自分の命が一番大切、という方もいれば、
〇〇の命が一番大切、という方もいらっしゃる。

よく分からないという方も、
考えたことがないという方も、

命の話をすると、涙が出てしまう方もいらっしゃると思う。


ひとりの人でも、日によって、状況によって、もちろんライフステージによっても、変わるものだと私は思う。

特に、追い込まれたときは、
自分でも考えもしなかった方向に思考がいく気がする。


普段の頭や心が（あえて分けて書かせてください）持っている考えと、
とっさのときの反応は違う。

熱湯を浴びてしまった手を、そのまま見つめている人はまずいない。
普段は「自分なんか…」と思っている人でも、とっさに水で冷やそうとするはずだ。


私は、大きく家が揺れたときに、
「これでやっと死ねるんだ」
と思ってしまう自己中極まりない人間だ。
それでも、いきなり刃物を突きつけられたらどうするだろう。
「やめて！」と願ってしまう気がしている。


命が絶える、というのは
すべての生物が必ず持っている宿命。でも同時に、
できるだけそれを先延ばししたいと動くように、組み込まれているのだと感じる。

今、死にたいと考えている方は、堂々と引き返してほしい。

宣言してしまった、約束してしまったから戻れないという方は、
「引き返せたら、自分はだれにも負けない勇気のある人間だ」
と思って引き返してほしい。
本当のことだから。


怖くなるのが当然で、
引き止めてほしいと思うのが当然で、
迷いがあるのが当然。

死にたいという気持ちは本物。
口にするのは、気を引きたいからではない。


「そんなに死にたいなら死んじゃえば？」
とか、
「そんなことまでして生きていたい？」
などと絶対に言わないでほしい。


『死なないで』
と、引き返す勇気を後押ししてほしい。

2023.9.7