砂浜でも横断歩道でも気づかなければ何もない
沖縄に行ったとき、海なし県育ちのわたしは「海だー!」と見たまんまを叫ぶくらいにはハイテンションになる。
砂浜ってこんなにサラサラで白いんだって、それも結構な衝撃だった。群馬にはない光景。
海でパシャパシャ遊んで、カラフルな魚に一頻りはしゃいだあと砂浜でしばらくぼーってしてた。
ら、何やら砂が蠢いている。何かが高速で移動している。その正体はヤドカリやカニだった。
さっきまで全然気づいてなかったことが信じられないくらい。ただ白い砂浜だと思っていたその場所には数えきれないほどの命があった。
こうやって書くと大げさなんだけれども。でもそのくらい、最初見た海とまったく違う景色に見えた。
気づかなければ何にもない真っ白な砂。そこで誰が見ていようといまいと生きることを全うする小さな命があるんだなぁって。
よく星空を見上げて、宇宙から見れば人間なんてちっぽけな存在だって言ったりするけれど、わたしはこの沖縄の浜辺で宇宙を感じた。
宇宙から見れば自分がどう動こうと、何をしようと、些末なことかもしれない。
でも、ふとその息吹を感じ取った時の輝きはすごく美しいものだと思う。目が離せなくなるくらいに。
東京のど真ん中で交差点の横断歩道を渡っているとき、白い線の上を横切る黒い小さな点を見つけた。
アリだった。どこから見つけてきたのか何かの食べかすみたいなものを運んでいる途中だったのかな。
足元にも宇宙があった。
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