#31 腕や肩が疲れない!カバンの持ち方
パーソナルトレーニングジム SISEIの宮谷です。
みなさんは、普段持ち歩くカバンは重いですか?軽いですか?
僕は周りの人が驚くほど重い、荷物がたくさん入ったカバンを普段から持ち歩いています(笑)
「重くて腕や肩が疲れないの?」と聞かれることも多いのですが、あるコツを知っていると、背中や体幹の筋肉で重さを支えることができて疲れないのです。
今回は、そんなカバンの持ち方についてお話しさせていただきます。
※ いろんなカバンがありますが、今回は手提げカバンを題材にします。
腕や肩が疲れる理由とは?
女性がカバンや荷物を持つとき、上図のように前腕に引っかける人多くないですか?
カバンが重くなると手のひらを強く握り締めて、腕に力を入れて持っている人や、カラダを反対方向に傾けて、肩を上げて持つ人もよく見かけます。
〈上図・左〉
肘を曲げて持つということは、肘関節の屈曲筋を使っていることになります。この肘の屈曲動作には、主に“力こぶ”を作る「上腕二頭筋」やその深層にある「上腕筋」、前腕の親指側に走行する「腕橈骨筋」などを含め、大小7種類の筋肉が関係しています。
肘を曲げて重いカバンや荷物を持ち続けると、この筋肉群が頑張りすぎて疲弊してしまい、結果的に腕が疲れることになるのです。
また手のひらを強く握りしめる(げんこつを作る)ことで、筋膜の連結(アナトミートレイン)の観点から、巻肩姿勢を助長してしまう可能性も高くなります。
〈上図・右〉
肩をすくめるように持つことで、“肩こり”の原因とされる「肩甲挙筋」や「僧帽筋上部繊維」が緊張した状態で固まってしまいます。
この筋肉群が肩甲骨を持ち上げてしまうことで“いかり肩”の状態になってしまい、胸式呼吸を優位にさせてしまったり、“ストレートネック(スマホ首)”を助長させてしまう恐れがあります。
例えば肩をすくめることなくカバンを持ったとしても、取手を握りしめる(握り拳を作る)ように持つことで、筋膜連結の観点から僧帽筋に負荷がかかってしまいます。
今回は触れませんが、カラダを横に傾けて(側屈)持つことで、姿勢が歪んでしまうことも想像ができますね。
以上のことから、女性のカバンの持ち方は、カラダの前面の筋肉を使っていることが分かります。
また男性と比べて腕の筋力が弱いことから、腕が疲れてくると、今度は肩をすくめて持つことから、女性が慢性的な肩こりを訴える理由も見えてきます。
では、どうすれば腕や肩が疲れることなく、姿勢を崩すことなく、女性でも重いカバンや荷物が持てるのでしょう?
疲れない持ち方とは、「背中の筋肉を使うこと!」
先に見出しで答えを書きましたが、ズバリ「背中の筋肉を使ってカバンを持つ」ことが疲れないカバンの持ち方です!
「どうやって?」と思う人が多いと思いますが、そのヒントは指の使い方にあるのです。
まずは簡単な実験をしてみましょう。
①は自然に腕が内旋して、脇が開いてしまい、肩周りに力が入ってしまいます。
②は自然に腕が外旋し、脇が閉まって肘が絞れると同時に肩甲骨周りに力が入ります。また肩の力みは感じられません。
もうお分かりですね。
カバンを持つとき、「薬指、小指で持つ」ようにするだけで、背中の筋肉で重さを支えることができるのです。
これは親指側(母指球筋群)と小指側(小指球筋群)の筋膜連結が、それぞれカラダの前面と背面と異なってつながっているためと言われています。
前項でエラー例として紹介したカバンの持ち方を、背中の筋肉を使って楽に持つ方法で実践してみました!
※ 写真では分かりやすいように人差し指と親指を立てて持っていますが、実際には力まずに添えるように持てばOKです。
中指は個人的に安定性や握りやすさの面で、握って持っています。
最後に
薬指と小指を意識的に使うことは、実は日本の武道では基本として教えられています。
剣道の竹刀の握り方、弓道の弓の握り方、柔道で投げるときの襟や袖の持ち方など、背面や体幹の筋肉を連動させて使えるようにするための基礎知識として、古来より伝承されているのです。
相撲の格言の中にも「まわしは小指から取れ」とあるように、体幹の安定につながる背面の筋肉を使うためには、小指を意識的に使うことは重要になるのです。
日常生活で背中の筋肉が使えるようになると、二の腕(上腕三頭筋)のシェイプアップにもつながります!
また背中の筋肉が使われることによって鍛えられると、巻肩やストレートネック(スマホ首)改善、猫背改善などのさまざまな効果が期待できます。
簡単に実践できることですので、ぜひカバンや荷物を持つとき薬指と小指を意識して使い、ご自身で体感してみてください!
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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