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言葉の関係を助詞で紐解く『創作編 』/作家の僕がやっている文章術155

漢字熟語を多く使っている文章は、イメージが包括的だとお伝えしました。

その解決策として、助詞を補うノウハウを申し上げました。

作家の僕がやっている文章術154『漢字熟語には助詞を補う』に紹介してあります。

今回は、創作文章をサンプルに、お話をしていきます。

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<文例1>
オルナン国騎士団は、統制維持しつつ遠征していた。

アルミラルフは騎士団長責務において、東征実行なくして帰還が許されないと自覚していた。

東の小国ではあったが、要塞の観を呈したバラナン国王キプルは貴族階級優遇政策により特権階級からの献金で組織した寄せ集めの荒くれ山賊軍を派遣し、政治的手腕よりも、独裁の横行を支持母体に、他国への侵略を繰り返し、略奪の限りを尽くしていた。

特命任務は、オルナン国の隣国や関係国からの哀願にも似た嘆願書を受理したオルナンの国王、ヨゼフ二世からアルミラルフに受託されたものである。……。
(即興/美樹香月)

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筆者の頭のなかには、もしかしたら具体的なシーンやイメージが浮かんでいるのかもしれません。

しかし読者にそのすべては伝わらないでしょう。

文例1をリライトします。

このときには、漢字熟語に助詞を補います。

漢字熟語から大和言葉に変えられる言葉は、書き直します。

このようにして書くと、物語そのものが広がりを持って表現できるようになります。

いわば、読みやすく、面白い物語の書き方のコツです。

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