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スズメとカラスの距離

私と暮らすうさぎ・ルーナは、毎日私とラジオを聴いている。
誰に似たのか、最近はニュースにつっこみを入れてくる。

ルーナいわく、

ヒトって、
効率よく、とか無駄なく、とか言うくせに、
いっちばん必要ない戦争はするんだから、
変な生き物だね。

九九は覚えているのに、
相手に命があることを忘れちゃうんだから、 
(プヒッ…鼻息の音)
ありえない生き物だね。

―――――

ヒト、という生き物は、あらゆる野生動物から嫌われている、とある研究者の先生はおっしゃる。
スズメにとって、カラスは敵ではあるけれど、警戒しつつも同じ場所で食事をする。
しかし、どの動物も、ヒトの姿を見たとたんに逃げてゆく、と。

せめて、スズメとカラスの距離くらいにはなれないだろうかと、山の中に小屋を建て、何年もかけて溶け込んだそうだ。

―――――

生き物は死に向かって歩む。
でも、その矢印の上には必ず、どの時点にも「生」がある。

誰かの矢印を折ること、命を、「生」を消すことがどれだけ大きなことなのかを、思い出したい。

食物連鎖のピラミッドに、ヒトは入れてもらえない。
誰かを叩けば、自分の手も痛い。誰かにぶつかれば、相手も痛い。

痛み、を感じたいと思う。
生き物は、痛みに敏感に反応するように、できているのだから。

2023. 11.24



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