同性愛者である少年が、母親役のニコールキッドマンに「男のことを考える」という発言をした予告に、興味を惹かれたのを思い出して見てみることに。

全体的に灰色っぽくて、重そう…思ったけれど、以外にもサクッと見れた。

感想

・少年の発するすべての言葉に説得力がある。そして演じている彼の演技もすごくいいなと思った。

・「同性愛は罪である」と考える牧師の父とその父に従う母、といういかにもな構図がいい感じに期待を裏切ってくれて救われた。

・同性愛を矯正する施設のコーチみたいな人が、結局は自分自身も同性愛者だったというところや、牧師の父が自分の評価しか気にせず息子と向き合わないところ、母もそんな父に従ってしまうところなど、客観的に見たら誰も「少年のために」と言いながら自分のことしか考えていないあたりが、人間ってどうしようもないなと思ったと同時に、それが人間なのかと思った。

・そして自分もそれぞれの立場に置かれたら、「自分を救いたかったり、自分を守りたかったり、逃げたかったりすること」を自分勝手に全く違う形の行動として、表すんだろうなと思った。

・改めて人間性や理性や道徳とかは人にはなくて、あたかもあるかのように映し出されているだけだなということを感じて、人間特有の「考える力」をうまく使うことはとてもむずかしいことだと思った。

・「Boy Erased」という題名がいいと思った。”同性愛者として生まれた男性”を必死に消そうとする様子が見られる映画だった。

おすすめ度

★★★★★