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もはや戦。スイスコンサルティングプロジェクト ~ビジネス編~

ずっと言われていたのは、私たちは「コンサルティングプロジェクトに参加している学生」ではなくて、「プロのコンサルタント」であるということ。

なぜなら、直接ではなくとも、企業はコンサルティングに対してお金を払っているから。(プロジェクトに概要はこちら)

つまり、戦。必ず成果を出さなければならない。さらにチームメイトの半分は3, 4年の就業経験があることから、当たり前のレベルも高い。そんな中でもがき続けた私が得たものとは。

次の戦に備えて、仕事といった観点における主な学び5つを書き残しておく。

学び①タイムマネジメント

一番アセアセしたのがこれ。チームでの当たり前が期日の24時間前には必ずタスクが完成していることだった。

今までは、次のミーティングが30日の午後3時からだったとすると、「次のミーティングまでに」は文字通り30日の午後3時までに終わらせておけば大丈夫だった。

しかし、このチームでの「次のミーティングまでに」は29日の午後3時までには24時間後のミーティングのための議事録をコーチやクライアントに送れるように、ということであった。

さらに驚いたのはメンバーの、タイムマネジメントの正確さ。
チームメイトは自分がどのタスクにどれだけの時間がかかるかをすでに把握してるからこそ、来週までにできることをすぐ設定でき、実際ズレが少なかった。

一方私はというと、何にどれだけかかるかがさっぱりわからず、よし!この日までに終わらせよう!と適当に設定するはいいものの、日数が足りず、結局睡眠時間を削る羽目になることが多かった。

まずは日々いかに期限と必要時間を意識して過ごせるか。ここから始める必要があった。

学び②全員がリーダー

いかにグループをチームにするか。
これは、道のりの険しい戦では必要不可欠だった。

TEAMの語源は"Together Everyone Achieve More"、「一緒に取り組むと、より多くのことを達成できる」だと言われている。

例えば、戦いで5拠点制覇する必要があるとき、1人ずつばらけてそれぞれが戦ってくるのでは、勝ち負けはその1人にかかっているため、リスクが高い。一方で、1人ずつ担当の拠点はあるとはいえ、大変な時には助け合え、高めあえるチームが出来上がっていると、リスクが減り、勝率はぐんと高まる。

では、グループがチームになるために必要なこととは。

私はいかにメンバーがリーダー視点を持つことができるかが鍵になると感じた。

グループにおいてもチームにおいてもリーダーのあり方に大差はない。全体として進むべき方向に向けて、それぞれに役割を与え、管理する。

重要なのはリーダー以外の人がいかに全体を把握できるか。他のメンバーが何をしているか分かり切っていないと、いざという時に助けたくとも助けられない。逆に他の人がどこでいつ何をしているかがわかると、必要な時に助けに行きやすいし、助けを求めやすくもなる。

このためにできることとして、「その週の一人一人のタスクをミーティングの最後にランダムに指名されたメンバーの誰かがまとめ直す時間をとる」などがあげられる。

ミーティング中は自分がすべきことだけに集中することが多いからこそ、誰がいつまでに何をすべきなのか、をメンバーの誰もが把握できるような仕組み作りをすることはグループがチームとして機能するために役立つと言える。

学び③個々人の真の"敵"の共有

今回のような難易度の高いプロジェクトでは、「〇〇を達成したい」から一歩踏み込んで、それを実現するために倒すべき敵は何なのかを明確にし、チーム全員で協力して、倒すぞ!という志が大切な気がした。

今回のプロジェクトでは、チームとしての目標はクライアント企業の課題に対し、実際に取り入れてもらえるような提案を行うこと。

しかし、この目標達成はチーム全員が心から願っているわけではない。それぞれにこのプロジェクトに参加した理由があり、モチベーションや他の活動との優先順位もバラバラ。今回チームがあまりまとまらなかったのは、この、それぞれの敵を全体で意識できてなかったからだと私は思う。

