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私にとっての生きやすさを優先する『「そんなこと気にしなければいいのに」ができない人のための本』

「力を抜く」っていう感覚がいまいち掴めません。
この前、これからやってくる子育てについて母親と話していて、
「私は目の前のことに必死になりすぎる性格だから、ピリピリして周りにも迷惑かけちゃうかも」と不安をこぼしました。
「そうだね、あんまり気にしないで、力抜いてね」と言われてモヤモヤ。それができなくて悩んでるんだけど…

「そんなに真面目にやらなくていいんだよ」「そんなこと気にしなければいいんだよ」というゴールが見えていてもできないのがHSP気質。

こちらを読んで、発想を180度変えよう、と思いました。


「繊細じゃない私」ではなく、「繊細だけど悩まない私」を目指す

生きづらさを少しでも減らすためには何が必要?と考えたとき、著者の月下ナツさんは「コツコツ努力して自分の性格を変えることだと思った」とのこと。
私も、まったく同じです。
敏感な自分が嫌で仕方ない。自分を変えたい、とnoteに何度書いたか数え切れません。

「繊細さん」というのは生まれ持っての基質。だから「繊細じゃない私になる」というのは、「肌や瞳の色を努力で変える」と言っているのと同じくらい難しいこと。

「繊細じゃない私になる」のではなく、「繊細だけど悩まない私になる」を目指す。

本書より抜粋

気質を変えたいと思うよりも、この気質でどう生きていくか?を考えたほうが近道ですよね…なんとなく分かってはいたけれど、こちらを読んで、「絶対そっちのほうがいい!と思いました。

繊細な気質を好きになれない一方で、100%嫌いかというとそうではありません。
周囲を気遣える性格が私を助けてくれることも多いし、大切な人を大切にしようと思う気持ちは人一倍で、それは相手にも伝わります。
ただ、頑張りすぎて疲れてしまうだけ。そのバランスがとれたなら、私のいいところはそのままに、生きやすくなる道が見つかるはずです。

この世には良い出来事と悪い出来事があるのではありません。どちらでもない、ただの出来事があり、それを良い・悪いと判断する人間の解釈が存在する。
私たちが幸せになれるかどうかは「いかに解釈上手になれるか」にかかっています。
出来事は360度から見ることができます。

本書より抜粋

HSPであるということに対する解釈も、日常のいろんな出来事に対する解釈も、訓練次第でポジティブに変換できる。
解釈上手な思考のクセを身に着けられたら、生きやすくなるんじゃないかなと思いました。

思いやりが忍耐に発展してしまわないように

エゴグラム性格診断というのも紹介されていました。
自我状態を5つに分け、「どの自我状態」が「どの程度活性化しているか」を分析します。

CP(クリティカル・ペアレント、きびしい父親) :正義感や責任感など
NP(ナーチャリング・ペアレント、やさしい母親) :思いやり、共感性
A(アダルト、大人):知性、論理性、判断力
FC(フリー・チャイルド、自由奔放な子ども):直観力、創造性、好奇心、自発性、表現力
AC(アダプテド・チャイルド、従順な子ども):協調性、忍耐力、礼儀正しさ

CPとNP、FCとACはそれぞれシーソーの関係になっていて、
どこかが高くなっている場合は反対を上げてバランスを取るようにすると良いとのこと。
HSP気質の人はNPが高くなりがちなので、「共感しすぎないようにしよう」「思いやりすぎないようにしよう」と意識するぐらいでちょうどいいみたいです。

診断をやってみたら、私は「頼られマン(N型Ⅲ)」タイプでした。
長所:知性的、理性的、生産性が高い、気配りができる
注意点:自分をないがしろにしがち、楽しみ下手

仕事でも人との付き合いでも、「自分がもっとこういう風に行動したら良くなるんじゃないか?」とよく考えます。たしかに、知性的、理性的ではあるかも。
その分、自分が置き去りになってしまうんですよね。その場の空気に合わせて、こうしたほうがいいんじゃないかと思い、やりたくないことも我慢して頑張ってしまう…

忍耐力や努力というのは、それ単体で意味を成すものではありません。自分の好きなものを追求するための道具となって初めて、人生を輝かせることができます。

本書より抜粋

この部分に救われました。すべてにおいて忍耐する必要はなくて、私がやりたいことのために、ここぞというときに忍耐力をとっておいてもいいんだ、と。
相手を思いやるあまりに自分が我慢しすぎたら疲弊してしまう。人生を謳歌するためにも妥協点を持ってもいいんですよね。

「自分を大切にする」ってどういうこと?

繊細さんは、自分と他人の心の境界線が曖昧なため、他人の思考や感情がスッと入ってきて、当たり前のように自分の中に居座ります。

本書より抜粋

自分と相手の間にボーダーラインを引くのが本当に苦手です。何か言われると、特にダメ出しされると「そうかもしれない…」と深刻になってしまいます。

相手とのやり取りにはいつでも優先順位がある。
「自分はどうしたいか」>「相手はどうしたいか」>「この状況から考えてどうすべきか」
こう考えるのは決してわがままではありません。自分の意志を大切にして、自分のキャパシティ内で賢く行動するということだからです。

「私は私、人は人」と考えたほうが、自己肯定にも他者肯定にもつながる。
これができるように、まずは私はどうしたいか?を考える必要があります。
私はその場で自分の意志を決めるのが苦手なので、ちょくちょく事前準備をします。
過去に「本当はこうしたかったなあ」と思った出来事を掘り下げて、「次はこうしよう」「こういう風に伝えてみよう」と考えておきます。
たとえ同じような状況が起こらなくても、次は大丈夫かも、と安心できます。


6月に里帰り出産をする予定なのですが、母との関わり方が心配なんですよね…
これまでにも「そんなこと気にしなければいいのに」と言われることが多くて、気疲れすることもしばしば。
親なので甘えたい気持ちもあって、きつい言葉で反論してしまいそうで自分が怖いです(産後のメンタルはボロボロって聞きますし…)。

母とは良い関係でいたいし、家族と赤ちゃんと皆で幸せに生活したい。これが今の私にとってやりたいことです。
そのために「繊細だけど悩まない自分」を目指したいです!

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