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元保護犬の愛犬が亡くなった。

実家の愛犬プーちゃんが、今朝、推定16歳で亡くなった。
元保護犬で13年前に我が家に来てくれた、白いトイプードルのような女の子。


わたしはnoteをそのままの気持ちを吐き出す場として使っているので、
この記事も気持ちの整理のために書きます。

また、亡くなるまでの一部始終を記録しています。
つらい方もいらっしゃると思うので、ご自身の判断でご覧ください。





9時20分頃、痙攣して泡を吹き始めた。弟が気付いて抱きかかえた。
9時35分、弟からのLINEを見てわたしが家に到着(仕事場である徒歩5分の祖父母の家に居た)。手足をバタバタと震わせ、ガーガー、ググと音を立てて息苦しそうに白い泡を吹いている。考えるよりも先にプーちゃんの顔に手を添えて「プーちゃんしんどいね」と声を掛け続けていた。収まる気配はない。諦めている母に「電話だけでも」と言って動物病院に電話。病院に来るように言われる。
10時18分、痙攣は1時間少しも収まることはないまま、動物病院に到着。熱が42度以上で測れないほど高い。熱中症のような状態らしい。脳の病気だと短い痙攣が起こるが、1時間も続いているのはもう死が近いということだろうと言われる。痙攣を抑えるものと麻酔の2つの注射を打ってもらう。先生は様子を見て、準備していた麻酔から2割ほど残して打った。痙攣や息苦しそうな感じは収まるも「夕方までには亡くなるだろう」と言われる。
10時25分、帰ろうと駐車場の車に乗ったとき、再び息が激しくなったので急遽診察室に戻る。
10時26分、先生が残していた麻酔を打とうとする。「麻酔に耐えられなくてこれで亡くなるかもしれないよ」と言われる。「どっちにしても今日の夜までは難しい」とのことなので打ってもらう。母も病院内に戻ってくる。一瞬、落ち着いて穏やかになったかと思ったが、だんだん意識が遠のいていく感じがわかった。わたしが一番に気がつき「プーちゃん!」と声をかけて撫でた。先生は冷静なので大丈夫なのかと思ったが、呼吸で動いていたお腹が動かなくなった。
10時28分、わたしと母、病院の先生方に見守られて息を引き取った。





家に帰ってドアを開ける。

いつも「プーちゃんただいま~」って言うから、喉のここまで声が出た。

ただいまという相手がいない家の中は、しんとしていた。




さっきまで生きていたのに。

プーちゃんのごはんスペースには、母が用意したササミとレバーを水に溶いたものが入ったまま残っている。今朝はごはんが食べられなかったんよね。

ピアノの下はプーちゃんのベッド。毛布やバスタオルがこれでもかと敷いてある。プーちゃんのいびきや、もぞもぞとベッドから起き上がる音が聞こえない。家ってこんなに静かだったのか。

床にはプーちゃんが滑らないようにマットが敷き詰められている。粗相や吐いてしまうことも多いから、緊急用にそこら中にペットシートが置いてある。我が家は全部、プーちゃん仕様だ。

玄関にはプーちゃんの足を拭くウェットティッシュと散歩用ビニール袋。
冷蔵庫には母が往復1時間かけて買ってきたプーちゃん用のレバー。
壁には父が描いたプーちゃんの絵。
父と弟に報告しようとLINEを開くと家族LINEのアイコンはプーちゃん。


朝まで元気にしていたのに。

今朝はいつもよりよく歩いていた。フラフラだけどね。

プーちゃんは目がほぼ見えなくなってから、頭を撫でようとすると顔の前に手が来るのが怖くて座りこんでしまったり、わずかな撫でる力に耐えられなくて横になることが多かった。
でも今日は、頭を撫でようとすると素直に受け入れてくれた。大人しく、じっと。

わたしが朝ごはんを食べていると、机の向こう側から黒い瞳でじっとこちらを見ていた。トイレしたいとかお腹すいたとかの訴える感じではなく、でも伝えたいことがあるような感じで、穏やかにこちらを見ていた。それが2回あった。そのときちらっと、“もう亡くなるかも”という考えもよぎった。何かを教えてくれている感じだった。




ここ1年は調子が良くなかったので、帰省する度に「これで最後かも」と思って過ごしていた。

プーちゃんのベッドの横がわたしの寝床だったから、夜中にプーちゃんが息苦しそうにしているとすぐ目を覚まして、大丈夫と声を掛けていた。

心づもりする期間をくれてありがとう。



プーちゃんは森でぼろぼろになって彷徨っていたところを保健所に保護された子。保護されてからは殺処分と隣り合わせ。運が導いてくれていなければ、とっくに命を亡くしていた。

それでも偶然が重なって、推定3-4歳で我が家に来て、それから13年も生きてくれた。平均寿命よりも長い。何度も「もうだめかも」という状況になったが、その度に回復してご飯を食べていた。

最期にかかった動物病院には去年の入院などでお世話になっていた。その様子も知ってくださっているから、先生方も「ほんと丈夫な子で」「長生きしたねぇ~」と言ってくれた。

よく生きたね、プーちゃん。




プーちゃん、天国では身体が元気になって、遠くまで散歩したり、ジャンプしたり、ぬいぐるみが引きちぎれるまで振り回してね。

いっぱいごはんも食べてね。歯が良くなったら、ササミとかレバーとか、おやつのジャーキもガムも、プーちゃんの好きなものいくらでも食べれるね。たまには人間の食卓の下をうろうろして、落ちてくるごちそうを狙ってみてもいいかも。


そっちにはおばあちゃんとおじいちゃんがいるね。遊んでもらいなね。

そのうちお母さんもお父さんも、未来も弟もそっちに行くから、

またあとで、天国で会おうね。


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