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研師(とぎし)ヒデの話

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無用の長物である日本刀の嘆きを聞くことのできる、現代を生きる研師ヒデの話
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記事一覧

研師(とぎし)ヒデの話「ヒデの聖戦」

ヒデは研師、裏の世界で名を知られる本当の刀の研師である。 刀は本来、人を斬る道具である。 …

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研師(とぎし)ヒデの話 「猫姫」泣く、そしてヒデの純情

智はヒデと別れて自宅へ帰り、晩飯もそこそこに部屋にこもってSNSの世界を駆け巡った。そして…

宮島ひでき
2週間前
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研師(とぎし)ヒデの話 眠り続ける「猫姫」

ヒデは智と別れ、心地よい酔いとともに自室のあるマンションに戻った。そこで待っていたのは自…

宮島ひでき
3週間前
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研ぎ師(とぎし)ヒデの話 「猫姫」との出会い

「研師(とぎし)ヒデ」 ヒデは数少ない本物の刀の研師、刀と話して刃研ぎをしながら、ある意…

宮島ひでき
4週間前
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研師(とぎし)ヒデの話 (多様性の森に彷徨う若者)その3最終話

智は60手前の施設長に話をして、松井の名を出すと施設長はしばらく黙り込んで「このことは誰に…

宮島ひでき
3か月前
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研師(とぎし)ヒデの話 (多様性の森に彷徨う若者)その2

ヒデは大阪に戻りその足でマルの店に寄った。 「マルさん、熱燗おくれ」 「ヒデちゃんこんな遅…

宮島ひでき
3か月前
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研師(とぎし)ヒデの話 (多様性の森に彷徨う若者)

ヒデは揉め事は好きではない。しかし弱い者いじめは子どもの頃から許すことが出来なかった。だから揉め事によく巻き込まれた。 ヒデの仕事場はマンションの一室、窓の無い陽の入ることの無い静かな部屋であった。そこで一刀、一刀と向かい合う。もちろん誰とも口をきくことなく刀を研ぎ続けるのであった。 そして刀たちと心で会話をするのであった。 ヒデに託される刀のほとんどはわざと無造作に荷作られた宅配便で届けられる。「測定用工具」と記名された荷に疑いを持つ業者は一人もいなかった。 いつもは梱

研師ヒデの嘆き『立ち飲み屋〇(マル)の話』

開店前のマルの店、まだ半分閉まっているシャッターをガラガラと開けてヒデは中に入ってきた。…

宮島ひでき
5か月前
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研師(とぎし)ヒデの話 「ヒデは走る」

普段は走ることなどないヒデが走っていた。 深夜の街を足音を立てることなく走っていた。 もち…

宮島ひでき
6か月前
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研師(とぎし)ヒデの話

刀が泣くのを聞いたことがありますか。振った刀身が「ヒュン」と空を切るあの鳴く音じゃないん…

宮島ひでき
7か月前
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