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カワイイは人間関係を丸くする


ある日のこと、私の隣の席の女性から突然声をかけられた。

「わ、それ可愛いですね」

彼女が反応していたのは私が持っていたタオルハンカチ。

「でしょ、でしょ。初めて見た時はこんな可愛い生き物がこの世に存在するんだってことに驚きましたっ!」

シマエナガさん。白くて丸いフォルムの鳥。まるでぬいぐるみみたいなその完璧な可愛さに、最初はつくりものかと思ったけど、実在する鳥類だった。私が持っていたのはそのシマエナガさんがデザインされたタオルハンカチだ。

「わぁ、それわかります。私も、ほら」

と彼女が広げた手のひらの上にはシマエナガさんをモチーフにしたクリップ(ピンチ)のセットが。

「えー、何それ可愛いっ」

「ね、ね。これ机に飾って癒されようと思って」

「わー、私も癒されさたい」

「一緒に癒されましょう!」

元々彼女の机の片隅には“可愛いものコーナー”があり、そこには多肉植物やブタのぷにぷにしたマスコットや、羊が寝転んだメモクリップや猫ちゃんがデザインされた木製のピンチやポプリの小瓶や、小っちゃくて可愛いものが沢山置かれている。コーナーは私の座る側にあるので自然と目に入る。私もそこを見ては癒されている。

かくゆう私の机上にも可愛いものが鎮座している。言うまでもなくミッフィーちゃんグッズ。私は仕事場にあってもおかしくないミッフィーを厳選している。卓上カレンダー、メモクリップ、クリアファイル、ペーパーウエイト、木製ピンチ、ボールペン、メモパッド、マスキングテープ‥文房具だけじゃなくお弁当箱やお弁当袋も実はミッフィー。どうせ使うなら、そしてミッフィーがデザインされた物があるなら、それを使いたい。
私は今自分の持ち物をミッフィーグッズへと替えている途中。まだ使える物を捨ててまで替えたりしない。壊れたり古くなって使えなくなったり、そろそろ替え時かなと思える物がある時、ミッフィーがデザインされた物があるならそれに替えようと思っている。もちろんミッフィー以外で可愛い物が見つかったらそれはそれでアリ。ただ一つ自分に誓っているのは、キャラクターグッズはミッフィー以外は買うまい、と。
ミッフィー以外にも世の中には可愛らしい物、可愛いキャラクターはわんさか溢れている。古参のキティーちゃんやスヌーピー、ムーミン、最近だとちいかわとか。思わず「可愛いっ」って、いるだけで癒されること間違いなしな子たちがわんさかいる。今までは可愛いと思ったらミッフィーじゃなくても買っていた。でもあれもこれも、いろいろグチャグチャ身の周りに置くのはあまりに節操がない気がし始めた。だから、いわゆる名前のついたキャラクターのグッズを買うのはミッフィーだけと決めた。もちろんキャラクター以外、例えばお花柄だとか水玉模様なんてのも私の“カワイイ”の範疇だからそういうのは買って良し。前述のシマエナガさんもOK。これが“シマエナガの〇〇ちゃん”みたいなキャラクターになると買うのを控えるという塩梅。そんな緩いルールを自分に課している。

でもそのおかげで、みとんさんといえばミッフィー、ミッフィーといえばみとんさん、くらいに私のミッフィー好きはかなり浸透してきた。机上のミッフィーグッズの多くは同僚からのいただき物だし、まだ私の知らないミッフィー情報をくれる同僚もいる。こんなのありましたよ、こんなの出ますよーって教えてくれる。同じくミッフィー好きな同僚とは互いに最近ゲットしたグッズを見せ合ってはしゃいでいる。だってどれもこれも可愛いから。

私は“可愛い”を見逃さない。誰かが持ってるマグカップ、誰かのお弁当袋、誰かの付箋‥可愛いは職場に溢れている。
「わ、それ可愛いですねっ」
て思わず声をかけてしまうとそこから会話が始まる。一度声をかけると、逆に今度は声をかけてもらえる。

「それ可愛いですね」

「それ美味しそうですね」

「そんなの何処に売ってるんですか」

「私も買いに行こうかな」

そんな風に、可愛いや美味しいでどんどん話が繋がって、和やかな空気で包まれる。好きな物を褒められたり欲しいと言ってもらえたり、それはこの上なく嬉しいことだから。誰かの持ってる可愛い物や美味しそうな物が何処で売られているかは持っている本人に聞けば間違いないのだから。

だから私は常に“可愛い”を見逃さないようにビンビンにアンテナを立てている。

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