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定時退勤が加速する! 超おすすめ本 3選

定時退勤は、惰性で仕事をこなしても実現しません。大切なのは、スキルや知識を学んでいくことです。つまりインプット。ぼくのインプット手段は主に2つで「SNS」と「読書」です。今日は、読書について。
ぼくは教員の中ではけっこう本を読む方だと思うのですが、最近本棚をひっくり返して「これはオススメしときたいな」と思い読み返した本が3冊あったので、今日はそれを紹介します。未読の方は、ぜひ1冊でもいいので手に取って欲しいと思います。
ちなみに、今日ご紹介する本の中に、いわゆる『教育書』と呼ばれるものは一つもありません。これをご覧の先生方は、情報感度の高い先生ばかりだと思うので、あえてそういった本を選ばせていただきましたので、ご了承ください。では、どうぞ!


1.0ベース思考(スティーブン・レヴィット/スティーブン・ダブナー)

ぼくが『行動経済学』という学問を知るきっかけになった本です。行動経済学は、簡単に言えば「人間はどのように意思決定をしているのか」ということを、実社会での観察や実験により明らかにしていこうとする、かなり新しい学問分野の一つです。
本書では、世界中のありとあらゆる事例をもとに、人間の行動原理を読み解こうとする試みが記されています。単純に読み物としても痛快で面白いのですが、その根底にあるのが『0ベース思考』であり、言い換えると「前提を疑い、シンプルに物事を解決する方法を探る」ということだと、ぼくは解釈しています。
この思考法は働き方改革にかなり相性がいいと個人的には思っています。ご承知のとおり、学校業務は旧態依然のものがいまだに圧倒的で、みんな「やろう」とは言うけど「やめよう」とは言わないのです。なぜなら、そもそも「やめよう」という思考自体が無い場合も多い。しかし、本書でその思考法を学べば、先生方の周りにある前提をもう一度捉え直して、新たな働き方につながるかもしれません。そうした意味で、本書は定時退勤を目指す全教員必読の書だと思っています。

2.武器になる哲学(山口周)

哲学は「使えない学問代表」みたいな印象をお持ちの方がたくさんいるかと思います。実際、哲学とは大きな思想体系であり、それを日常の場面で使うというのは非常にイメージしづらいものがあります。しかし本書は、徹底的に「使える哲学」という視点で哲学者の思想を解説しています。著者の山口周氏いわく、ビジネスパーソンが哲学を学ぶメリットは以下の4つあると言います。
・状況を正確に洞察する
・批判的思考のツボを学ぶ
・アジェンダを定める
・二度と悲劇を起こさないために

このような哲学的思考法を用いて教育を読み解くと、働き方改革の文脈でも、いろいろな矛盾や違和感が見えてきます。例えば『弁証法』という視点で明治以降の日本教育史を読み解くと、いまの教育の「古さ」や「新しさ」についていろいろ見えてくるものがあると本書では述べています。また、『批判的思考』は変化を伴うことが前提なので、非常にハードルの高い思考法です。しかし、働き方改革の文脈では、その考え方こそがまさに必要であり、そうした意識的な批判態度や考察の切り口を哲学を通して学ぶことは、非常にメリットが大きいと感じます。
本書は50の短いプロットに分けて哲学思想を丁寧に解説しているものなので、哲学に慣れ親しんでいない人でも読みやすいです。興味のある方は、ぜひご一読ください!

3.あなたの会社が理不尽な理由(清水勝彦)

どんな先生でも一度は、「なぜあの先生は自分の考え聞いてくれないのか」とか「あの管理職は頭が固い」という想いがよぎったことがあると思います。ぼくも、たくさんあります。しかし、本当に主任はぼくらの話を聴いてくれていないのでしょうか?本当に多くの管理職は、頭の固い人ばかりなのでしょうか?
本書は、ビジネスの世界から「なぜ組織では理不尽なことが多いのか」に対する答えとして、個人でのスタンスやリーダーとしての立ち振る舞いの重要さを述べています。これは、組織で働くビジネスパーソンは全員知っておいた方がいい知識です。例えば、「組織とはそもそも理不尽なものでる」とか「本音と建て前を使い分けることが必要」ということ。個人としては目をそむけたくなる事実ですが、言い換えると、上司や管理職は、決して意地悪をしているわけではなく、そもそも学校という組織体制では、そうならざるを得ない事情がどこかに潜んでいる、という視点を与えてくれます。ぼくはそこから、働き方改革の文脈でいろいろなアプローチをすることが多いです。
また、これをご覧の先生方の多くは「学級担任」ではないかと思います。学級という単位で見るなら、ぼくらも子ども目線でいえば、主任や管理職のような立場にいます。そのとき、子どもから「なんでそんな理不尽なんだ」「なんで先生は俺たちの話を聞いてくれないんだ」と思われないようにどうすべきか。そうした学級経営に生かせるような話も盛りだくさんになっています。こちらも超おすすめなので、ぜひ読んでみてください。

さいごに

いかがでしたか?
最初に言ったように、教育書というものは一冊もなかったと思います。
ジャンルで言えば「行動経済学」「哲学」「経営学」という、ビジネス書の棚に並んでいるようなものばかりです。しかしこれまでお伝えしてきたように、学校の働き方改革の文脈で見ても非常に多くのことが学べる内容になっていると思いますので、ぜひ手に取られてみてください。
ぼくも、直接この本の内容をお伝えすることは少ないのですが、こうした本からの知識をベースに、学校という場所で働き方改革を進めていくための方法を日々模索しているところです。ぜひこれからも、応援よろしくお願いします。


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