はじめてのキスとエトセトラ(短編小説・後編)

美雪と初めてのキスをしてから数日が経過したある日のこと。

学校から帰ってきた彼女は、いつものように僕の部屋に来ていた。

今日は両親が家にいないため、二人きりで過ごすことができる貴重な日だ。なので、この日はいつも以上にイチャイチャすることにした。

最初は普通にお喋りをしていたのだが、次第に話が途切れていき、やがて沈黙の時間が訪れる。

その時間が妙に気まずく感じたので、話題を変えようとした時、彼女が僕の手を握ってきた。

突然の出来事だったので驚いてしまう。

「ど、どうしたの?」

僕が尋ねると、彼女は恥ずかしそうな表情を浮かべながら答える。

「えっとね、その……手を繋ぎたいなって思って……」

「そっか」

僕は、そっと彼女の手を握り返す。

すると、彼女も握り返してくれた。

なんだか凄く照れくさい気持ちになる。

それからしばらくの間、お互いに手を握ったままだったが、やがて彼女が口を開く。

「ねえ、和真君」

「何?」

「えっとね……その……キ、キスをしてもいいかな?」

「もちろんだよ」

僕は即答する。

彼女が望むならいくらでもキスをしてあげたい。

それくらい僕は彼女のことが大好きなのだ。

彼女は嬉しそうな笑顔を浮かべた後、目を閉じて顔を近づけてくる。

そして、そのまま僕の唇に自分の唇を重ねてきた。

柔らかい感触が伝わってくる。

数秒ほど経った後、ゆっくりと唇を離す。

彼女は顔を真っ赤にしていた。

そんな彼女を見ていると愛おしく思えてしまう。

もっと彼女にキスをしてあげたくなった僕は、再び彼女にキスをすることにした。

「んっ……」

唇を離すと、彼女は潤んだ瞳で僕のことを見つめてきた。

そんな彼女を見ていると胸がドキドキしてくる。

もっと彼女を可愛がってあげたくなる。

それから僕は何度も彼女にキスをした。

どれくらいの間そうしていただろうか?

気がつくと、いつの間にか日が暮れていた。

そろそろ帰らないといけない時間だ。

僕は名残惜しそうに唇を離す。

すると、彼女は物欲しそうな目で僕を見つめながら尋ねてきた。

「和真君……」

「何?」

「もう一回だけしてもいいかな?」

どうやら、まだ足りないようだ。

僕も同じ気持ちだったので快く了承した。

それからしばらくの間、僕は彼女に求められるままに何度もキスをした。

結局、その日は一日中、彼女とキスをして過ごしていたのだった。



その日以来、毎日のように彼女とキスするようになった。

毎日キスをしているせいか、最近ではキスをするだけで興奮してきてしまい、我慢できなくなってしまうことが多い。

そのせいで何度か彼女を襲ってしまいそうになることもあったが、なんとか理性で抑えている状態だ。

それでも限界が近いのも事実であり、いつ我慢できなくなるかわからない状況が続いている。

もしかしたら近いうちに一線を越えてしまうかもしれない。

そうなったとしても後悔はしないつもりだ。

だって、僕は彼女のことを心から愛しているのだから……。

そして、今日もまた彼女とキスをする。

舌を絡め合い唾液を交換しあう濃厚な口づけを交わす。

それだけで頭がクラクラしてきて何も考えられなくなる。

しばらくした後、ようやく唇を離すことができた。

お互いの唇から銀色の糸が伸びており、プツリと切れる。

それを見た僕は思わずドキッとしてしまった。

彼女の顔を見ると頬が赤く染まっており目がトロンとしている。

その姿を見ていると余計に興奮してしまい、すぐにでも襲いかかりたくなる衝動に駆られるが必死に堪える。

これ以上先に進むわけにはいかないからだ。

だが、そんなことを考えている余裕はすぐになくなった。

なぜなら、彼女が服を脱ぎ始めたからだ。

突然のことに驚き戸惑う僕に彼女は優しく微笑みかけてくる。

そして、ゆっくりと近づいてきたかと思うと、耳元でこう囁いたのだ。

「和真君、私を抱いてほしいの……」

……と。

その言葉を聞いた瞬間、頭の中が真っ白になり何も考えられなくなってしまった。

気がつけば僕は彼女に抱きついていた。

その後は夢中だった。

無我夢中で彼女を求め続けた。

まるで獣のように激しく愛し合った後、疲れ果てて眠りにつくまで僕たちはずっと抱き合ったままでいるのだった。

こうして僕たちの初体験は無事に終わったのだった。

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