[エッセイ] 砂時計とか実験とか
一般的な砂時計は3分。
近頃は作業用に、
15分とか30分の砂時計もあるらしい。
じゃあ人生は?
たとえば80年が測れる砂時計。
そんなものがあったら、私は欲しい。
過ぎてゆく時間、残り時間を見える化してほしいと、つねづね思っている。
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人生は80年という時間をかけた壮大な実験なんだ、
って誰かが言っていた。
たぶん自己啓発にいそしんでいた大学生の頃に聞いた言葉。
今でも、踏み出そうとする"次の一歩"が怖くなってしまうことがある。たくさんある。
そんなとき、自分のことを「実験的存在」だと思い出すことにしている。
万事解決、もう怖くない。
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80年という巨大な砂時計は、そうこうしながら
この瞬間にも落ちていく。
終わりを迎えたあと、この砂時計を上下ひっくり返すことはないと知りながら、
それでも、
今日の迷える自分と同じように、新たな砂時計のもとで生きている誰かを思えば
心が救われるような気がするのは、
私もそれだけの年月を生きてきたという証でしょうか。
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