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マインドフルネスと心の筋肉

マインドフルネスの瞑想は、心の筋肉を鍛える実践です。

心の筋肉は、心をコントロールする働きを担っています。

心がブレても平常心に戻す。
心を統合する。
「今ここ」に心を保つ。
気持ちを切り替える。
感情に流されない。
人に振り回されない。
他人に影響されない。
モチベーションを維持する。
自分を受け入れる
など・・・

これらは心の筋肉の働きによってコントロールされます。

例えば、心の筋肉が弱いと「今ここ」に心を保つことが出来ないため、「今ここ」と関係のない過去や未来に関する思考や妄想が、自分の意思とは無関係に浮かびます。

その思考や妄想はたいてい不安や焦り、恐れや後悔です。

「今ここ」に心がありませんから、目の前のことに集中することも難しくなります。それは仕事や勉強のパフォーマンスを低下させることを意味します。


基本的に私たちの心は意思とは関係なく動くため、改めて自分自身で心をコントロールしなければいけません。

心は放置すると悪い方向へ向かうような仕組みになっています。

つまり心を自分でコントロール出来ないと

「不安」「恐れ」「イライラ」「焦り」「後悔」「自己嫌悪」「妬み」「恨み」「自責」「欲望」などが生じて振り回されることになります。囚われやすくもなるでしょう。

心の状態がこれでは正しい選択や決断は出来ません。心の安定や平穏、幸福とはほど遠い状態。人にも優しく出来ません。

また「不安」「恐れ」「イライラ」「焦り」「後悔」「自己嫌悪」「妬み」「恨み」「自責」「欲望」の囚われは、身体にも影響があります。

「緊張」「痛み」「だるさ」「不快感」「痒み」「しびれ」「冷え」「動悸」「ほてり」「不眠」「姿勢不良」「運動能力の低下」「五感覚の低下」「抑うつ」「肥満」といった形で身体に表れるのです。

このような状態が続けば、うつ病を発症することになります。

そこまで行かなくても毎日が辛いはずです。

元気なく発する雰囲気もどんよりしたものになり、仕事や人間関係にも支障が出てきます。

また心の筋肉が弱い人は、自動的に頭に浮かぶ思考やそれに付随する感情や気分をコントロールできないので、思い付きで行動したり、思ったことをすぐに口に出す傾向にあります。

その場で何が起きているのか?を無視した行動で、いわゆる「空気が読めない」というやつです。「空気が読めない」は仕事や人間関係ではマイナスでしかありません。

ここまでの話で心の筋肉を鍛える重要性を理解してもらえたでしょうか?

ちなみにADHDを抱える人が心の筋肉を鍛えると、ADHDの症状が減少、または消失します。これは本当。

注意散漫も心の筋肉が弱いから起きるのです。


心の筋肉は放置しているとどんどん弱くなります。

身体と同じです。運動しないと筋肉が細くなり、無駄な体脂肪も増え、肉体の機能が衰えてきます。

心の筋肉を保つためには「意識的」に心の筋肉を使ったり、心の筋肉を鍛えないといけません。

一般的に歳を重ねるほど悩みや人間関係のトラブルが増えるのですが、その原因は心の筋肉が衰えたことです。

身体は歳を重ねるほど筋肉量が減少します。筋肉量が減少すると動くのがしんどくなり、活動量が低下します。

活動量が低下すると筋肉量はさらに減少するという悪循環に陥ります。そして最後は自分の身体を支えることが出来ずに寝たきりになります。

心もまったく同じです。

何もしなければ歳を重ねるほど心の筋肉はどんどん痩せ細り、ネガティブな思考や感情が生じやすくなり、囚われやすくなります。

以前、キレやすい老人が増えていると話題になりましたが、あれは典型的な心の筋肉の衰えが原因です。

心をコントロールすることができないからちょっとしたことでもキレるのです。感情や気分に振り回されるのです。囚われるのです。

歳を重ねることを受け入れることが出来ないのも、心の筋肉を鍛えてこなかったことが原因です。

実年齢が50歳なのに「30歳の頃に戻りたい」「年老いていくのは嫌」という思いがあったり、若い人に嫉妬してしまうのはしんどいだけです。

年相応に心の筋肉が鍛えられていればこんなことにはなりません。自分の年齢を受け入れ価値観を変化させて、豊かに過ごすことが出来るはずです。

また心の筋肉の衰えは認知症という形で表れることもあります。


最初にお伝えしたように、心の筋肉が衰えると「不安」「恐れ」「イライラ」「焦り」「後悔」「自己嫌悪」「妬み」「恨み」「自責」「欲望」が生じやすくなり、振り回されて、囚われやすくなります。

