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【沖縄・波照間島】また行けるだろうか、あの場所に

2021年のはじまりは、石垣島から。年末年始にかけての波照間島、石垣島、竹富島への旅。

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波照間島は、石垣島から大型船で1時間半ほど。船が出ないことも多いと聞いていたので、行けたらラッキーぐらいの気持ちでいようと計画を組んでいた。朝8:00の定期便は無事に出港し、ウトウトしているうちに波照間島に到着。

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船から降りるとき、名前を呼ばれたような気がして振り返ると、そこには知り合いがいたことにまずびっくり。その次の驚きは、民宿の方からお迎えに行きますと聞いていたのに車がなく電話にも誰も出なかったこと。港にいた人が見かねて声をかけてくれて民宿の人に連絡を入れると、どうやら予約が入っていないと。(本当は入っていた!)

それから色々あり宿のオーナーの知り合いの方が迎えにくれて、無事に泊まれることになった。怒るどころか、なんか島っぽい!とその時間を楽しんでいた。

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はじめての場所はいつもこころが踊る。これまでの経験から島は午前中の方が天気が良い気がして、まずは人気のニシ浜を自転車で目指した。波照間島は、島の中心地に集落があり高くなっていて、ニシ浜や最南端の碑がある海岸付近に行くと坂を下ることになる。つまり戻るときは上り坂だ。アップダウンが多いので借りるなら電動自転車がおすすめ。

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遠くの方に蒼い海が見えたとき、自然とゆずの「夏色」が頭の中で流れはじめる。あの坂を下ったことがある人にはきっと共感してもらえると思っていて、長い下り坂を文字通りくだっていた。でも、はやくあの場所に近づきたいからブレーキはかけないんだ。

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2020年12月の沖縄の天気は、珍しく雨が多く寒さが続いていて、しかも年末には大寒波がやってくるなんて情報がながれてくるではないか!それでも奇跡的に数時間だけ晴れ間を見せてくれて、美しい波照間ブルーを見ることができた。「仕方がないから、一瞬だけね。」そんな声が空から聞こえてきた気がする。ありがとう。本気の波照間ブルーは、きっとこんなもんじゃないよね。

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2020年はあんな一年だったから、たくさん海に癒してもらった。だから、一年を締めくくるときも沖縄の海に会いたくて会いたくて、またやってきてしまった。

光によって輝き方を変えてくる海の穏やかさに見惚れ、しばらく心を無にして過ごしてからは、また会えるってわかっているのに、少しの寂しさを感じながら次の目的地最南端の場所を目指す。分厚い雲を眺めながら、さとうきびの葉が揺れるだけの道を自転車に乗って駆けていく。ときどき登場してくるヤギの姿に何度笑顔になったことだろう。「何もない場所」といわれている場所にこそ何かがる。そんな気がして仕方ない。

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最南端の場所について思った。そういえば、ちょうどこの天気。

まるでポルトガルのロカ岬に行った時のようだった。ロカ岬はユーラシア大陸の最西端で、「ここに地終わり海始まる(Onde a terra se acaba e o mar começa)」の言葉が刻まれた碑がたっている。そういえばあの時もこんな天気だったな。暴風で寒くて耳が痛くなる天気だ。

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星空が綺麗だと聞いて訪れてみたかった波照間島。「星空に一番近い島」なんて言われているぐらいの場所だけど、どうやら満点の星はお預けになりそうだ。またこの場所に来る理由ができたな、そう思いながらどんどん天気が悪くなっていったのでこの場所を後にした。

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夜、お腹をすかせて向かったのは「味○ (みまる)」さん。お店の人はおだやかで優しい方で、丁寧に説明してくれた。緑色の餃子が有名らしく美味しいそうなお刺身と一緒に注文することに。カウンター席にはそれぞれひとり旅で来ていた女性と男性が一名ずついて、お酒を飲みながら話が盛り上がっていた。

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どうやらそのお二人と頼んだメニューが私も同じだったらしく、一緒に乾杯をした。この後どこかに行くのか、石垣島への船が出ないかもしれないけどどうしようか、など話をしながらいつの間にか他のお客さんも話に加わって盛り上がった。ひとりで旅をしていてもこういう突然の出会があるから楽しい。

だれかと一緒に食べるごはんは、より一層美味しさを増す。その土地でとれた食材をつかった美味しいごはんを頬張りながら、一日の出来事を思い出していた。

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島の人があたたかく迎えてくれたことが何より嬉しかった。宿の人じゃないのに迎えに来てくれた人も、ランチを食べた場所でも、そしてここでも。コロナで大変だけどお客さんがいるのはありがたいと、そう言ってくれた。島の人が全員そう思っているとは思わないけれど、旅が好きだからこそ大好きな場所を助けたいと願う気持ちは強くなっていった。ひとりで食べられる量はたかがしれてるけど、とにかく食べて売り上げに貢献したかった。

生き延びてほしい。また、このお店に来たいから。

きっとそんな場所がたくさんある。お世話になった場所、知り合いがやっているお店、働いていた旅館、お気に入りのお店。オンラインで購入したり、足を運び続けたり、小さなアクションだけどこの一年も自分ができることをやっていくしかないのかな。もどかしいけれど。

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悪天候のためどうやら年末あたりは船が止まりそうだと民宿の人が教えてくれた。二泊の予定を一泊に変更して石垣島本島に戻ることを決めた。コロナで営業していなかったお店もあるし、本気の波照間ブルーも星空もまだ見れていない。また戻ってこようと誓い眠りについた。

旅をすればするほど、大好きな場所や伝えたい場所、守りたい場所が増えていく。

今年もまた、行けるだろうか。あの場所に。

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本当は、2021年の抱負を書こうと思っていたのに、波照間島の思い出話になってしまった。まぁ、いっか。

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