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今日から新学期(初挑戦!2つの視点の短編小説)

子どもサイド・せんせいサイド
それぞれの視点を交互に混ぜて
物語を進めていく、文章に挑戦しました。
(初挑戦なので、
 温かい目で読んでいただけると幸いです)


今日から新学期

渚 Side①

行きたくないなぁ〜
クラス替えいやだなぁ〜
誰と一緒だろう?
先生は、誰だろう?

お腹が痛くなる。
頭も重い感じ。
憂鬱だぁ〜。

行くの?行かないの?
お母さんが聞いてくる。

可能であれば行きたくない。
でも、行かないとクラスも先生もわからない。
はぁ〜。オンラインでわかればいいのに。


七沢 心空 Side①

ドキドキするなぁ〜
どんな子どもたちだろう?
全員そろうかな?
あいさつ緊張するなぁ〜

お腹が痛くなる。
頭も重い感じ。
お薬を飲んだから大丈夫だ!
スタートは、こんな感じ。何度も経験してきた。

行ってきます。
無理しないように。気をつけていってらっしゃい。と母が言う。

おはようございます。職員室に入る。


渚 Side②

どーするの!?
行くの?行かないの?
アプリで伝えなきゃいけないから!

すぐには、答えられない
うじうじしていたら

ピンポーン♫
友達の翔が来た。
「はーい」
「渚?一緒に行こうよ!」
「え~行きたくないな~」
「俺も行きたくないけど、クラス誰かとせんせい分かったら、お腹痛いって言って早退しようと思う」
「そのアイデアいいね!お母さん行ってきます」

この会話は、お母さんに丸聞こえだが
「早退するかもしれない!」というと
「ハイハイ分かりました。お電話お待ちしています。気を付けて行ってらっしゃい」と投げやりだ


七沢 心空 Side②

よし準備OK
8時15分。玄関が開場される。
子どもたちの元気な声が聞こえる。
今年着任の先生は、職員室で始業式が始まるのを待っている。
わたしは、すごく緊張していた。

でも、早くみんなに会いたいワクワク感もあった。
一緒に赴任してきた、先生が
「あっという間に終わりますよ」と声をかけてくれた。

「先生方は、体育館のほうに移動してください。」と
教務主任の先生が声をかける。

「よし頑張るぞ!」


渚 Side③

「渚・翔おはよう」声をかけてきたのは、晴香。幼なじみだ。
「今日から5年生だね~」と相変わらず元気そうだ。
晴香は、腹とか痛くならないんだろうなと思った。
「3人とも今年こそ一緒かな?」と翔が言った。
「今まで一度も3人同じってことないもんね。」と晴香が言う。

玄関に、教頭先生が立っていた。
「おはようございます。」と3人で言った。

5年生は、3階だ。
ドキドキしながら階段を上がった。
お腹がギュッと痛くなる。
「あ~腹痛い。」
翔が「毎年言ってるよな。」
「毎年クラス替えなんだからしょうがないよ!」と晴香が言う。

掲示板が見えた!
「オレ2組だ!」翔が言う
「あたしも2組!」晴香も
「俺もだ!」僕は、安心した。
「3人一緒なら無敵だね!」と晴香が言う。
お腹の痛みが急激に吹っ飛んだ。

教室に入り、黒板に貼ってある張り紙を読みながら始業式を待っていた。


皆さん、進級おめでとうございます。
今日から高学年の仲間入りですね。
せんせいは、宿泊学習が楽しみです♪
皆さんは、何が楽しみですか?
皆さんと素敵な一年を過ごせたら嬉しいです。

<せんせいの自己紹介>
なにわ男子などジャニーズがスキ
なんでも本は読みます
さいきんは、K-POPにハマってます
わすれやすい性格です。みんな教えてね。
みんなと会えるの楽しみにしてました
くまさんが好きです


七沢 心空 Side④

始業式が終わり。いよいよ着任式。
わたしは、とてもドキドキしていた。
順番に挨拶をしていく。
わたしは、最後から3番目。

次だ。
マイクの前に立つ。
子どもの前とはいえ、すごい視線がわたしに集まる。
「みなさんおはようございます。そして、初めまして。
 3月に南翔大学を卒業して。今日から学校の先生になる七沢 心空です。 
 皆さんに会えることを楽しみにしていました。これからよろしくお願いします。」
礼をした後に、椅子に座る。
緊張した~
「こんなあいさつがあと何回続くのやら・・・」と考えただけで、お腹がギュッと痛くなる。