そして「緊張」「痛み」「だるさ」「不快感」「痒み」「しびれ」「冷え」「動悸」「ほてり」「不眠」「姿勢不良」「運動能力の低下」「五感覚の低下」「抑うつ」「肥満」といった形で身体にも表れます。

次のようなことに当てはまる人は、心の筋肉が衰えている可能性が大です。

ストレスに弱くなった感じがある。
以前より弱気になった。
抑うつ気分になりやすい。
他人の言うことが気になる。
人の目が気になる。
だるい、やる気が出ない。
ネガティブ思考が浮かびやすくなった。
動くのがおっくうだ。
怒りっぽくなった。
感情をコントロールできない。


これをクリアにするためには、心の筋肉を鍛えるマインドフルネスの瞑想や実践に取り組むことです。

なぜマインドフルネスなのか?

それはマインドフルネスはその実践課程において、心の筋肉を鍛えるプログラムが確立されているからです。非常に科学的。

マインドフルネス以外の方法でも、心の筋肉を鍛えることはもちろん可能ですが、マインドフルネスが最も効果的に心の筋肉を鍛えることが出来ます。

その具体的な方法は「自分の心の動きに気づき、否定せずにありのままに観察する」こと。

簡単に言えば、「自分の心と向き合う」「身体の声を聴く」「自分を観る」ことです。

特に「今ここ」での心の動きです。

巷で広がっているマインドフルネスや瞑想は「リラックス」「現実逃避」「ストレス解消」「心を落ち着かせる」などが目的です。

そんな「瞑想もどき」に取り組んでも、一時的に心が楽になるかもしれませんが、心の筋肉が強化されることはありません。

いくらストレッチをしても筋トレをしない限り、筋肥大しないのと同じです。

現実逃避を続けることで、逆に心の筋肉は弱くなっていきます。ますます現実と向き合うことが出来なくなり、悩みや問題が悪化するでしょう。

筋トレと同じように、心の筋肉を鍛えるマインドフルネスの瞑想や実践を続けるのは、楽ではありません。

本気でやらないと意味がないからです。

多くの人にとってわざわざ時間を取って実践するのはめんどくさいし、継続は辛さを伴うことがあるかもしれません。

「そこまでしてマインドフルネスに取り組みたくない」と思う人はそれでいいのです。辛いことやめんどくさいことをする必要はありません。

しかし悩みや問題を解決したり、自分を変えたいと思うのであれば実践することをお勧めします。

必要なのは「あなたはそのままでいい」などの耳障りの良い言葉ではなく、現実的な実践です。

心の筋肉をトレーニングしてください。確実にあなたは変わります。


プロフィール
西山 純一 
大阪マインドフルネス研究所
https://www.mindfulness-lab.com/

メンタルトレーナーとして多くのプロアスリートや経営者、アーティスト、医療従事者、教師や心理士、学生やビジネスマンなど幅広い人にマインドフルネスをベースとしたマインドの使い方やメンタルコントロール、食事改善や運動、ダイエットを指導。

指導歴は18年 1000人を優に超える人達に指導してきた。

20代前半でアメリカのパーソナルトレーナー資格を取得して、大手フィットネスクラブや関西のスポーツ強豪大学や高校でスポーツトレーナーとして活動。

同時期に大学で心理学の単位を取り、心理カウンセラーとしての訓練も受ける。専門僧堂や禅寺でも禅や瞑想を学び実践する。

プロアスリートや年商数十億円を超える経営者をクライアントに持ち、うつ病を始めとする精神疾患やガン患者、難病患者のカウンセリングやメンタルケアも行う。






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