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デジタル化のおかげ

最近YouTubeよく見ているボイスコミック『兄貴の友達』。作者はなげのまいさんの言葉遣いが楽しくて、ついつい「この空気感を英語で表すとしたら……」と考えてしまいます。

同じ作家さんの『高良くんと天城くん』の英語版を海外サイトで見つけたので、あとで日本語と比較してみようかなと思いつつ、こういう刺激を簡単に得られるのも21世紀のデジタル化のおかげと実感&感謝中。

20代半ばで音楽業界の通翻訳者キャリアをスタートさせた芸歴30年超えゆえ、キャリアをスタートしてからしばらくはアナログ時代が続きました。

そのため、私の仕事は通訳と翻訳の作業に集中すること。取材で得た情報を編集者にすべて伝えることがメインで、多少の直訳口調や、流れの悪いしつこい言い回しは許容されていました。素敵な日本語に整えるのは編集者の役割だったからです。

そんな状況ゆえ、通訳・翻訳のクオリティをそれほど意識することなく、使い続けてもらううちに実力を付けていったわけです。いや、ほんと、腕を上げるには場数をこなすのが一番ですから。

そんなふうにのんきに仕事を続けていた私が、翻訳物のクオリティや自分の実力を意識し始めたのは2017年。音楽業界から実務翻訳の世界に飛び込んだあとのことです。

この頃から翻訳業界のデジタル化が加速しました。翌年には初期のAIを使い始めた海外企業の案件開始前に有償トレーニングを受けたことで、その先のデジタル化を当然と捉え、楽しみにするようになっていました。

きっとこのときの経験がデジタル化に対する敷居を下げてくれたと思うのですが、Word書類などで納品していた成果物をオンライン上のCATで納品できるようになり、心底「便利だな」と思っていました。

Macユーザーを頑なに除外していたTradosさんでさえ、2021年にWeb版をリリースし、使用できるマシンの制限を外したあたりにも時代の流れを感じます。

AIが一般化した一昨年の年末以降、CATの進化は目を見張るものがあり、最近はAI Assistで限りなくMTPEに近い翻訳案件が主流になっています。

これ、特に数千ワードの長文案件では機械翻訳に引っ張られることが多々あるので、翻訳者は要注意です。しかし、依頼者にとっては単価を下げられる便利機能となっているようです。

ただ、正直な話、実務翻訳では文芸翻訳ほど文章の流れや読者にアピールする言葉遣いを求められないので、これまで校正アプリの必要性をあまり感じていませんでした。

ところが、最近調べてみたら、オンライン上で校正できる優秀なアプリがたくさん出ていました。これはいいぞと、最終的に有料へアップデートすることを視野に入れ、これからとある校正アプリを試用することにしました。

最近はコンプライアンスの点も考慮して言葉を選ばないといけないので、校正の中にその点も含まれているアプリがベストです。

さて、校正アプリによって私の駄文がどれほど良くなるのか、ものすご〜く楽しみです。ほんと、デジタル化サマサマです。





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