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ミッチェル
2023年7月27日 14:34
一度心を決めてしまえばすべてを遮断してしまうことは貝にとって案外たやすいことだった殻を閉じ 砂に沈む波が来て 身をさらう元いた場所に 戻るということはあるべき姿に 帰るということはなんて 心地が良いのだろうなんて 安らげるのだろう貝の姿は やがて見えなくなるいくつかの 泡だけを残して月だけがぽっかりと 海の上に静かに 浮かんでいる #詩
2021年4月6日 19:36
悲しみや寂しさは薄い層になって降り積もるそれは透明で見えないのだけど確かにそこにあってでも私たちは普段それに気づかないまま笑ったり眠ったりして過ごすいいのかなそれでいいのかな答えは出ないまま今日という名の人生を抱えただ漫然と生きる前を見て 生きる
2021年3月2日 09:47
春の風を 頬に感じながら母とふたり 川に架かる橋を渡る梅の香りが ふうわりと漂い流れる水音は 耳に心地良くただ嬉しくてただ楽しくて私たちは一緒に 歌を 口ずさむ #詩
2018年11月5日 16:02
見上げれば遠く翼広げ舞う鳥がいてそれは 飛ぶ ではなくまるで たゆたう ようで「みて」と誰に言うでもなくただ見とれていた霜月の昼
2018年9月20日 21:50
言葉なんて 偽善言葉なんて 薄情言葉なんて 上っ面言葉なんて 裏切りもの言葉なんて おためごかし蹴っ飛ばしたいぐらい憎らしいのにそれでも 抱えながら生きてゆくちっとも 信用なんかしていないのにことばなんて
2017年9月3日 18:21
口笛吹いて 空を見上げいつかの歌懐かしく大空は 無けれども確かにここにも空はありかすかに聞こえる鳥の声 遠くそれでも確かにはある青い空目の中が熱くなるのをそっとこらえぴゅうっとひと吹き #詩 見津 知恵瑠
2017年8月20日 21:38
雪の結晶のようなそんな模様がある窓に虹色の光が 反射してああ なんてなんて綺麗なのだろうとただ 嘆息して思うここから逃げ出したいと 思うのでなく自分を変えるためのチャンスなのだとその機会を与えられたのだとそう考えることにしようと窓に映る虹色の光 見つめながら #詩 見津 知恵瑠
2017年6月18日 08:07
短気 ひねくれ あまのじゃく口下手 気まぐれ あわてんぼうどんな父かと聞かれたらこんな父だと答えるけれど気づけばすべて そのまんま自分のことに 当てはまり呆気にとられて しまうのです同時に可笑しく なるのです全部引き継いでしまってるほんとに親子なんだなとそんな事実にキョウガクしひっそり苦笑するのです話せばいつもケンカして反発し合うことばかりそれでも まあ
2017年6月13日 16:14
雨の日の部屋でタオルケットにくるまってショパンをずっと聴いていた。 「ゆるやかに流れる時間」 まぶたを閉じたらそれが少し 見えた気がした。 やわらかく、前よりずっとふわりとしていた。 柔軟剤を使ったのかもしれない。 #詩 #雨の日 見津 知恵瑠
2017年5月18日 08:58
白い空 見つめ 浮かぶ雲 数えていた 露(つゆ)に濡れた 庭の緑 紅茶の湯気の 向こう側 明るい雨の歌 静かな部屋 満たす 「泣きごとは 言わないよ」 「ぼくは 負けたりなんてしない」 B.J.トーマスの 力強い歌声が 仄暗(ほのぐら)い部屋の中 やさしく照らし 湿った空気 ゆるやかに 解(ほど)け出す******
2017年5月14日 22:39
微笑み励まし寄り添い叱咤日だまりのようにほがらかで風のように爽やかでいつも元気をくれる人いつも味方をしてくれる人「死ぬ気でやれば 何でもできる」「受けた仕事に 責任を持て」当たり前にシンプルなそんな教えを語る人背中でそっと見せる人あなたの娘で良かったと親子でほんとに良かったと生まれた時から変わりなく思い続けて早幾年いつまで一緒に過ごせるかそれは神のみ
2017年5月11日 10:44
ほんとうの詩が詠みたい青空を見上げる午前10時泣きたくなるよな心模様散弾銃で吹き飛ばし散った破片を寄せ集め真綿で優しく包むよな心にそっと寄り添って胸がすっと梳くような静かで熱くて矢のような自分で書けたらいいのにとおいてけぼりと名乗るにはあまりにほんとのこと過ぎて線路沿いの街並みと高層ビルの向こう側ガタゴト電車の行くホーム #詩 #詩作 #おいてけぼ
2017年4月6日 00:17
心の中に 飼ってるものが頭をもたげて 起き上がるそれは起きてはいけないものでそれは寝てなきゃならないものでなのに時々ふと起き出して暴れ出そうとするのですどうにも手なづけられないのですどうかまむしは起きないように眠ったままでありますようにとんとんとん、と胸叩くとんとんとん、と眉間を叩くもう二度とまむしが目覚めないように #詩 #まむしは眠ってる 見津知恵瑠
2017年2月14日 23:17
何のために書くのかともしも理由を聞かれたらわたしは何と答えるだろうあなたは何と答えるだろうそれは遺すためではなくて届けるためとたぶんわたしは答えるだろう届くことは 瞬間だから瞬間は 永遠だから永遠は 解放だから解放は 救済だから何のために書くのかともしも理由を聞かれたら #詩 見津知恵瑠