例えば、Aさんは参加しなくちゃいけないから参加しているだけで(スイスの学生にはこのプロジェクトへの参加は卒業要件の一つだった)、本当は卒論に力を入れたい、Bさんはコンサルティングに興味があり、卒業のために成績を上げる必要があるから熱心に取り組みたい、などそれぞれ置かれている状況や想いがあった。ちなみに私は多国籍のチームで働く、という体験を通して学びを将来に活かしたい、という目標があった。

となると、Aさんにとっては、卒論に力を入れるためにいかに最小の労力で最大の成果が出せるか、Bさんにとってはいかにメンバーを巻き込んでいい成績を叩き出せるかが目標になるし、私にとってはいかに積極的に携わり、一つでも多くの学びを得られるか、が勝負になる。

これをそれぞれのメンバーがわかっていると、じゃあこれはこの人に任せてみよう、これは自分で担当するけど、この人を巻き込んでいこう、とそれぞれのモチベーションをもとにそれぞれの強みを引き出すことができる。

必ずしも全員の仕事量が同じでなくてもいい。チーム全体の幸せ量が増えたらもっと必然的に一人ひとりのパフォーマンスは高まるよねって。

学び④巻き込まれ力

これはオランダ人のチームメイトが教えてくれたこと。

巻き込まれると、そのことに対する自分のコミット具合が高まる。そうすることによって、関わる人の人数も増え、学びも増える。つまりいいことしかない。

このことに気づいていなかった私は、このタスクを誰かがやらないと、となったとき、一歩下がって、まずは様子を見ることが多かった。その度にわたしやるよ!と声をあげていたのがそのオランダ人のCさん。

かといって、彼女が飛び抜けて仕事ができるのか、1人でなんでもこなすことができるのかというとそういうわけではない。

わからなくなったら周りを頼りつつ、コミュニケーションを取りつつ成果をあげていた。

つまり、ここではできるか、できないかは問題ではなく、やるかやらないか。
できなくても頼ればいい、というかむしろできなくて、周りを頼り、巻き込んでいくことで、周りとの関係性も築きつつ、やっていない状態の時と比べて貢献度を上げていく。その過程において、関わる人の数や学びの数が増えていく。

こうまとめると簡単に思えるが、「ここで戦争が始まります!誰か参加できる人〜?」と聞かれてどれだけの人が飛び込んでいけるのだろうか。

ヒトは目の前の漠然とした不安に弱い。結果として、行動しないことによって得られないものの方が大きくても、それに気づくことは難しい。

学び⑤素直さ

そこで重要になってくるのが圧倒的な素直さ。私の成長を最も妨げてるのがこやつ。

いつもわからなくても、自分のせいで相手の仕事量を増やすのは嫌だな、頑張れば何とかなるかも!と思い込み、飲み込めずにずっともぐもぐしてしまう。

しかし、できる人にとって、私にとって時間のかかるタスクはもはやタスクですらない。

ついその場で頼ることでかける迷惑ばかり気にしてしまうけれど、チームの誰かが知っていることに必要以上の時間をかけて、自分がすべきタスクの質が下がるくらいなら、その場で聞いてしまったほうが結果としてチームにとってプラスになる。

わからないことはわからないとすぐに伝える。自分でできないことは頼る。その分感謝を言葉や態度で示すべし。

Next action

以上の学びを踏まえて、すぐに行動に起こせることは何か、考えてみた。

✔️日々のタスクにかかった実際の時間を"toggle track"というツールを使って把握することで、正確な計画力を身につける。
✔️インターンのミーティングで、メモの最後に全員のメンバーのTo Do欄を作り、埋めることができるようにそれぞれの視点でミーティングに参加する。
✔️チームで動くプロジェクトでは、毎回誰かが代表して全員のTo Doをまとめる役を務めることを提案する。
✔️コミットを高めたいのであれば、とりあえずやるよっていっちゃう。その後に何ができないのか、どんなサポートが必要なのかを明確にし、周りを巻き込んでいく。
✔️15分考えて、答えが出なかったら周りに頼る。わからなかったらわからない、助けて欲しかったら助けて。

何年後かにこのnoteを読み返した自分が、何言ってんの当たり前じゃんって笑えるくらい、自分の当たり前として徹底できたらいいな。

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