いよいよ担任発表。
5年3組七沢 心空せんせい。「はい」と大きな声で返事をして
3組の子どもたちの前へ。
いよいよ始まるんだ。


渚 Side④

始業式でなが~い話を聞いて、お尻が痛い。
体育すわりなんて誰が考えたんだよ!こんな窮屈な座り方と
毎回思う。
やっと、担任の先生の紹介だ。
5年1組は、全校で一番怖い男の先生で有名な「木戸川先生」
5年2組は、全校で1番優しい女の先生で有名な「長谷川先生」

全校で2番目に怖い男の先生「牧田先生」がまだ残っていたので、
「牧田先生だけはいやだ。」
「3組は、優しい先生でありますようにと願っていた。」

5年3組 七沢 心空せんせい。
僕は、「ななさわ みく?」
だれ?と思った。
「はい!」と大きな声が聞こえる。
「あ~新しい先生か。」何とも言えぬ・・・

先生につられて教室へ・・・


七沢 心空 Side⑤

教室に戻ってきて
わたしは、自己紹介をしようと思った。
「みんな気づいた?黒板に先生の名前が隠れているの!」と聞いてみた。
「先生の名前何だっけ?」元気のよい男の子が言う
「ななさわ先生だよ」としっかり者の女の子が言う

にわ男子などジャニーズがスキ
んでも本は読みます
いきんは、K-POPにハマってます
すれやすい性格です。みんな教えてね。
んなと会えるの楽しみにしてました
まさんが好きです

「あった!」と何人かの子が黒板を指さす。
「縦読みすると、ななさわ みくになる!」
「せんせいすごい!」などと口々にいう
この反応嬉しい!そう思いながら、
わたしは、子どもたちが話している間に黒板に
七沢 心空と名前を書いた。

「漢字で書くとミクって読まないじゃん!」とメガネをかけた男の子が言った。
「そうなの!キラキラネームです」とドヤ顔で言ってみた。

その後、プリントを配ったり、連絡事項を言っているうちに下校時間となった。玄関まで全員を連れて
「また、明日ね~」とお見送り。
何とか初日、前半戦終了。


渚 Side⑤

教室に戻ってきて、
先生が自己紹介の前に・・・とか言って
「みんな気づいた?黒板に先生の名前が隠れているの!」

僕は「は?」と思った
翔が「先生の名前何だっけ?」
晴香が「ななさわ先生だよ」という。

んでも音楽大好き
んでも本は読みます
いきんは、K-POPにハマってます
すれやすい性格です。みんな教えてね。
んなと会えるの楽しみにしてました
まさんが好きです


そうすると何人かの子たちが
「あった!」「先生の名前ミクっていうんだ!」
「わかんないよ!」「縦読みしてみなよ!」
「先生すごい!」など教室が騒がしくなる。
「ななさわ みく」か
しゃれた名前。勝ち組だろうな。

休み時間のたびに、先生の周りは人でいっぱい。
翔が「先生のところいかないの?」と聞いてきたから「俺はパス。特に話すこともないし」と言った。
「晴香は、ボディーガード並みに先生の横にいるよ」って翔が笑いながら言う。
「いつものことだろ」と僕も笑ってしまった。

ななさわ先生は、オレの担任の先生の中で、一番若い。
3人同じクラスになれたからいいかと思いながら
帰宅した。
少しだけ、明日行こうかなって思うだけ


七沢 心空 Side⑥

先生の後半戦は、入学式。あっという間に終わり。
会場の片付けも終わったころ。

職員集会が行われ、簡単に今日の反省等をして。終了。
「疲れた~」と声が出た。
隣の長谷川先生が子どもたちも同じだよ!
家に帰って「疲れた~」ってね。
最初はあまりペースを上げずに、ゆっくりやっていきましょう。と木戸川先生が優しくいってくれた。

今日は、早く帰ろう。
わたしは、定時で帰宅することができた。

<おしまい>
©七沢 心空


エピローグ

子どももせんせいも
初日は、特に
ドキドキ・ワクワク

「どんな子どもだろう?」
「どんな先生だろう?」って
思います。

このお話のせんせいの挨拶。
心空が実際に、1年目着任式のあいさつ。
今日から学校の先生になるってなんじゃい?と
ツッコミを受けました(笑)

せっかく考えた原稿も意味なかったです。
(↑頭から全部飛んじゃいましたから笑)

子どもたちと初めて会った時。
休み時間すごく囲まれるなんて思いませんでした。
そんなの1年目だけ・・・。
持ち上がりの翌年は、「またか~」「まぁ、予想していたけどね」
「なんで、黒板にヒントないの?」とラフな関係に。
またそれも、持ち上がりの良さかもしれません。

逆に、持ち上がりじゃないと
お互い緊張しますが、
「楽しくやっていこうや」「気楽に過ごしましょうよ」とゆるふわな声かけからスタートします。

せんせいだってお腹が痛くなりますよ。
ドキドキだってします。
みんなと同じ
それが少しでも伝わってくれたらうれしいな。



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