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サービスとホスピタリティ

前回、天文台のボランティアに所属していることを書きました。
年度ごとに初回のミーティングでは、台長から活動についての方向性についてお話いただくのですが、その中に印象的な考え方があったのでここに備忘録として記録しておきます。

前提として、わたしは「人が好き」です。
だから今まで人と関わる接客(=サービス業)の仕事を選んできました。
体調が悪くても、気分が優れなくても、お客さまと話していると元気になります。
まるでスイッチをカチッとONにしたように、それはもう一瞬で。
その延長で、大好きな天文台で星を見る喜びをお客さまと共有できることがとても魅力的に映り、ボランティアを始めることにしました。

台長のお話の中に『サービスとホスピタリティの違い』という資料がありました。
似ているようなこの言葉だけど、定義から考えると全くの別物だということを知ることができます。
※下記はサービス(接客業)とホスピタリティ(天文台)について、わたしなりに解釈したものです。


サービスとは

①お客さまに喜んでもらうことが最優先
②お客さま←店員のように、一方的な提供
③お客さま>店員のような一時的な主従関係

①を達成するには
・無駄なく合理的に動く
・スタッフ全員が同等のサービスを提供できるようにする(マニュアル化)
・収益を追求するためのシステム化

その結果、お客さまの状態は
・期待値を超えたら得をしたと感じる(超えない場合は不満を感じる)
・満足した場合、再来店に繋がる


ホスピタリティとは

①お客さまに心温まるおもてなしをすることが目的
②相互的なコミュニケーション
③お客さま=スタッフが同等の立場で話せる

①を達成するには
・雑談や実際に体験することを大切にする
・スタッフ一人ひとりが得意な分野や好きなことを追求する(高質化)
・同じ事柄でも様々な視点からアプローチする(多様化)

その結果、お客さまの状態は
・期待値にプラスして意外性や新しいことを知る喜びを得る
・お客さまもスタッフも喜びや感動を共有できる
・「今回○○を知れたから、また天文台に来よう or 星空を見てみよう」と次の行動に繋がる

服部勝人『新概念としてのホスピタリティ・マネジメント』学術選書,1994年,P90.


この資料を読んだ時、今まで一緒くたになっていたものが明確になった気がしました。

冒頭で書いたとおり、わたしは接客(=サービス)が好きです。
今までお客さまとお話する時間を取れる職場ばかりだったからか、サービスとホスピタリティは一緒のものだと思っていたんです。
だから他のお店に入ったとき、意に反して店員さんとお話する機会がないと味気なくも感じてしまいます。(お店の状況や目的にもよりけり。必ずしも店員さんと話したいというわけではないです。)

ふと、なぜ自分は接客が好きなんだろう?と考えたとき、
「お客さまとの関係性をつくるのが好きだから」
「相互にコミュニケーションをとれるのが楽しいから」


これが理由なら、わたしは『ホスピタリティ』を大事にしているんだということに気付けました。
売上を伸ばすための施策を考えたり、お店の回し方を考えるのも全部好きだけれど、結局原点には「人と関わることが好き」があることを改めて実感しました。

ここ数年、感染症で人に会う機会が減っていて、心がすり減っていくようにすら感じていたけれど、今回天文台でいろんな人に会って、「ああ、わたしの好きなことはこれだったよなぁ」と思い出すきっかけになりました。

これからも天文台での活動や仕事でいろんな人に出会っていくだろうけれど、ホスピタリティの心を大事に接していきたいと思います。


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