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名付けを通して、親になる。


妊娠・出産を経験して気づいたことはたくさんあるけれど、その中でもまず書き残しておきたいのが子どもの名付けのこと。

これが想像以上にむずかしかった。
当たり前だけど、事前に子ども本人の希望を聞くことなんてできない。
こちらが勝手に決めなきゃいけないのだ。

妊娠が分かるまでは、「いつか子どもができたら、こんな名前がいいなあ★」なんてたまに考えていて、素敵な名前の人に出会ったらメモしたりしていた。
しかし、いざ我が子の名付けの機会に直面して、子どもの名前の参考に…と思って購入した「子どもの名付け本」なるものを見てしまったら大混乱してしまった。ずらりと並んだたくさんの名前を見ているとゲシュタルト崩壊を起こしそうになる。

その本を夫婦でパラパラとめくってはみたが、なんとなく先送りにしてしまっていた子どもの名付け。
気づけば、出産1ヶ月前まで迫ってきていた。

●わたしたちの名付け方


子どもの名付けの方法は本当にそれぞれだと思うけれど、私たちの場合は最後まで夫婦2人だけで決めることにした。

出産が近づいてきた頃、そろそろ決めねばならぬ!と焦りはじめて何回か名付け会議を開いた。

名付け本を開いてしまうと、また名付け沼にハマってしまうので、いったん本を閉じて話し合う。

どんな子に育ってほしい?
親の名前の漢字を引き継ぐ?
画数はどうだろう?
苗字とマッチするのって大事?

話し合ってみると、単純に名前の好みが分かるだけではなくて、自然と子どもに対しての想いも見えてくるから面白い。
夫は、自分が海外で働いていることもあって、外国の方でも呼びやすい響きの名前がいいとのことだった。
私はというと…正直、出産直前になってもなかなか子どもの未来のことを想像できずにいた。

今思うと、子どもの未来のことを考える余裕がなかったのだと思う。
ただただ元気で産まれてきてくれれば十分だったから。
もうそれ以外の願いは全てオプション。
頼むよ、ただただ無事に…と祈るばかりで初めての出産を目前に不安と緊張でいっぱいだった。

それでも、夫とふたりであれやこれやと話し合った。
今思うと、お腹の子に思いを馳せながら、未来のことを話し合ったその時間が私たちを少しずつ親にしてくれていたんだと思う。

そして、候補を2つまで絞って、出産。
産後に子どものお顔を眺めて最後にもう一度話し合った。
これでいいよね…?よし、決まり!と決定した瞬間、スッと肩の力が抜けたことを覚えている。

ドキドキの名前発表


2人で決めた子どもの名前。
緊張しながら家族や友達に報告していく。
それがあんなにドキドキすることだとは。
病室からLINEやメールで連絡して、反応が返ってくる時間がもどかしかった。

そして、子どもの名前を少しでも褒めてもらえるとものすごく嬉しい。
名前を呼んでくれたら嬉しい。
子どもが世界から歓迎されている気がして、こちらが幸せな気持ちになる。


子どもの名付けをしてみて気づいた。
「名前は親からの一番最初の贈り物」って本当だ。
一人ひとりの名前は、きっと誰かが想って考えてくれたもの。

人それぞれ出産や家庭の背景はバラバラだし、一概に言えることなんてひとつもないと思うけど、私たちが子どものことを想った時間は確かだと言える。

そう考えると、みんなの名前が尊く感じるようになった。
馬鹿にしていい名前なんてない。心からそう思った。

そして、子どもの名前は日が経つにつれて本人に馴染んでいって、
今はこの名前しか考えられない気がする。

いつか子どもが名前の由来を聞いてくることがあるのかな。
そんな時には、子どもを産む前に感じていたことも一緒に伝えてあげられたらいいな。

きっと子どもがこれから成長していくに連れて、いろんな期待をしてしまうと思うのだけれど、
産まれる前に思っていた「元気に産まれてくれるだけで十分」という気持ちは忘れないでいたい。
存在してくれているだけで、私にとっては十分だ。

おすすめのネームアート


いつか子どもが産まれたら頼みたいと思っていた、アーティストBoojilさんのネームアート"ONLY ONE NAME"。息子の名前でも描いてもらいました。
とっても素敵で、最高の記念になりました。

"ONLY ONE NAME"のコンセプトも素敵なので一部抜粋させてください。

名前の数だけ、人生がある。 仕上がった作品は、ひとつして同じものは存在しません。 この世界に産まれて、初めて贈られるプレゼント、それは”名前”です。名前には夢や希望が詰まっています。 “ONLY ONE NAME” 世界に一人しかいないあなたのために、 人生に寄り添う、お守りのような ネームアートを、Boojilが想いを込めて描きます。
https://www.onlyonename.art/about

出産を控えている方や、出産のお祝いにおすすめです。
(勝手に宣伝すみません…)

2022.06.10
〜まもなくお昼寝から起きるであろう息子の寝顔を横目で眺めながら〜

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