文学フリマ大阪11参加レポとミステリジャンルについて②
ウチのブースのレポに関しては①にまとめました。
以下は、ミステリのブースで参加することについての記事です。
ミステリのブース減少について
今回は、某日本一有名なミステリサークル(研究会)さんの隣でした。
こう、ジャンル最大手やプロ作家の横に配置されることの多いサークルです……。まあ、それも仕方ないことですね。
だって、ウチ含めて9サークル……二桁もないとか……_(:3 」∠)_
おそらく、ミステリというジャンル自体は衰退している訳ではないので、他のジャンルで参加する方が増えたか、イベント参加するミステリの書き手が少なくなったかのどちらかなんでしょうね。
一つ目は、特殊設定×ミステリが増えたため、探偵行為や推理以外の要素がウリのミステリとなってくると、そちらのジャンルでブースとるほうが分かりやすい(売れやすい)となってくる。
例えば、異世界×ミステリだと、ファンタジーでブースとる方が、読み手から求められるものに沿っているでしょうし。(ミステリの読み手が異世界求めてるパターンよりは多いと思われる)
ウチも、メインのシリーズが「近代文学をミステリのロジックで解き明かす」という、特殊×ミステリの一種なので、近代文学に沿うジャンルでブースとった方が、見つけてもらいやすいんだろうなとは思います。
でも、ミステリで参加したいんですよ……!
普通に近代文学の知識だけが目当てなら、専門の研究者の論文を探してもらったほうが遥かに有益なので。
証拠を集めて、推論を立てて、解を導く、という、その行為の方に重きを置いているので、ミステリで参加しているんです。
人によっては、「これはミステリではない」と言われることもあるかも知れませんけど、ミステリの器はそんな狭いものではないと、私は思っているので。
もう一つは、ミステリの書き手さんが、あまりイベント参加していないんじゃないかなぁと。
イベントに参加するというのは、生身の自分が手売りで作品を販売することになるので、作品を受け入れていただいた時はそれはもう他では味わえない嬉しさがあるのですが、ダメージも直撃するんですよね。
たとえば、批判されたとき、売れなかったとき、なんかがそのダメージ例なんですが、ミステリは割と被ダメージ高めのジャンルであるからかも、と。
先述したように、「これはミステリじゃない」「本格じゃないとだめ」という批判が必ず付きまといます。批判する側からしたら粗を探しやすい、攻撃しやすいジャンルでもある。ネットでも言われるのは言われるでしょうが、生身の本人が直接言われるのは、イベント参加経験がない人からしたら恐怖でしかないでしょう。
そして、ミステリとカテゴライズした作品を出して、ミステリで参加して、ブースの前をミステリ好きの人が歩いていて隣で本を買っているのに、自分だけが一冊も売れなかったら? という恐怖もあるでしょう。
あらゆる言い訳が効かないのが生身でのイベント参加です。
上記のようなリスクが容易に想像できてしまうので、ネットでミステリ小説をあげている人でも、イベント参加を尻込みしてしまう気持ちもわかります。
そのリスクと手間と時間とお金を使って得られるものは、正直少ないです。ほとんどメリット(うま味)がない。
それはそう。ほんとにそう。
ただ、私が言いたいのは、そういうの、ほとんど杞憂です!
無責任なことを言いますが、やってみると、案外楽しいものですよ。
私自身がそういう経験(攻撃を受けたり)をしたことが無いというのもありますが、怖がらずにもっと気軽にミステリ書いてミステリでブースとってほしい。
裏で何言われてるかわからないのは、ネットでもイベントでも同じですし、ミステリに限らず、何かを生み出して発表するという段階で、必ず何かしらのリスクは伴います。
でも、ミステリブースで参加していると、ミステリ好きの買い手さんに読んでもらえます。
無差別に誰でもいいから読んで! って人は知らんけど、そうでないなら、できれば同好の士に読んで欲しい訳です。
ミステリには、ある種の暗黙の了解というかルールが存在します。
例えば、「こんな違法建築はリアルじゃない」「こんな些細なことで人殺すか普通w」「女の力でそれは無理なんじゃないの?」などの、ツッコむと野暮なことがらです。
そういうのって、ミステリを知り尽くしていらっしゃる方こそ寛容です。
ミステリの器の大きさは、古今東西沢山読んだり、長くミステリを書いたりしている方こそ知っておられるから、後出の作家のチャレンジを潰すようなことは仰らない。(アドバイスを望んだ場合は別として)
万が一、傷つく言葉をかけられたら、そっちがおかしいので放っておけばよいのです。
あと、ミステリで参加すれば、もれなく隣のサークルさんがミステリ好きな人です。交流できたら楽しいですよ。(人によっては売るのに専念したい方もいるので、話しかけていいかは相手によりますが)
書き手さんでもあるから、お話しているだけで勉強にもなります。
アフターなどでミステリの話で盛り上がれるのも、イベント参加の楽しみのひとつになります。
そして、長く参加していると、ミステリ好きの読み手さんから感想をいただくことがある。手紙だったり、口頭だったり、直接体験として残る形で。
刺さってほしい人に刺さった時の喜びは、誰でもいいから読んで! では味わえないです。(ネットでもタグとか付けることはできますけど)
もちろん、ミステリ好きという訳ではない方に読んでもらって、「ミステリを好きになりました!」「こんなミステリもあるんですね!」と言ってもらうのも嬉しいです。
これらは、イベント参加だけの特権的メリットではないかもしれないですが、私が参加して得られた体験なので、参加を検討するにあたって、一例として参考にしていただければいいなと思います。
もう一度書きますが、ミステリでイベント参加するのは、メリットは少ないです。
でも、それを補って余りあるほどのものはあります。
なので、ミステリでイベント参加してみたいとお考えの方がおられましたら、一度勇気をだして参加してみて下さい。
私のようなものでも楽しくやっているよ、とお伝えしておきます。
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