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ふやけた比喩

シアン化水素の雨が降る街、分裂していく衝動が、新たな人格を形成して、本当の自分なんてものは、その場で粉々になって、退廃的なエレジーが接続されては、怠惰な日常を下腹部で膨張させ、緩慢な正義を用いては、君を簡単に傷つけていくだけの供儀として運ばれていく自己や、制圧的な奴らの規則により、がんじからめになってしまった結末の末端、乱立する制度を謗るための要件に磔にされている父たち、裁かれるための定理や、数多の類似品たちが踏み潰した希望を拾い集める君の理想や、地球内部に潜む帝国に立ち向かう蟻たちの冒険活劇や、空疎な日常のからくりを解き明かすための真理や、理性すらもリセットされ、葬るための多面性や、大義名分や、強行突破などなど、たちまちに現れた現時点を屠るためのセオリーや、ニセモノの正義や定理、乱立する苦しみの外側では、絶えず他者からの温もりに似た憎しみが、君を意思の外に追いやろうとするし、仕向けられた罪が謳う連帯感や、安易な結末に流動する意識的な過ち、そぐうものなど、偶像であるし、そこで認識するものも、光や音の残留物や遺留品のようだね、と、黒猫が語りかける原始的な衝動の隙間、ラジウムの湯につかる猿たちの被曝、悪魔たちのリリカルな端末を弄る喜びにより、老けてしまった人々の幼稚な過ちに引き摺られるわけにはいかないから、言い訳などせずに、自らの過ちを爽やかに認め、次に進むのである。

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