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アナログレコードのある生活①

僕とvinyl(ヴァイナル)との出逢いは小学生の頃だっただろうか。

vinylとは日本で言うところのレコードのことである。

ウチにもとても簡単にレコードが聴けるターンテーブルがあった。

ウチにあったレコードはなぜか日本の民謡集のようなレコードで、おそらく父が買ったものではないか。

僕が小さい時はマンガ雑誌を買うとたまにソノシートが付録として付いてくることがあった。

ソノシートとは本物のレコードがすごく薄くぺらぺらになったようなもので、それでもプレーヤーで再生すると、アニメの歌や主人公の声などが収録されているもので、レコードよりも気軽に子どもにも取り扱えるようなものだった。

中には昔ばなしや勉強の仕方だとかが入っているものもあった。

それに比べると、レコードは高級な感じで、下手をすると傷が付いてしまうこともあるので、不安であまり取り扱いたくなくて、レコードを再生したものをカセットテープで録音して、そのカセットテープならば安心して繰り返し聴くことが出来た。

小学生の時によく遊んでいた友達の家には、アニメの主題歌を集めたLPレコードが何枚もあって、レコードを手軽に聴ける、かなり立派なオーディオもあって、それはとてもうらやましかった。

あのオーディオは今も残っていたならば、おそらく相当の価値があるのではないだろうか。

そして、僕が中学生の頃にはだんだん新しい音楽のメディアとして、CDというものが出始めた。

そのCDは何回聴いてもカセットテープのようにすり切れることもないし、レコードのように傷がつきやすくもないと聞いて、なんて便利な物が出てきたんだろうと思った。

しかし、それまでに発売されていたのはレコードだったので、少しずつ少しずつCD化されていった。

けれども、なかなかCD化されないレコードもあったので、レコードとしては敷居が高くて聴けないが、一応持っておいて、機会があれば聴きたいと思うレコードもあった。

それで、そういうレコードは近所に小さなCD・レコードショップがあったので、そこで中古で買ったレコードが何枚かあった。

例えばドアーズ、ザ・フー、イエス、ジャニス・ジョプリンなどを買った覚えがある。

そして、高校に合格できた時、自分のそれまでの貯金を合わせて、ステレオコンポを買ってもらった。そこにレコードプレーヤーが付いていたのだが、僕はほとんどそれは使わないで、CDとカセットテープばかりを聴いていた。

やはりレコードを傷つけるのが不安だったからである。

最初に買ったCDはおそらく佐野元春さんの『Cafe Bohemia』ではないだろうか。

次に買ったのが多分尾崎豊の『回帰線』だったと思う。

今みたいにサブスクリプションで、月々いくらか払えば、登録してある音楽については聴き放題というようなシステムはなかったので、1枚のCDやカセットテープを繰り返し、繰り返し聴いていた。

また、1枚3千円前後するCDをそう簡単には買えなかったので、自分が買えない物については友達にカセットテープに録音してもらって、それを繰り返し聴いていた。

その典型的な例がビートルズで、高1の時に所属していた柔道部の同級生が大のビートルズファンで、持っているレコードをすべてカセットテープに録音してくれて、僕にくれたので、僕はほとんどのビートルズのアルバムを高校時代に聴くことが出来た。

また、その頃はだんだんとアナログレコードを聴く人は減ってゆき、CDを聴く人が増えてきた。

と思っていた。でも一部にはずっとアナログレコードにこだわって、レコードを聴く人が一定の数、いたのだ。

それを僕はそれから何十年か後に知ることになる。

話は逸れたが、高校の頃に買ったCDはおそらく、佐野元春さんと尾崎豊が中心で、他には戸川純のCDも買った。

限られたお小遣いの中ではそれだけで精一杯だった。

そして、大学生になり、僕は東京の多摩地方にある大学に通うことになったので、一人暮らしを始めた。

そして、高校で買ったステレオコンポを東京に持っていった。

しかし、そこでもほとんどレコードプレーヤーを使うことはなく、CDばかり買っていた。

大学で同じクラスになった、北海道出身で背が高い、おしゃれで、そこそこイケメンの男の子が大学から近いアパートに住んでいたのだが、ものすごい数のレコード、CD、カセットテープを持っていた。

彼に勧められたのが、パール兄弟やハルメンズ、ゲルニカ、筋肉少女帯などで、全部彼が持っているレコードをカセットテープにダビングしてもらって聴いていた。

彼は邦楽から洋楽まで幅広く聴いていて、バンドのボーカルもやっているみたいだった。

僕も音楽にもかなり興味はあったのだが、当時はそちらの方は積極的にやる時間もなく、どちらかと言えば、本の世界に入っていき、たちまちウチのアパートは本だらけになった。

そして、僕が就職して、しばらくすると今度はMDという音楽メディアが出来てきて、一説ではこれが今後主流になると言われていたのだが、不思議に僕はMDはあまり好きではなかった。

カセットテープのように気軽に扱えて、音質もよいのだけれども、なんかチープな感じがして、なぜかそれほど好きではなかった。

大学を卒業して、就職すると、職場の近くにCDショップがあったので、よく仲の良い先輩と行って、よさげなCDを結構買うようになった。

大学の時に一番好きで、就職してからしばらく好きだったバンドは、なんと言ってもユニコーンだった。レピッシュも好きだった。

これは当時始まった、「三宅裕司のいかすバンド天国」(通称イカ天)という番組の影響で、バンドブームだったこともあって、そこに出てきたバンドはだいたい好きだった。

つづく

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