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潮騒 海女の恋心

”夏に伊勢に行ってアワビを食べる”と言う話を1月の小寒の頃に聞く。真冬の曇天の空に、真夏の強烈な日差しが差し込んで、波飛沫が泡を立ててほと走る景色が目に浮かんだ。夏が恋しいとさえ思う。今年の夏の旅に胸がワクワクする。

波飛沫、アワビ、海女…と言って思い出した映画がある。海女さんがアワビ採りを競っていたシーンがあったはず…

『潮騒』1975年制作日本映画。三島由紀夫の同名小説が原作。西河 克己監督。山口百恵&三浦友和主演。吉永小百合主演で撮影された同名映画のリメイク版。同監督によるリメイクで山口&三浦の共演作品としては『伊豆の踊り子』『絶唱』『春琴抄』などがある。三重県鳥羽市にある鳥羽港より北東14kmにある神島を舞台に描かれた純愛成就の物語。

デビューの1973年から三浦友和さんと結婚引退される1980年まで、歌にドラマに映画にと大活躍されていた山口百恵さん。今でも彼女の歌を口ずさむ程、子供の頃から大好きだった山口百恵さん。

純粋で、ひたむきで、清潔感に溢れた山口百恵さんと三浦友和さんとのゴールデンコンビ。凄く応援したくなるお2人だからこそ数々の名作が生み出されたんだと思う。

そんなお2人が出演された映画の中の一本がこの『潮騒』。神が宿るとされる神聖な島で、恋に落ちる初々しい若者2人。あらぬ噂に引き裂かれようと、心を通わせ、自分のなすべきことを果たしながら、やがてみんなから応援を受けて結ばれる。

村1番の大きな舟元の娘で海女役の百恵さん。とにかく毅然として清涼感があって、しかも可愛い。歌っておられる挿入歌も爽やかで耳ざわりがいい。

貧乏だけど勇気があって義理堅い青年役の友和さん。とにかく初々しい青年。程よく筋肉をまとったふんどし姿がちっとも、いやらしくなくて正義感さえ感じる。

友和さんの母役は初井言栄さん。とても気が強い海女さんで、未亡人。息子の強い味方で、百恵さんの父の元に怒鳴り込むシーンは何度見ても涙がでる。

友和さんの恩師役は有島一郎さん。灯台守をする人格者。柔らかいけど、じんわり諭すいい味わい。

友和さんの働く船の親方役に花沢徳衛さん。よく働き誠実な友和さんの良き理解者。豪快な笑顔で陰鬱になった友和さんを激励している。

クズなやさ男の恋仇役に中島久之さん。百恵さんドラマに同様の役柄でよく出演されていた。今から考えると汚れ役ばかりを、繰り返し演じておられたことに感心してしまう。お疲れ様でした。

吉永小百合さんバージョンも併せて拝見してみたけれど、島や島の人々の暮らしが良く映されているのが吉永小百合さんバージョン。

山口百恵さんバージョンは脇キャラもキャラ立ちさせてあるので、更に分かりやすく、主役2人の露出度も高く、百恵さん友和さんのゴールデンコンビファンを満足させるものとなっている。 

嵐の夜に待ち合わせた2人が、突発的に、はだかで向かい合い、焚き火を飛び越えて抱き合うシーンが有名で印象深いけれど、目先の欲望より、けじめを優先して、2人の未来を約束する純粋さに気高さを感じた。

婚活中の私。次にする恋は、この2人のように心を通わせたなら、周りから応援される恋がしたいな。

もし、夏に海に行くことになったら…海に呼んで頂けたことに感謝して。海の神様、綿津見命わたつみのみこと様に手を合わせたい。映画の中の2人のように。そして、誰かと2人で手を合わせられたなら最高かも…。 












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