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仕事観が変わった2年間のこと

わたしの仕事観を変えてくれた、

というよりも、仕事観を築いてくれた、

大切な大切な2年間のことを書きたい。


−−−

わたしは日本語教師という仕事をしている。

2年前に海外移住をするまで、小中高校や、国内外の日本語学校で、外国人に日本語を教える仕事をしてきた。

どんなときも、

学習者のためを思って授業をしてきたつもりだったのだけど、

思えばこれまで、

わたしは結局、

学校で決められたことを、こなしていただけだったのだと思う。

決められた教材と、カリキュラムに沿って、

その日の授業を無事に終わらせ、

担当する学習者を、満足させられれば、

それでよかったのだ。


もちろん、そんなつもりじゃなかった。

だけど、考えれば考えるほど、

わたしは今まで、

「学校」や「クラス」単位でしか、

”教える”という仕事を捉えられていなかったのだなと思う。

−−−

そんな考え方を変えてくれたのが、

オンラインプライベートレッスンで出会った学習者たちだった。


わたしには、もう2年間ずっと、

いっしょに勉強を続けてくれている学習者が、10人以上いる。

2年間、休むことなく、週に2〜3回、

レッスンを受けてくれているのだ。

とんでもなく膨大な時間と、お金をかけてくれていることになる。

学習者のなかには、プロのスポーツ選手や、パフォーマーの人もいる。

忙しい合間をぬって、

仕事の前や、昼休みに職場でレッスンを受けてくれている人もいる。


学習者ひとりひとりが、わたしのことを信頼して、貴重な時間とお金を使ってくれている。

そう、ひしひしと感じるようになった。


言語学習という、成果の見えにくいなかで、

信頼してついてきてくれている。

わたしが判断を見誤れば、

彼らの目標を達成させてあげられない可能性もあるなかで、

絶対的な信頼を寄せてくれている。

時間と、お金と、そして努力を、

わたしに賭けてくれている。



わたしは、彼らの人生を預かっている。

そんな責任が、

はずかしながら、

日本語教師6年目にして、芽生え始めた。


それだけではない。

週に約2〜3時間、2年にわたる期間を、

学習者と一対一で、向き合っていくなかで、

学習者の「想い」に触れることができた。


学習者が日本語を勉強する理由は様々だ。


日本が大好きで大好きでしょうがない。

日本で働きたいから試験に合格したい。

日本に住める日を夢見て、いつかのその日のために。

日本のパスポートを取得したい。

日本人の奥さんの家族と話したい。

日本人の同僚や友達と話したい。


当たり前だけど、

日本語を学習するその裏側には、

ひとりひとりの「想い」と、「人生」があるのだ。


日本で生活する大変さや苛立ちも、

日本文化への戸惑いも、

勉強した成果が出ない焦りや悔しさも、

日本に魅了されていくわくわくも、

日本語が分かるようになる楽しさも、

言葉が通じる喜びも、

全部、いっしょに共有してきたのだ。


今年で日本語教師7年目、

わたしはこの2年間で、はじめて、

そういうものに触れられることができた。


−−−


この2年間があったおかげで、

わたしは仕事との向き合い方、働き方が大きく変えられた。

仕事をしていく「軸」ができた。


いい仕事をする。
自分が納得できる仕事をする。
全力で向き合える仕事を、全力で向き合える環境でする。

学習者と伴走する。
短期的でも長期的でも、「想い」を叶えることが、教師の役割。
欺かない。時間とお金、努力、そしてその「想い」を、絶対に無駄にしない。

そんなふうに、考えることができた。


−−−

この2年間があって、本当によかった。

この2年間、ついてきてくれた学習者には、

本当に、本当に、感謝している。


ありがとう。

みんなのために、

わたしはもっと、いい教師になれるように、

成長していきます。









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