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江戸川Qの「独想感想文」#13

 読み終えてから感想文を書く段階になり、初めて「1」があることに気がつきました。
 然しながら、それはもう既に時遅く、むしろこの本作を読んでも十分経済学から読み取れる社会の変動等が分かるというところに、本作と池上彰氏の物事への解説が如何に分かり易くて素晴らしいかと感じてしまいました。
 本作は2012年に初版が刊行されているので、今現在とは十年差があることになります。
 なので本作で引用されている社会的事変は、刊行当時は直近の出来事であるのですが、読書の時期からすると既に幾年か過ぎた過去の出来事となっています。
 ですが時間の経過が過ぎた今も著作に書かれていることは、現在進行形で未だに尾鰭をつけて日本の経済に小骨以上の役割で影響を与えています。
 長期にわたる日本経済のデフレ、年金問題、それらを読み解いても未だ日本経済は混迷の時代を抜けていたないのだなと思いました。
 改めて本作を読んで著作者である池上彰氏の「説明力」と言うのは素晴らしいと感じ入りますし、問題のポイントをセレクトして直接的に世代が離れた層への訴え力は、どこか明治期の偉大な教育者と比較しても、遜色ないと思わないではいられません。
 この著作を手に取る方は、読了後、この本を経済の教養と受け取るか近現代の歴史書としてとるか、または見事なまでの経済学書と取るかはお任せするところですが、本作は秀作ともいえる本だと言えるのは間違いありません。

 もしあなたがこの本を気になったら、
 そんなあなたにこの一冊を。

 そして
 あなたが一冊の本を読み終えたら、あなただけの「独創感想文」を。

 文:江戸川Q 

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