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李家に生まれて 閑話休題②

台湾人は食いしん坊だと思う。

みなさん、ご存じだろうか。

いわゆる、「こんにちは」のような、
ちょっと顔見知りにかける通りがかりのあいさつ。

英語でいえば、「Hello」的な。
中国語であれば、ご存じの通り「你好 ニーハオ」になるわけだが。

台湾語では

チャパーブエ

これは日本語でいうとなんと

ご飯食べたか?

という意味なんですよ。
意味わからんくないです?
通りがかりに、人のおなかの具合、訊く??

私は留学時代はじめ、これが通常のあいさつだとわからなくて、
居候していた祖母の家の周りのおっちゃんたちから、
こんな風に訊かれるもんだから、
どうやって答えればいいのーーー??
ってすごく悩んだ時期がある。

わたしったら、まじめよね。

そんなわけで、食へのこだわりも強い。
それこそ夜市は深夜までやっていて、いつまで食べるんだよ。。。と思う。

日本のように、ランチ難民だとか、深夜営業がなくて。。。なんて
食いっぱぐれる心配はないともいえるのだが。

食についての貪欲さでいうと、いろんな食材を食べる。
私は幼いころ、「栄養をつけるため」の目的で、
最近ではよく目につく、クコの実やナツメなどの
メジャーになった漢方食材から、
ハチが集めた花粉(ビーポーレンというらしい)やら、
豚のしっぽやら、
怪しげなものを食べてきた。
ちなみに私は、赤ちゃんには与えてはいけないはちみつを
すでに赤ちゃんの頃に食していたそうだ。
今のところ何ともなく生きている。
それらすべてはきっと、しっかり私の栄養になってくれたことであろう。

私は嫌がりながらも食べるほうだが、
妹は逆のこだわりだった。

好きなもの以外は食べない、のだ。

そこまでの偏食ではないのだが、
彼女が赤ちゃんの頃のエピソードがある。

当時、出産してすぐに別の病気で母が入院したこともあり、
祖母が日本に来て家のことを手伝ってもらった時期があった。
例にもれず、赤ちゃんの頃から
いろいろなものを食べさせたいとする祖母。
栄養があるものだからと食べさせたところ、
妹はなんと

呼吸を止めたらしい。

実際のところ

「こんなものは食べたくない、食べるなら死ぬほうがまし」

と思ったのかどうかは知らないが、
その様子に驚いた父はその妹をさかさにして、
口に入れたものを出したそうな。

それ以来、祖母は相当怖がって、
妹にこのような漢方食材を与えようとはしなくなったそうだ。

食べるにしろ、食べないにしろ、
こだわりが強い家系なのだな、とつくづく感じたのだ。

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