檸檬

蒼海俳句会会員です。俳号は平林檸檬。 投句結果の備忘録ブログ http://fromm…

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蒼海俳句会会員です。俳号は平林檸檬。 投句結果の備忘録ブログ http://fromm2016.hatenadiary.jp/

記事一覧

読む🍋 関谷恭子句集『落人』

2018年より「蒼海」入会、結社誌19号をもってご退会。その間、オンライン句会等でご一緒させていただいた関谷恭子さんの第一句集です。現在は2010年より入会されている「濃…

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1か月前
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読む🍋 常原拓句集『王国の名』

「秋草」に所属され、山口昭男氏に師事されている常原拓さんの第一句集。2016年に結社入会とのこと。私も同じくらいの俳歴ですが、作句開始当時の拙作品と比べると、段違い…

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1か月前
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読む🍋 今井杏太郎句集『風の吹くころ』

今井杏太郎の第五句集。84歳で亡くなる3年前に刊行された最終句集です。平易な言葉でかな書きも多用したやさしい調べの句が多く、夕風、水、○○のころ、○○のやう(な)…

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5か月前
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読む🍋 ユプシロン№6

きっかけは定かではありませんが、No.1から拝読しております。 場面の切り取り方、季語の取り合わせ方など、読むたびに新鮮な発見や共感があります。 一読後、好きな句を…

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5か月前
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読む🍋 櫂未知子さんの猫句

櫂さんの詠まれる猫の句が好きです。 俳句同人誌『群青』2023年発行分より12句引いてみました。 (猫を連想する句も含まれています) 爪立ててみたき水面よ漱石忌 短日や…

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5か月前
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読む🍋 正木ゆう子句集『玉響』

俳句初学の頃から(まぁ、いまだに初学者ですが)正木ゆう子さんの大ファンで、初めて購入したいわゆる「新刊句集」も正木さんの『羽羽』でした。その後、句集を始め、エッ…

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8か月前
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読む🍋 秋になると

秋になると読み返す句集があります。 俳句を始めた頃、こちらのブログ(https://ameblo.jp/tashima-huua/)から田島風亜さんの作品を拝読しました。 『秋風が…』という私…

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8か月前
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何か書こうかな

写生は虚をつかまなければ 実だけではだめで ただ虚をつかむには実がなければ   阿部みどり女 俳句の雑記帳に書きとめてありました。自分でも忘れていたのですが。 どこ…

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3年前
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読む🍋 関谷恭子句集『落人』

読む🍋 関谷恭子句集『落人』

2018年より「蒼海」入会、結社誌19号をもってご退会。その間、オンライン句会等でご一緒させていただいた関谷恭子さんの第一句集です。現在は2010年より入会されている「濃美」同人で、2023年には濃美同人賞「第一回長良賞本賞」を受賞されています。

句集名は<笹百合や落人を祖と唄ひつぎ>から。平家の落武者を祖先にもつという作者。このような土着性を感じさせる句もさることながら、雅な季語や言葉を織り込

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読む🍋 常原拓句集『王国の名』

読む🍋 常原拓句集『王国の名』

「秋草」に所属され、山口昭男氏に師事されている常原拓さんの第一句集。2016年に結社入会とのこと。私も同じくらいの俳歴ですが、作句開始当時の拙作品と比べると、段違いのレベルの高さに驚きました。

SNSでたくさんの方が感銘句を紹介されていますが、私も特に惹かれた句を。

盆梅と印度咖喱の銀皿と
早乙女と夜の話をしてをりぬ
水澄みて僧のほのかにかをりけり
立像は手から滅びぬ夏の蝶
祭の子みな触れてゆ

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読む🍋 今井杏太郎句集『風の吹くころ』

読む🍋 今井杏太郎句集『風の吹くころ』

今井杏太郎の第五句集。84歳で亡くなる3年前に刊行された最終句集です。平易な言葉でかな書きも多用したやさしい調べの句が多く、夕風、水、○○のころ、○○のやう(な)、○○ところ、さびしいといった表現・モチーフが散見されます。自分で自分の類想類句に陥りそうなところですが、週刊俳句の<『今井杏太郎全句集』を読む会>によると、杏太郎は類想を怖れないでいられる強さがあった人ではないかと。
私は語彙に乏しく題

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読む🍋 ユプシロン№6

読む🍋 ユプシロン№6

きっかけは定かではありませんが、No.1から拝読しております。
場面の切り取り方、季語の取り合わせ方など、読むたびに新鮮な発見や共感があります。

一読後、好きな句を選んでみました。

石叩き-小林かんな
弁当のおかずをさます梅日和
ゆすらうめ襟直し合う出番前
黄金週間暗がりに酢を納め
人形の肩にこぼれて天瓜粉

土地勘-仲田陽子
蝶の昼バウムクーヘン削ぎ切りに
封筒の窓素っ気なく四月かな
緑の夜

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読む🍋 櫂未知子さんの猫句

読む🍋 櫂未知子さんの猫句

櫂さんの詠まれる猫の句が好きです。

俳句同人誌『群青』2023年発行分より12句引いてみました。
(猫を連想する句も含まれています)

爪立ててみたき水面よ漱石忌
短日やかくも典雅な毛づくろひ
肉球の淡しつめたし雪女郎
野良猫に七つの名前歳の市
裏返すたびかがやける子猫かな
遺品とて緋色の首輪春の虹
骨壺に星の音足す夏隣
抱き上げてあれが帆船あれが夏
晩鐘や網戸に残る爪の痕
鰺焼いてつねの日暮を

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読む🍋 正木ゆう子句集『玉響』

読む🍋 正木ゆう子句集『玉響』

俳句初学の頃から(まぁ、いまだに初学者ですが)正木ゆう子さんの大ファンで、初めて購入したいわゆる「新刊句集」も正木さんの『羽羽』でした。その後、句集を始め、エッセイ集、鑑賞本など、正木さんの著書を買い集めました。

『羽羽』以来、7年ぶりの第六句集です。
集名になった句は、<玉響のはるのつゆなり凛凛と>

「露」は命のはかなさを喩えるものですが、「春の露」には、ほのかな明るさがあり、どこか軽やかな

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読む🍋 秋になると

読む🍋 秋になると

秋になると読み返す句集があります。
俳句を始めた頃、こちらのブログ(https://ameblo.jp/tashima-huua/)から田島風亜さんの作品を拝読しました。
『秋風が…』という私家版の句集(句集名は<秋風が芯まで染みた帰ろうか>より)があるそうです(http://spica819.main.jp/yomiau/7499.html)。
私はWordファイルに入力したものを出力し、表紙を

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何か書こうかな

何か書こうかな

写生は虚をつかまなければ
実だけではだめで
ただ虚をつかむには実がなければ
  阿部みどり女

俳句の雑記帳に書きとめてありました。自分でも忘れていたのですが。
どこかで目にした文章を書き写したのか、耳から聞いたものを書きつけたのか、出典はわかりません。
虚実融合、悩ましいです。
発想を膨らませ、そこから自分にぐっと引き寄せたリアリティーのある句を作りたいです。

今年はHaiku-First!で

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