松田京子

人生半分過ぎた元転妻です。これまで多くの人達と関わり、感じていた違和感みたいなものを小…

松田京子

人生半分過ぎた元転妻です。これまで多くの人達と関わり、感じていた違和感みたいなものを小説にしています。

最近の記事

【小説】人の振り見て我が振り直せ  第7話「人に向かって、スプレーシャワーは失礼ではありませんか?」

 茉莉花という人は〝自分の臭い〟(制服から臭う〝お洗濯のか○り〟と〝何かの異臭〟を足したもの(第3話))を棚に上げて、〝他人のニオイ〟には敏感に反応する人物だった。  自分の〝キレイ好きアピール〟の一貫なのか、社員が終了ミーティングのために、汚れ仕事を終えて着替えて事務所に帰って来ると、事務所に入った途端、〝空間用消臭剤〟を事務所中や〝あなたは臭い〟と言わんばかりに、ほぼ本人に向けてスプレーしだすのである。    茉莉花にその〝スプレーシャワー〟を受けた50代後半の正社員、

    • 【小説】人の振り見て我が振り直せ  ちょっと休憩ブログ編 〜推理小説と2時間ドラマ〜

       4月に入り、春を感じられる暖かい日が増えてきましたね。  皆さんはいかがお過ごしでしょうか?  真新しい制服を着た学生たちを目にすることが多くなり、微笑ましい光景をみながら、月日が流れるスピードが、私の中で早くなっていることに気づく今日このごろです。  今日は私自身の個人的な趣味をお話します。  私は小さな頃から、今はなき〝土曜ワイド劇場〟とか〝火曜サスペンス劇場〟など、いわゆる〝2時間ドラマ〟が大好きな変わった子供で、小学生のうちは、夜9時には就寝しなければならな

      • 【小説】人の振り見て我が振り直せ  第6話「そのマウンティングとアピール、惨めになりませんか?」

         茉莉花はとにかく、何をするにもアピールの激しい人物だった。  由希子も入社初日は疑問を持ちながらも、〝私、仕事出来ますアピール〟が凄かったので、所長が若い世代の、怖いもの知らずの女の子が苦手なだけ(第1話)で、仕事はそれなりにやる人なのかな?と様子を見ていた。  でも、1週間もたたないうちに、あの汚いロッカー(第3話)と人によって態度をかえる性格に気づき、距離をおいていた。  その後、所長と茉莉花は〝怪しい関係〟(第5話)と思われ、由希子は、とにかく最低限しか関わりた

        • 【小説】人の振り見て我が振り直せ  第5話「その怪しい行動、バレてますよ?」

           由希子が入社して半年が過ぎたにも関わらず、未だ欠員状態が続いていた。年度末の3月で石野(第4話)が退職して3ヶ月、さらに一人ひとりの仕事量が増えていた。  由希子は欠員状態でなければ、おそらくする事もなかった仕事もせざるを得なくなっていた。  それは、契約社員の先輩である太田が担当している仕事で、この施設の郊外にある小規模な施設の点検を正社員と二人で巡回していた。おそらく太田は、仕事ができるのもあるだろうが、石野と同じくフットワークも軽いため使い勝手もよく、将来正社員に

        【小説】人の振り見て我が振り直せ  第7話「人に向かって、スプレーシャワーは失礼ではありませんか?」

        • 【小説】人の振り見て我が振り直せ  ちょっと休憩ブログ編 〜推理小説と2時間ドラマ〜

        • 【小説】人の振り見て我が振り直せ  第6話「そのマウンティングとアピール、惨めになりませんか?」

        • 【小説】人の振り見て我が振り直せ  第5話「その怪しい行動、バレてますよ?」

          【小説】人の振り見て我が振り直せ  ちょっと休憩ブログ編 〜人生、日々勉強です〜

           春分も過ぎて、気温も少しずつ上がっていき、過ごしやすい気候になっていくのが楽しみですね。  皆さんはいかがお過ごしでしょうか?  私のつたない投稿を読んでくださる方々に、この場をかりて、あらためてお礼を申し上げます。  なんとなく初めてみたものの、no+eさんの機能についていけず、私なりに悪戦苦闘しています…。  スキってなに?ん?お礼って?  投稿自体もアレコレ時間をかけてなんとか出来るようになったところです…。  全然使いこなせてませんね…。  ただ、書き出す

          【小説】人の振り見て我が振り直せ  ちょっと休憩ブログ編 〜人生、日々勉強です〜

          【小説】人の振り見て我が振り直せ  第4話「週休3日以上のモ○スター社員」

           由希子がこの会社入社して1か月ほど過ぎた頃の出来事である。  入社後すぐの由希子は、まずはひと通り施設内の設備や点検方法など、覚えなくてはならないことがたくさんあった。  女性には急な階段の昇り降りや、広大な敷地内に施設が点在しているため、移動距離もあり、体力的にキツイ仕事なのだが、もともと学生の頃から運動部だった由希子にとっては、それほど苦には思わなかった。ただ、年齢的な衰えやまだ慣れていないのもあり、1日仕事すると帰るころには疲労が襲って来てぐったりすることもあった。

          【小説】人の振り見て我が振り直せ  第4話「週休3日以上のモ○スター社員」

          【小説】人の振り見て我が振り直せ  第3話「ベチャベチャ服と汚ロッカーでもキレイ好きですか?」

           茉莉花は出勤が勤務開始の1分前、退勤は勤務終了後1分もしないうちにタイムカードを打刻して帰る。とにかく職場には勤務時間以外は職場にいたくなのだろう。  仕事さえキチンととしてくれれば、決して悪いことではないが、帰りは良くても、出勤はせめて5分前くらいには自分のデスクに座って準備をしておくべきではないかと、昭和の人間の由希子は思ってしまう。これが今どきのZ世代なのかと考えさせられることのひとつでもある。  この日も茉莉花は勤務時間終了の1分後に速攻タイムカードを打刻して事務

          【小説】人の振り見て我が振り直せ  第3話「ベチャベチャ服と汚ロッカーでもキレイ好きですか?」

          【小説】人の振り見て我が振り直せ  第2話「股を開いて貧乏ゆすり?」

           由希子が入社してすぐ、更衣室に設置してある長椅子のひじ掛けの部分に、いつも何かしらの物が置いてあることに気がついた。  ある時はイヤホンの片方、ある時はリップ、またある時はピアスの片方。  由希子は基本的に朝は早く職場に到着して、仕事前はゆっくりしたい方なので、余裕をもって出勤している。だから、あさイチで更衣室を使うことがほとんどだった。(ん…なんでこんな物がいつも置いてあるのだろう?誰かの忘れ物ってこと?)不思議に思いながら、そのままにして毎日更衣室を後にしていた。

          【小説】人の振り見て我が振り直せ  第2話「股を開いて貧乏ゆすり?」

          【小説】人の振り見て我が振り直せ  第1話「チョロいわ!おじさんたち!」

           飯田茉莉花はある市町村役場の施設の管理をしている会社の契約社員をしている。この会社に採用になったのは、19歳の終わりだった。  何となく行った専門学校を一ヶ月で中退、その後アルバイトをしてたが面倒になって休んで辞めるを繰り返し、男性しかいないが女性でも出来る、という求人募集を見て(女がいない職場が楽だわ)と思いこの仕事を選んだ。  外見はそこそこ良いために、面接したおじさん達には印象が良かったのか、即採用になった。茉莉花は心のなかで、(チョロいわ、おじさんたち!)としか思わ

          【小説】人の振り見て我が振り直せ  第1話「チョロいわ!おじさんたち!」