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冬仕事 見学回る 酒蔵で 楽しみ試飲 旨味味わい  

「歴史の説明は初めての人もいるから当然だな。よし終わったぞ、ふむ、そうだった。最初は外で建物や杉玉の説明だ」
独り言をつぶやきながら、冬に仕込みが行われる酒蔵見学の現場に来ている。日本酒は外国人にはライスワインと評判が良いが、日本ではどんどん日本酒の酒蔵が消滅していた。それでも今目の前にある酒蔵は旨い酒を出すと評判のために健在だ。

いよいよ普段は入れないエリアに入った。酒造りの行程だ。今までいろんな酒蔵に来ているからおおよそ何をしているのかがわかる。わかるが見ているだけで日本酒が欲しくなった。ああ違う、アルコール依存症というわけではなくて、酒蔵にいるときだけということで。

「仕込んでいる様子を覗くぞ、泡が出ている。そうなんだ。これでアルコールができる。アルコールだけならあれだけど、美味しいのだからな。チューハイを飲むと肩のあたりが痛くなるけど日本酒ならならないのが良い。まあワインやビールもそうだけど」説明を聞きながら、心の中で持論を展開する。

「あ、いよいよ、試飲コーナーだ」途端にテンションが上がった。4種類もあるようだから順番にいただこうと気合が入る。欲を言えば、もうひとサイズ大きなコップだったらと思うが、まあ味見だから仕方がない。

小さな器になみなみと継いだ日本酒を口に含む。口に含む前にもかすかな米と吟醸の香りを感じたが、口に含むとそれが一斉に広がった。そのまま飲み込む。喉ごしに感じる熱いような感覚で、日本酒少し暖かくなった。同時に舌が日本酒の味覚の余韻を伝えてくれる。
「やっぱりうまい、お土産もあるけど買って帰ろう」こうして今回も同じ事を考えるのだ。

「ふぁあああああ!」突然の大あくび。目が覚めた。酒蔵見学の事は去年行った時の記憶が残った夢だったのだ。
「だが、今日が1年ぶりの酒蔵見学の日だ。今から出かけてうまい酒を飲むぞ!」と勢いよく布団を出ると、思わず短歌が口から滑り出す。

冬仕事 見学回る 酒蔵で 楽しみ試飲 旨味味わい  
(ふゆしごと けんがくまわる さかぐらで たのしみしいん うまみあじわい)

今日の記事「河内長野の天野酒酒蔵見学会」を参考にしました。

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