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ふり返りはストーリーで

「上手くいったのは、あなたのおかげです!」
と言われたことは、ありますか?

言われるととても嬉しい気持ちになるし
自信になりますよね。


でも、少し立ち止まって考えてみてほしいんです。


その挑戦や行動は、
誰が自信をもつために行ったのですか?


答えが「あなた」であるならば「あなたのおかげです!」は有り難く受け取っておきましょう。

目的通り、あなたの自信になったはずです。


でももし答えが「行動した本人」なのだとしたら。

行動した人自身に自信をもってもらうことを目的としていたのだとしたら。

「あなたのおかげ」に
喜んでいる場合ではありません。



よく出会う「私の力じゃない」

私は仕事柄、どうしていいか分からず困っている人とたくさんお話をします。

様々なタイプの方がいらっしゃるのですが
その中でも圧倒的に多いのが
"怖くて、不安で、動けない人"。


要するに、頭の中でずーっと考えて、
解消に向けて動いていない人です。


でも実際には、少しずつ事態が動いているケースも多々あります。


注目したいのは困っている本人の
「私は何もできない」「何もしていない」
という実感です。


本当に何も事態が動いていないのなら「何もできない」実感は分からなくもない。

でも、事態が動いていても感じている「何もできない」

いわゆる"自己肯定感が低い"という状態。


こういうケースに対して
「自己肯定感が低いから、自信がもてないみたい」
「本当はちゃんと動いてるのにね~」
では、分析が大雑把すぎる気がします。


この場合の「何もできない」は要するに
事態は動いていても「私の力じゃない」


事態を動かしているのは他の人で
「私の力で動いているわけではない」
だから「"私は"何もできない」なのです。




「私の力じゃない」理由

事態が動いていても「私の力じゃない」というケースには、大きく2つの特徴があるなと感じています。

❶先回り

1つめは、周囲の人がすべて先回りしてしまうパターンです。

・話しにくそうだから、代わりに話す
・嫌そうだから、代わりにやっておく
・分からなそうだから、代わりに調べる
・難しそうだから、代わりに済ませておく


「難し"そう"」の時点で周囲が判断をしてしまい、本人から「この部分を手伝って」と意思表示があったわけでもないのに、代わりに完了させてしまう。


事態を動かしているのは本人ではなく周囲の人で、文字通り「私の力じゃない」状態。


これはいわば、本人に与えられたドリルを、周囲の人が代わりに解いている状態。

自分で解いていなにのに
「ほら、100点とれてるよ!」
「すごいね!算数得意だね!」
といくら言われたところで、自信がつかないことはご想像いただけると思います。


こういった場合、提示されているステップが本人に合っていないことが多いので、ステップの調整を行ってみてください。



➋〇〇のおかげ

2つめは、自分で行動はしたのだけれど、周囲の人に「〇〇のおかげでしょ」と言われてしまうパターン。

例えば、学校へ足が向きにくい子が保護者と一緒に学校へ顔を出した時、すぐに「はい、先生にお礼言って!」と言われている姿を見たことはないでしょうか。

しんどいながらも着替えて、準備をして、学校まで来たんです。行動しています

でもすぐに言われる「先生にお礼言って!」


この例に限らず、目標を決めて達成して、直後に

「誰のおかげ?」
「ありがとうございました、でしょ」
「感謝の気持ちが足りん」
「達成できたのは周りの人のおかげなんだから」

などと周囲が声をかける。


確かに、自分1人きりの力でできることなんて限られているし、周りに感謝の気持ちをもつことは大切なことです。


でも、自分なりに努力して、行動して、達成して、その直後に言われる「〇〇のおかげ」は

要約すると
「行動はしたけど、アンタの力じゃないよ
というメッセージに聞こえるのは私だけでしょうか。


余談ですが「上手くいったのはアンタの力じゃないよ」を伝えるというのは、依存状態を生み出したい時によく使われる手法です。


よろしくない商法や宗教をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。
(もちろん、良い商法や宗教もありますよ)


「あなたが上手くいったのは、この方の力です」
「大事に至らなかったのは、〇〇が守ってくれたからです」

だから
「あの方の意志に背くと不幸が起こる」
「この〇〇を手に入れないと大変なことになる」
と、特定の人やモノが"なくてはならないもの"になっていくわけです。


「先生がやってくれんと分からん」
「お母さんがおらんと困る」

こんなセリフ、聞いたことはありませんか?




目的が自信であるなら

目標を決めて、できそうなステップを設定して、やってみて、達成して。

だから次の目標が決まって、次もできそうだと思えて、前向きに取り組むから上手くいって。

自己肯定感とは、そうした行動と経験を基盤にして形づくられていくものです。


その行動をおすすめする目的が、やったぞ!できたぞ!と自信をもってもらうことであるとすれば

❶あなたのドリル、代わりに解いておいたよ!
先回りすることや

➋ドリルが解けたのは教えてもらったからでしょ!
他者のおかげであることを伝えることが

あまり良い手とはいえませんよね。


行動をした時には結果はどうあれ、まず第一に、行動したこと、行動しようとしたことに対して、しっかりとフィードバックをしてほしいなと思います。


私がよく行うのは
本人にストーリーを語ってもらうことです。


・行動しようと思ったきっかけは何だったのか
・一番苦労したのはどんなことだったのか
・工夫したことはあるか

などを、こちらがインタビューするような形で、本人に語ってもらいます。


他人からすれば小さな行動だったとしても、本人の中には不安や葛藤があるものです。

そして、その気持ちを落ち着けるためにアドバイスを求めたり、工夫をして臨んでいることも多い。


そういった、達成までのストーリーを
自分の口で語ってもらいます


その過程で「〇〇さんのアドバイスがあったからできた」というような発言が出てきたりもします。

その場合も「じゃ、〇〇さんのおかげだね」と結論づけるのはちょっと待ってほしい。


フィードバックすべきは「そのアドバイスで、あなたはこんなことに気がついたんだね」という、本人の力です。


その上で「そういう気づきをくれた〇〇さんには感謝です」と言われたら、そこで初めて「そうだね」と受け取るように、私はしています。




まとめ

「あなたのおかげです」と言われたら、嬉しいけれど、受け取るのはちょっと待って!

誰に自信をもってもらうことが目的なのか、よく考えましょう。

「私は何もできない」「何もしていない」
とよく口にする方に出会ったら、

先回りや「アンタの力じゃないよ」発言を
していないか、ふり返ってみてください。

行動に対してのたっぷりのフィードバックをし、
達成までのストーリーを本人の口から語ってもらうことがおすすめです。


目的が、本人にの自信であるのなら

感謝の気持ちを受け取るのは
その後にしませんか。




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