーの関係を示すシナリオを用意してみました。参考『新・ラグジュアリー ――文化が生み出す経済 10の講義』 ↓ 新しいラグジュアリーについて話します。正確に言うと、ラグジュアリーの新しい意味について話します。ミラノ工科大学で長く教え、数年前からメインにストックホルム経済大学でイノベーションを教えるロベルト・ベルガンティは、イノベーションには2つあると説明しま

デザイン読書補講 10コマ目『わかりやすい民藝』

こんにちは。中村としては三回目のデザイン読書補講となります。 はやくも年末にむかう季節となりました。もしかするとこの年末年始には、しばらくぶりの旅にでられる方も、なかにはいらっしゃるかもしれません。様々な地をめぐるとき、ならではの食を口にすることはもちろん、その場の空気や風土に身をゆだね、地域の物々に触れるのは、ひとつのたのしみです。 そうしたとき、ふと民藝という言葉が浮かぶ方もいるでしょう。近年、いっそう目にするようになった印象もある「民藝」。地方・地域といったイメージ

現実のインフレとしてのメタバース(あるいは「異化の無効化」とアートの再構成)

(1)アートとは異化である(と個人的に思う)アートって、いろんなジャンルがありますよね。絵画や音楽のような伝統的なアートから、比較的新しい写真、さらには映画もアート文脈で語られます。それぞれのアートは特有の歴史を持ち、磨き抜かれた専門の知識があり、そして出力するための違う媒体を使うので、アートと一括りに言っても一見共通項はほとんど見出せません。でも一つ、「アートとは何をやっているのか?」という問いに対する自分の見解を書くとするならば、次のように考えています。 アートとは、現

365日ブログと100回ラジオを終えて…自分を育てるバカほどシンプルな方法

9月3日の今日、ラジオの放送が100回目を超えた。一応、このシリーズは終了となる。 お休みの日に3本撮りしながら、気が向いて更新というような方法で2年間かかった。その前のnoteはどのくらいかかったのか思い出せない。スマホやPCで1日10分ほどブログを書いていた。なんだかんだすごい数の人に見られていた。ラジオは15-20分くらいの撮って出し。労力的には大差はなかった。 365日ブログの続きのラジオ100回チャレンジの完了報告となぜ、こんなことを続けるのかの日記。 なぜ、

PAYPAYはシーズン2からが面白い: 「格安エコノミー」の終わりが意味する「ブリッツスケーリング」の終わり(後編)

最近読んだ本で心に引っかかったビジネス本がある。 日経BP社から出版された、リード・ホフマン、クリス・イェ著『BLITZSCALING(ブリッツスケーリング)』 という本である。 前回は、書籍の中にも紹介されていた「Airbnbはブリッツスケーリングで世界の旅行業界の雄となった」というエピソードを起点にしつつ、実は、最近このブリッツスケーリングの手法で突き進んできたスタートアップが死屍累々となっているということをレポートしたニューヨークタイムスに掲載された『ウーバー、エアビ

Airbnbはブリッツスケーリングで世界の旅行業界の雄となった: 「格安エコノミー」の終わりが意味する「ブリッツスケーリング」の終わり(前編)

最近読んだ本で心に引っかかったビジネス本がある。 日経BP社から出版された、リード・ホフマン、クリス・イェ著『BLITZSCALING(ブリッツスケーリング)』 という本である。 ブリッツスケーリングというドグマ 「たとえ行き先が見えなくてもいい、なにがあろうと効率よりスピードを優先するという戦略はわれわれのビジネスで決定的に重要なポイントだ」 ビル・ゲイツは、長年の友人であり、シリコンバレーでヨーダと慕われるリード・ホフマンの著書に、こう序文を寄せた。リード・ホフマンは

日本で最初のグラフィックデザイナー・杉浦非水を知っていますか?

こんにちは、フェリシモミュージアム部のmitu.です。先日、展覧会「杉浦非水 時代をひらくデザイン」とのコラボについて、速報発表をしましたが、本日は「杉浦非水って誰?」という方に、その魅力を、ミュージアム部的視点で、5つのポイントに絞ってご紹介したいと思います。 (コラボグッズの詳細については、記事のいちばん最後をご覧ください!) 1.日本最初のグラフィックデザイナーグラフィックデザイナーとは、パンフレットや広告のような印刷媒体やWebサイトに載せるグラフィックのデザイン

デザインと行動心理学

情報設計やコミュニケーションに役立ちそうな、人の無意識な行動心理のキーワードをイラスト付きでまとめてみました。 視線解析 目は脳とつながっていて、視線と心理状態は結びつきやすい。記憶に関することは左に、未来に関すること右に視線が向く傾向がある。視覚に意識を集中すると上、聴覚に意識を集中すると真ん中、体全体で感じようとするときは下らしい。なので、嘘をつくときは右上をみてしまう傾向がある。ユーザーインターフェイスにおいても「戻る」ボタンが左、「進む」ボタンは右に配置されている

公共デザインの輪郭 - 「PUBLIC & DESIGN」はじめます。

公共とデザインというコミュニティ一部有志メンバーにより、政策・公共サービス・民主主義などとデザインの関わりについての事例を発信するメディアをゆるく始めます。 キーワード: 政策デザイン・行政改革・サービスデザイン・市民参加・GovTech・CivicTechなど ぼく自身、フィンランド・アールト大学院で共同的なデザインを学んだり、フィンランド行政とのプロジェクトも経験し、日本の公共社会の発展へすこしでも貢献したいと思い本メディアでの発信にいたりました。 本稿では困りごとを

湧き上がるデザイン

いまや、どんな企業にも必要とされている「企業ブランディング」。 平たく言えば、企業のビジョン・ミッションやフィロソフィー(哲学)などを、行動に落とし込み、社内外へ伝えていくことですが、そう簡単ではありません。 会社が大きなことを掲げすぎて社員がついていけなくなったり、かっこいいロゴやサイトを作って外側を固めても、内実が伴ってないように思われてしまうこともあるかもしれません。 1881年に横浜で創業した大川印刷は、2004年に「ソーシャルプリンティングカンパニー®」という

Notionで会社ページを作ったよという話

こんにちは!アルという会社をやっている、けんすうと申します。 最近だと、「プロセスエコノミー」という概念を推していて、クリエイティブ活動をする人が作業中を配信できる「00:00 Studio」というサービスをがんばっています。 さて、そんな会社ですが、会社設立から2年たっているのに、まったく会社ページというものがなく、さすがにまずいだろうというので、作ることにしたんです。 ただ、エンジニアやデザイナーはこの段階のスタートアップにとってみれば、あまり工数を割ける状態ではあ

スタートアップにおいて最も重要なPMFの図り方と達成方法

スタートアップにおいて重要なのは、ただ一つ。プロダクト・マーケット・フィットに到達することだけだ。 「インターネットの覇者」とも呼ばれるNetscapeの創始者、そしてFacebookやeBayのボードメンバーとしても知られるマーク・アンドリーセン氏が発したスタートアップに関する格言です。 自身の起業経験や投資家としてスタートアップを知り尽くしてきたアンドリーセン氏が、スタートアップにとって唯一重要だと語るプロダクト・マーケット・フィット(PMF)。 本記事は、PMFの