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父と娘の珍介護道中(日記的エッセイ2010〜2022) 時々、母のこと、故郷のこと、自分のこと EP17

エピソード17
心配して来てくれるかどうか試したのかも


2013-10-05

アッという間に10月。急に寒くなりました。
今年はいつもより早く金木犀の香りがするな。ってここで気づいた。
金木犀の香りがするのを誰かに教えたいという気持ちで、このブログを始めたのだった。2010年のこと。
あれから3年。本当にいろんなことがありました。
まぁまぁ自分のいい記録となっているでしょう。

ブログの前にFBでちょろっと書いちゃうことも多くなったので、
たぶん昔より更新が減ってる。ま、それも時代の流れということで。
気分次第で自分の書きたいことがあれば、どちらでも書いて行こうと思ってます。ということで、今日もFBの書き込みを流用。

父のご機嫌伺いのついでに、大磯の六所神社にお参り。
主祭神の櫛稲田姫命(くしなだひめのみこと)は、スサノウノミコトを助けて八岐大蛇を退治した女の神様。
湯津爪櫛(ゆつつまぐし)のお守りを女性が持つと、
身代わりになって守ってくれると言われてる。

亡き母が残した句を、一周忌に手作りの句集にして、親しかった方にお配りしたのだが、それを手芸を生業にする友人がミニ本に仕立ててくれた。
その袋(母の愛用していた着物の生地で作ってくれた)に、
櫛稲田姫命のお守りを入れたので、これはもう無敵かも(笑)。

2013-11-23

昨日は父が近場の公園に紅葉狩りにいくはずの日だった。
「今週は来なくていいよ」と言ってくれたので、ちょっと寝坊してゆっくり自分に時間を使おうと思っていたが、
朝6時過ぎに、「みほちゃん、背中が痛くて眠れなかった。また折れちゃってるんじゃないかな」と父から暗い声の電話。
油断してるときに限ってこういうことがある。
やり場のない憂鬱と心配を引きずって父の元へ。幸い、いつもは予約じゃないと診てくれない先生が、今日は人が少ないからと診てくれた。

順番を待つ間に、父に原因の心当たりを聞いてみる。
これまで圧迫骨折は二度やってるが、今回はそうなるような原因なさそう。
ただ、「どんどん悪いところが出てきてるみたいで、これからどうなるのかと思ったら眠れなかった」のだそう。
それだ。気の持ちよう。

アニメのキャラみたいなしゃべり方の優しい先生は、
「せっかく来たからね」と父の望むレントゲンを撮ってくれた。
案の定「骨はどこも悪くなってませんよ。お年並み」と笑顔を向けてくれた。
その言葉で父は安心したよう。
「ついでにお昼ご飯食べに行っちゃおうか」と嬉しそうに言うので、
帰り道藍屋に寄って天ざるランチを食す。
ここは車椅子の入店にもとても親切だ。
帰る頃には、父も少し不安が解けたようで、ホッとする。

父の部屋に戻って驚いたのがコレ。
先日、引っ越し先の間取り図を父に渡しといたら、こんな絵になってた。
これ「透視図」って言うらしい。建築士だった父は、自分が設計した家をお客さんにわかりやすく見せるために、こういうのをサービスで描いてたんだって。
「みんなそれで喜でね~」と、昔を思い出してうれしそう。
そりゃ昔はキャドなんてないもんね。
ただし、この絵、実際よりかなり盛ってる感じだけど(笑)。

私が本気で感心して、「スゴいじゃん! きれい。さすがだね」と褒めたもんだから、最終的に満面の笑顔。
不安や孤独を吹き飛ばすには、やっぱり笑顔になることがいちばんだと思う。
ひょっとしたら、父は私が心配して来てくれるかどうか、無意識に試したのかも。でも、ま、それでもいい。笑顔になってくれればね。

2013-12-07

昔~昔、母が作って持たせてくれた梅酒。金曜日に飲みきった。
健康診断があって数日禁酒してたから格別(笑)。

しばらく梅酒なんて飲んでなかったなぁと、仕事を終えて、夜遅くひとりじっくり味わった。
渋い琥珀色で、まろやかで、本当に美味しかった。
疲れて酔ってしまったから、そのときの写真は残念ながらなし。

で、翌日、その瓶を洗おうと思ってよく見たら、
なんとキザクラの一升瓶のラベルに、「梅酒 平成2年6月」と母の字。
ワーッ! 23年モノだったんだ! と、ビックリ。

そういえば、母も時々、台所でひとり、こっそりと梅酒を1杯だけ飲んでたっけ。あの姿、可愛かったなぁ。私も今はきっと、そんな感じなんだろうか。
一杯だけじゃないし、可愛いかどうかはべつとして(笑)。
お母さん、ご馳走さま~!

母のミニ本と湯津爪櫛入り巾着袋、透視図、キザクラのラベルに梅酒と母の字


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