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「好き」
小学6年生のころ帰り道の分かれ道で彼女に向ってつぶやいた。
キョトンとする彼女。赤面し始めた僕。
しばらくすると彼女は苦笑し始めた。伝わったのだろうか?
「ありがとね!」
そうつぶやき彼女は家に帰っていった。
返事は??もしかしてふられたのか??と思い少しショボンとしてしまった。僕は悲しみに浸りながら帰路についた。

3年後、僕は中学3年生になった。3年生になるといろんなものが変わる。
学校内での立場、宿題の量など、たくさん変わる。
でも変わらないものがあった。
「彼女への愛」
これだけは3年間変わらなかった。本当に僕は彼女に一途だった。
そんな彼女とは今、一緒に帰ったり、一緒に遊びに行く仲でもなくなった。
小学校はいつも一緒に帰っていたのに…
ただただ悲しい。そんな気持ちになっていた。

そんなこんなで時は流れ、僕らの卒業式当日となった。
結局、彼女との仲が進展することはなかった。
式を終え、みんなで写真撮影や、喜びをわかちあっている最中だった。
彼女に肩をたたかれ、
「ついてきて」
とだけ、言われた。一緒に写真撮影をしていた友人は
「…お幸せに」
と、切れ気味につぶやかれた。なんで告白されるのが確定されてんだよ。
そんなことを考えながら、彼女の後を追った。

彼女が足を運んだ場所は屋上だった。うちの学校は屋上が使える珍しい学校で有名である。
すると、彼女はこう言った。
「ずいぶん話してなかったねー、私としゃべれなくて悲しかった?」
そんなことを問われた。そんな問いに僕は、
「そんなことねぇーよ。」
そう答えた。すると彼女は過去の話をした。
「私覚えているよ?私に好きだって言ったこと。」
ドキッとした。鼓動が一気に早くなった。
「私、あの時返事してないんだよねーいま、しちゃおっかなー?」
僕の鼓動はさらに早くなる。顔も熱い。赤面しているのだろう。そんな僕に、彼女は告げた。



「高校に行ったらよろしくね?彼氏君」

そんな言葉だった。
彼女は僕の告白に今OKをしてくれたのだ。
その事を理解するのに10秒ほどかかった。
3年間も焦らし続けた彼女に対して僕は、


「あぁ、よろしくな。」

と赤面しながら、彼女のほうに向いた。すると、彼女は

「私の高校生活に花を咲かせてね?咲かせなかったら怒るからね??」

そんなことを告げた。僕はコクりと頷き、思わず笑った。彼女も笑った。そんな彼女の笑顔は、


まるで、流星のように美しい笑顔だった。

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