現代語訳『我身にたどる姫君』の連載再開連絡(+これまでのあらすじ)

この度、3年ぶりに『我身にたどる姫君』の現代語訳を再開します。
過去に最新エントリーまでお読みいただいた方も恐らく内容をお忘れだと思いますので、これまでの内容をまとめました。
(わたし自身も色々と忘れていたため、最初から読み直しました)

ネタばれが嫌いな方は、上記のリンクから順番にお読みください。
今回、再開するのは「第三巻」のその17からになります。

また、「第一巻」と「第二巻」に関しては、noteの記事に加筆修正したものをKindleストアでも販売しています。


以下は、これまでの物語のあらすじ(ネタばれ)です。


都から離れた音羽山に一人の姫君がいた。尼君と静かに暮らしていたが、自分の素性が分からないことが不安で「我身をたどりたい(出自を知りたい)」といつも嘆いていた。

姫君の美しさを知った三位中将(関白の長男)と二宮(皇后宮の次男)は何とかして姫君を手に入れたいと必死になった。
実は、姫君は皇后宮と関白の間に生まれた隠し子で、三位中将と二宮はどちらも実の兄(異母兄と異父兄)だった。

三位中将と二宮が姫君に手を出そうとしていることを知った皇后宮は心労で倒れ、臨終の際に関白を呼んで姫君の世話を託した。
皇后宮の死後、関白は姫君を自分の屋敷に引き取った。
三位中将と二宮は、姫君が突然行方不明になったことを悲しんだ。
一方、愛する皇后宮を失った帝は退位の意向を固めた。

帝には皇后宮(姫君の母親)と中宮(関白の妹)の二人の后がいた。

皇后宮(故人)には三人の子どもがいた。一宮(長男)は東宮(次期帝)だった。次男の二宮は女にしか興味のない好色者で、政治にはまったく関心がなかった。女三宮(娘)は皇后宮の美貌を受け継いだ容姿で、三位中将が密かに思いを寄せていた。

中宮には二人の子どもがいた。三宮(息子)は堅実な人となりで、周囲から次期東宮と目されていた。また、中宮は女四宮(娘)を三位中将(甥)と結婚させようと考えていた。

三位中将は権中納言に昇進した。

中宮は、女四宮(娘)と権中納言(甥)の結婚を強引に決定した。権中納言は逆らえなかったものの、女三宮のことが忘れられず、ついに強姦に及んだ。しかし、女三宮は相手に不信感を抱き、心を開こうとはしなかった。

権中納言は病を理由に、女四宮との婚儀を延期し続けた。




――以上が、中断していた「第三巻 その16」(第三巻の序盤)までの内容です。

というわけで、「権中納言」「女四宮」「女三宮」の結婚問題がバタバタしていた状況からリスタートになります。また、これまでやや影が薄かった主人公の姫君も、少しずつ本編に絡んできます。

それでは、改めてよろしくお願い申し上げます。


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