見出し画像

スマートな仕事術:教員が実践するTODOリストのススメ

仕事は授業だけではない。
教師になってから身に染みたのですが、教師にはやることが大なり小なり山のようにあります。

対”ヒト”の仕事に関しては、「効果性」を念頭に仕事を取り組む方がよいと考えていますが、対”コト”の仕事はシンプルに「効率性」を求めて仕事をした方がよいでしょう。

「いかに短い時間でタスクを処理できるか」を目標に働くということです。自分の動きを音で表現すると、タッタカ タッタカ 事務仕事をさばいています。

■A4毎朝TODOリスト

タスク管理法をいくつか試してきましたが、僕はA4サイズの毎朝印刷TODOリストの方法に辿り着きました。

この記事では、教員である僕が2023年に実施してきた、具体的なTODOリストの作成の仕方と、仕事が捗るTODOリストの書き方を記載してます。

■レイアウトとルール

word でA4サイズ、ページ数は1枚のファイルを用意します。
ファイルの名前はシンプルに「TODOリスト」にしており、PC上で最も頻繁にアクセスするドキュメントのフォルダに入れています。

TODOリストの字体は「メイリオ」で14.5pt です。メイリオは行間が広い書体なので、文字が団子にならずに見やすいです。

右上の日付は挿入タブからTODAY関数を入れているので、自動的に更新されていくため、いちいち入力する必要はありません。

1日仕事をしていると、どんどん仕事が舞い込んできます。
完了した仕事はペンで黒く塗りつぶし、新しく追加された仕事は手書きで書いていきます。(黄色いマーカー部分)

パソコン上でTODOリストを管理していないので、新しく仕事が舞い込んできたその瞬間にメモ書きをします。

TODOリストの紙は、半透明のデスクマットの下に挟んでいて、いつでも見ることができ、いつでも書き込むことができます。
また、やることを目に入れたくないとき(机を綺麗に保ちたいとき)は、引き出しの中(エリア5)にTODOリストをしまっています。

■勤務開始時にTODOリストを更新する

  1. 朝出勤してから、すぐにTODOリストのwordファイルを開く

  2. 前日にすでに完了しているものを消す(黒く塗りつぶししているところ)

  3. 手書きタスクをPCに打ち込む(黄色いマーカのところ)

  4. 印刷し、机の上に挟む

したがって、毎日TODOリストが綺麗な状態で1日がスタートし、放課後には手書きで、いろいろ書き加えられているという具合です。

そして、また次の日は、前日のリストを見て更新していきます。

放課後のTODOリスト
翌朝のTODOでリスト

ちなみに、デスクマットはニトリのものがオススメ。

■微妙だったTODOリスト術

①パソコン上の付箋(Sticky Notes)を使う

▼メリット

  • 机の上がTODOリストの紙でごちゃごちゃしない

  • 付箋の色分け機能があるため、仕事のジャンルを視覚的に分けやすい

▼デメリット

  • PC上のデスクトップに表示するため、PCの起動が多少遅くなる

  • 紙ならその場、その瞬間にタスクの追加を行えるが、PCを開いていないとそれができない。または時間がかかる

  • 画面共有をして授業で使うPCのデスクトップに、共有してはいけないTODOリストを置いておくのはリスクである。(操作ミスで生徒にみられる危険性がある)

②紙ベースの緊急重要マトリクスを使う

▼メリット

  • 自分が抱えている仕事の緊急度と重要度を可視化できる。可視化することで、どの時間帯にどの仕事をするかの計画を立てやすい

▼デメリット

  • タスクを4つの領域に分ける作業と書き込む作業に時間と脳みそを使う

  • そもそもタスクをいったん溜めるという考えがまずい。新しくタスクが舞い込んできた瞬間に処理をするのが1番 仕事にスピード感がでる。

■TODOリストを使う上でのマインド

①個人プレータスクは、来た瞬間に処理

時間のかからないタスクはあります。冬休みの動静表、冬休みの部活動の予定表、委員会の人に報告する授業改善シート、校長に提出する目標、役割シート。

こういったものは、「入力お願いします」と指示されたその瞬間に取り掛かります。職員会で指示されたら、職員会中にやります。すぐ終わるものなので、いつやるかの優先順位を決める必要なし。サッカーでいうとボールが来た瞬間にパスする感覚で仕事をします。

いったんはTODOリストに書くものの、すぐに完了して、TODOリストにタスクが溜まらないというのも利点です。脳の容量も”空き”になります。
(翌朝のTODOリストに残しておきたくないという心理が俺を駆り立てる)

①チームプレータスクは、来た瞬間に共有

「テスト範囲表の入力をしてください。」のように同じ学年を教えている相方の先生とペアで相談するべきタスクは、当然自分1人の一存で完了させることはできません。タスク完了の工程に相談が必要だからです。

このようなチームでする仕事は、とにかく共有のスピードを上げることです。いったん自分が「テスト範囲」を入力して、すぐに「こんな感じでOKですか?」と共有します。

共有の仕方にもスピード感を求めます。入力したものを紙で印刷して、相方の先生の机の上におきます。「PC上に入力したので、お時間あるときに確認お願いします。」はNG。

相方の先生はそのファイルがあるところにアクセスすることがめんどくさいため、仕事のスピード感は出にくいです。

相方の先生も僕の渡した紙を手元から処分したいので、すぐにテスト範囲表の確認作業を行ってくれます。

クオリティーより、スピードが、相方の先生は嬉しいのです。

①好・円・楽な仕事からやる

”こうえんらく”な仕事は気分的に捗ります。

好・円・楽とは 好き、円滑にすすむ、楽な作業の頭文字をとった言葉で、このような仕事は着手するのに心理的ハードルが高くありません。

作業を5分以上続けることができれば、ノッてくるので、仕事がどんどん捗ります。やる気は脳の”側坐核”でつくられます。側坐核が働くための条件は、5分~10分作業を続けることです。

やりはじめる ことが一番難しいので、差し迫った have to の仕事がない場合は、好・円・楽な仕事から始めるのがよいと思います。

①アイスピック法で、リストに記入する

時間のかかる作業で、自分がそこまで好きではない仕事はなかなか始めることができません。

これを解消するTODOリストの技が、アイスピック法です。
氷山という大きなタスクをアイスピックを使って、分解して小さな氷にしていくイメージです。

氷山のような大きな氷を溶かす(時間のかかるタスクを完了させる)のは、やり始めるのにエネルギーがいりますが、小さく分解した氷なら、心理的に「すぐに始めよう」と思うことができます。

例えば、TODOリストに「道徳所見」とだけ書くと、「36人分書くのか・・・」と仕事をはじめるのが、億劫になります。やりたくないので、やりはじめることができないのです。
そこで、道徳所見のタスクを細かく分解し、ハードルを下げて「道徳所見を5人書く」と記載するのです。

これなら仕事に着手しようという気持ちが湧き出ます。達成できたら、タスクを黒ペンで塗りつぶせるので快感です。

アイスピック法を使うと、実際に仕事がすすんでいる物理面と、作業にノってくる心理面の両方を獲得することができます。

時間のかかる大変な仕事をTODOリストに書くとき、アイスピックを使って「好・円・楽」な仕事にしちゃいましょう。

■事務処理能力も教員の重要スキル

教員としての日々を振り返りながら、TODOリストの効率性について語りました。仕事の捗りを感じながら、同僚や生徒とのコミュニケーションも大切にし、共有とスピード感を大事にすることが、充実した教育者の生活を築く一翼を担っていると思っています。


この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?