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【読書と雑記】夢野久作 ドグラマグラ

ドグラマグラを読んで
「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」って評されるくらいの
インパクトがある作品として
ドキドキしながら読んだんですが、
そこまでの本なのかなぁと思ったのが
正直な所でございます。
本書は乱歩江戸川が『訳わからん小説だわ!』とか突拍子もないと形容されるような作品だと言われています。
しかし2022年現在、日本人の私が読んだかぎりのドグラマグラは『ん?全然普通に読めるけどなぁ』と思いました。
それはなぜなのか考えたのです。
そもそも本書が刊行された1935年(ほぼ90年前)と比べて日本人は特にそうだし
世界的にも狂人消化力みたいなものが上がったんじゃないかな?って思ったんです。
この狂人には天才も含まれます。
私はクリストファー・ノーランって映画監督が大好きなのですが、正直なところノーランの作品の方が狂気だし難解だと思いました。
メメントって作品は主人公が10分ごとに
記憶を失うって設定を見てる側に体験させるために時系列を逆から始め、しかも要所要所に
正しい時系列の物語を差し込んでくるっていう
それこそ訳の分からない演出をしてくるのです。
そういう類いのに比べたらだいぶ読みやすいよねって思いました。
しかし!!このドグラマグラって作品はとても面白い!日本独特だと思われる湿気と不気味さ
の狂人の扱い方!素敵であります。
本書を読んでて日本における狂人の扱い方、
監視社会の生きづらさについて考えさせられました。ある精神科医の先生がおっしゃってたのが
海外に比べて日本での精神疾患患者に対するアプローチで特徴なのが身体拘束の割合が多いそうなんです。ハンニバル・レクター的なやつ(ホッケーマスクは除く)国によっては
身体拘束が0の国もあるみたいなんです。
これって日本っぽいなぁって思ったんですよ。
国土が狭いからどうしても他人との距離が近いし、災害が起きた時に隣人と協力しないといけないから日本人って他の国と比べて"島国としての集合体"って意識がDNAのどこかに組み込まれてるんじゃないかって。
だから拘束して最終的には閉じ込めるってアプローチになるのかなって思ったんですよね。
すなわち、集合体としての"異物"として
排除されるってことです。でもこれはある種の
平和な日本を作ってるものでもあると思ってて
良し悪しなのかなって考えてます

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